私が初めて「ダブルバインド」という言葉を教育の場で聞いたのは、2012年に名古屋でおこなわれた「日本語教育とコンピュータ」国際会議でした。劇作家の平田オリザさんが説明されていたこの概念は、バイリンガル、バイカルチャーの子供が体験していることに当てはまると思い、様々な場で、この「ダブルバインド」を検証しています。
平田さんが話していた例を引用すると「例えば、家ではあるふるまいが許されていて親もそのようにふるまっているのに、学校ではまったく別の行動を要求され、親も家庭外では別の行動を強制するような場合、子供は混乱して何が正しいのかわからなくなる」というような現象を「ダブルバインド(二重拘束)」といいます。
例えば、日本の文化では「良し」とされる空気を読むことや人の気持ちを察することが欧米の文化では、不可解でコミュニケーション不足のように取られることもあります。
日本語では主語を外し、受け身の形で話すことも、英語では不適切になりうることがあります。例えば、日本人の子供はよく「XXちゃんにぶたれた。」と言いますが、英語なら「I was hit by XX.」ということはほとんどなく「XX hit me.」となります。このような一つの言語・文化では正しいことが、もう一つの言語・文化では不適切なことは、モノリンガルの家庭、学校、社会でも起きうるわけですが、多言語、多文化が共生する場ではさらに多くなります。
このブログでは、これからも私や周りの人々が体験する「ダブルバインド」とその対処法を時おり、ご紹介したいと思います。