子宮外妊娠についてです
http://hama-sush-jp.pro/kyusan0225/entry-11712736665.html
まとめの復習
1、妊娠反応陽性=正常妊娠ではない!
2、子宮外妊娠は大量の腹腔内出血が起こる事も多い!
3、子宮外妊娠は破裂前に発見すべきである!
さて、
子宮外妊娠は
診断がとても難しい病気の一つです
私達産婦人科医は
この病気を診断するために
3つの武器を使います
しかしっ!
この3つの武器は
全て長所と短所があるため
うまく3つを組み合わせて
判断しなくてはいけません
では、
その3つを順番に解説します
武器その1:妊娠週数
まずは妊娠週数が
一つ目の武器になります
基本的には
通常妊娠6-7週で
GS(赤ちゃんの袋)が
子宮内に見える
というのが一般的です
つまり、
妊娠7週で子宮内に
GSが見えないと
ちょっとおかしいな
と考える訳です
しかし
初期の妊娠週数は
正しいとは限らないっ!
という欠点があります
何故なら
初期の妊娠週数は
月経周期28日型の
最終生理開始日から数えているから
なのです
( ̄Д ̄;;
何言ってんの?
と思われるかもしれません
もう少し詳しく説明しますと
28日型の生理周期の人は
生理から14日目に
排卵して、受精します
さて、
生理周期は
28-30日の方が一番多いのは
事実なのですが、
生理周期が40日と長かったり
毎回バラバラの人も沢山いらっしゃいます
生理周期が遅れるというのは
実は、排卵までの日にちが遅れている事が
ほとんどです
つまり、生理周期が
42日型の人を例にとると
排卵までの日にちが2週間後ろにずれ込みますので
42日型の人の妊娠6週は
28日型の人の妊娠4週くらいにしか
赤ちゃんが実際には育っていない事になります
つまりこんな図になります↓

図はクリック拡大して下さいね
これは異常でも何でもなくて
現在の医療では
初期の正しい妊娠週数を
知る術が無いためおこるのです
ちなみに最近色んなアプリで
最終生理を入力すると
現在の妊娠週数が表示される
というものがありますが、
これは、あくまで
仮の週数である事を
絶対に覚えておいて下さい
(きゅーさんのアプリでも
妊娠10週前後で
分娩予定日の変更があった場合は
予定日を変更する事を注意しています)
赤ちゃんが9週相当まで育った時点で
妊娠週数はきっちり決定されます
さて、
つまり初期の妊娠週数は
あまりあてにならないので
これだけで、子宮外妊娠を判断するには
ちょっと力不足なのです
もちろん
月経周期がきっちり28日型だったり
35日だけど毎回ずれは無い
場合等はある程度有力な情報となりますが
こんなケースだと
妊娠週数というのは
全く参考にならない事になります
妊娠週数の欠点:初期はあまり当てにならない
武器その2:経膣超音波
産婦人科医の
最も心強い武器といえば
経膣超音波
です
膣から近い
子宮や卵巣を
とても観察しやすい道具で
検査に伴う痛みも
侵襲もほとんど無く
かなり理想的な道具になります
さて、
こんな強い味方である
経膣超音波では
子宮内にGSがある事を
実際に確認できます
つまり
経膣超音波で
GSを確認できれば
子宮外妊娠の可能性は
限りなく0に近づきます
(稀に正常妊娠と子宮外妊娠を
合併している事がありますが・・
双子の内の1人が
子宮外に妊娠した場合ですね)
しかし問題点としては
GSが見えないときの
診断が難しいのです
まずは下の図を見て下さい
超音波でGSが見えなかった場合は
こんなに沢山の可能性があるのです
仮にGSがまだ凄く小さい場合に
こりゃあ子宮外妊娠だっ!
といって手術してしまったら
正常妊娠だったのに
わざわざ手術してしまうという
最も悪い結果を招いてしまいます
さらに
超音波の欠点として
子宮と卵巣はとても見やすいのですが
細長い卵管に関しては
上手く見る事ができません
理屈でいうと
卵管にGSがある場合は
膨らんだ卵管が見えるかと思うのですが
上手く見えるときと
見えない時があるので
(ちなみに卵管内で大きくなったGSと
中で心臓が動いている赤ちゃんが
見える事があります
その場合は超音波だけで確定診断な上
破裂寸前なので、緊急手術です^^;)
なかなかこれだけで判断するのも
難しいのです
経膣超音波検査の欠点
GSが見えなかった時の判断が難しい
卵管は見えにくい
武器その3:HCG
HCGというのは
赤ちゃんの胎盤になる部分から
作られるホルモンです
HCGは2日で
倍々に増えていくので
とても値が追い易いホルモンであり
数値がしっかり上昇していけば
赤ちゃんが育っている事と
ほぼ同意になります
大体2000くらいで
GSが超音波で見えるくらい
といわれています・・

HCGの説明
ちなみにHCGは将来つわりの原因になります・・
とても使える検査なのですが
やはり欠点が・・
一つは
検査してもすぐに結果が出ない事です
インフルエンザ検査→陽性→治療!
というような検査では無いのです
さらに・・
1回値を見ただけでは
あんまり意味をなさない
という事が挙げられます
というのも
このHCGは
上昇中なのか?
下降中なのか?
がとても重要なのです
上昇している=赤ちゃんがどこかで育っている
下降している=赤ちゃんがすでに育っていない?
という事になります
そのため
一回見ただけではそれが分からない・・
のです・・
HCGは少なくとも2回検査して
その動きを追わなくてはいけないのです
HCGの欠点
検査に時間がかかる
一回では何とも評価しにくい
さて、
ここまで子宮外妊娠を診断するために
使用する武器3つを
紹介してきました
まあ子宮外妊娠を診断するのに
絶対的に白黒がすぐにつく検査は
なかなか無いのが現状です
さて、次回は
じゃあ、皆さんがどんな事に心がけてくれれば
子宮外妊娠を、危険な状態になる前に
発見しやすくなるのか?
まとめの意味も含めて
解説したいと思います
是非皆さんも一緒に考えて下さいね^^



