カンガルーケアで脳に障害…両親が自治医科大と国提訴
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20121018-OYT8T00992.htm


今晩は(^_^)
本日ニュースでやっていましたので、
ちょっとお話を。

カンガルーケアが安全か?
推奨されるべきなのか?
結論は未だはっきりしませんし
おそらくしばらく結論はでません・・

ただ、僕が訴えたいのは
カンガルーケアについて、定義があいまいなまま
ニュースや議論が進んでしまっている点です。

カンガルーケアは、出生直後の赤ちゃんを抱っこする事で
母性が生まれたり、子供の精神面にも良いというイメージがあると思います。

でも、そのケアはあくまで
後から定着したものなのです。

そもそも、カンガルーケアは
NICU(新生児集中治療室)の設備が無かったり
衛生環境が整ってい無い、発展途上国で
広がった方法です。

現在日本の新生児死亡率は
1000人あたり1人ですが、アフリカなどでは
40~50人と大変高くなっています。

産まれたばかりの赤ちゃんの命に大きく関わるのは
適切な体温保持と衛生環境です。

特に未熟児や何らかの異常を持った赤ちゃんにとっては
なおさら的確な管理が必要になります。

しかしその様な環境が整っていない場所では
新生児や未熟児が助かるかは運を天に任せるしか
無かった訳です。

その様な環境で、産まれた赤ちゃんを
お母さんの胸の上に抱っこする事で
体温保持が可能となり、未熟児の生存確率が
改善された、というのがカンガルーケアの始まりです。

さらにその後、他にも色々良い面がありそうだ
ということで、広がって来たのです。

この様なカンガルーケアの成り立ちを考えると
今話題になっている、カンガルーケアの
「満期産の赤ちゃんを、出産直後に抱っこする」
という考えは、元来の物と異なる事がわかると思います。
(混合を防ぐため後発カンガルーケアと呼ばせてもらいます)

カンガルーケアについて議論するときは
必ずこの違いについて言及してから
議論して欲しいものです(ニュースも含め)。

ちなみに未熟児の(NICU管理している赤ちゃん)のための
カンガルーケアについては、
元々の意味合いに近いです。

赤ちゃん達は、クベースという
保育器の中で、温度管理や光の管理をされていますが
適度にお母さんの肌に触れる(カンガルーケアをする)
方が、将来の発達にいい影響を与える
という考え方で、沢山の施設が実践しています。

でも日本では、後発のケアのイメージが
定着しすぎてしまったのですね。
しかも、出産後なるべく早く抱っこをさせるのが
良いという考えを持っている方も多く(お母さんも一部の医療従事者も)、
臍の緒がつながったまま、後発カンガルーケアを最優先に行う
なんていう施設もあります。

この後発ケアですが、
特に問題が起きなければ、施設方針に従えば良いと思いますが、
直接の因果関係は証明されていませんが、
ケア中に赤ちゃんの状態が悪くなる例が
いくつか報告されたので問題になっています。

専門家も含めカンガルーケアが原因なのか
それとも関係ないのか?
ず~っと議論が続いていますが、
答えは出ませんし、今後も出ないと思います。


議論している皆さん、お互いが絶対正しいと思っているからです・・(^^;)
でも医療ってそういうものです・・
以前はやったうつぶせ寝も、当時はとても熱い議論がされていました。
(昔はうつぶせ寝が勧められていたが、
赤ちゃんが突然死亡してしまうケースがいくつも報告され
現在は勧められていません)

僕は元々のケアの意味を考えると
医療設備が整い、新生児死亡率もかなり低い日本で、
後発カンガルーケアを躍起になって行う必要が
本当にあるのか?としばしば疑問に思います。

産後なるべく早くお母さんとふれあう事は
もちろん大切だと思いますが、
赤ちゃんに異常が無いことを確認して
しっかり管理出来る状態でケアを行うのが
一番シンプルだと思います。

ちょっと長くなりましたが、ブログ読んで頂いている皆様も
この機会に是非「カンガルーケア」について
勉強して頂ければ幸いです。