ジェネリックのある先発医薬品の選定療養について現場からの感想 | kyupinの日記 気が向けば更新

ジェネリックのある先発医薬品の選定療養について現場からの感想

 

 

2024年10月から、本人の嗜好でジェネリックではなく先発品を希望した際、特別料金を徴収されるようになった。この制度について、これまでに記事を何本かアップしている。

 

この制度は選定療養などと言われるが、これは見方によれば、ある種の混合診療を一部認めたような制度である。よく知られているものとして、入院の際の差額ベッドが挙げられる。差額ベッド費用は保険適応がなく自費で支払うが、同時に受ける医療については保険が認められると言った感じである。

 

以下はGoogleで選定療養を検索した結果だが最初に挙げられている。ジェネリックを希望する際の特別料金は、保険適応がなく自費なので、差額ベッド代的な扱いになっているのがわかる。

 

 

選定療養が始まり、最初にやや混乱があったが、既に2か月過ぎていることもあり、徐々に落ち着いてきている。今回の制度変更で感じたことを挙げたい。

 

1、サインバルタやレクサプロは院外薬局でジェネリックを勧められ、既に変更されていた人も少なからずいたこと。医師が処方箋に変更不可とサインしない限り、薬局の裁量でジェネリックに変更できるルールになっている。しかも変更したことを処方箋を出した医師に情報共有する義務まではないので、医師は知らないのである。今回始まった選定療養の細かいルールを時間をかけて説明したのに、意味がなかったってどういうことよ!と言いたい。

 

2、選定療法を説明し「それでも私は先発品を希望する」と言う人はほとんどいないこと。国に抗議したいと言うような人でもジェネリックを受け入れることがほとんどだった。特別料金を支払って先発品の継続を希望した人は僕の患者さんでは1~2名であった。

 

3、うちの病院では先発品はサインバルタとレクサプロが多かったが、この2剤をジェネリックに変更して違和感を感じた人は全然いなかったこと。スムーズに変更が進んだ。また、デパス、ワイパックス、ソラナックスについても、ジェネリックとの差異がわかる人がほとんどいなかった。デパスのみエチゾラムに変更した直後、少し違和感があったがすぐに慣れたと言う人がいた。サイレースもデパス程度にはわかる人が出てくるような気がしたが、サイレースは処方されている人がたまたまいなかった。

 

こんなところである。今回の変更で、先発品メーカーは売り上げが減少し大変だろうと思うかもしれないが、実はむしろ困っているのは後発品メーカーのような気がする。国内で急激にジェネリックに変更されることにより供給が追い付かず、供給が止まってしまった医薬品も増えているからである。

 

元々、ジェネリックは製造しても利ザヤが小さいので、後発品メーカーは、急激に増産するほどの余裕はないと思われる。