スマホの万歩計と体調不良の話
最近のスマホには万歩計が付いている。スマホによると歩いた距離まで表示される。単科精神科病院はやたら広い病院があり、職場によると1日働けば4000歩くらい行くのではないかと思う。
僕の病院では1日働いてだいたい3000歩くらい。これでもたぶんクリニックのドクターよりは多い。(都市部の電車通勤の人は別。地方は車社会なので)。
リエゾンは総合病院まで出かけ各病棟を歩き回るため、その日はトータル4000歩以上になる。体調が悪い日はこれだけで大変である。なぜリエゾンが疲れるかだが、歩くことだけではなく、電子カルテなどいつもと勝手が違うのも大きい。
仕事が終わり散歩をして帰ると、1日1万~1万1千歩である。実質7000歩くらい散歩している。
ある時期、著しく体調が悪化し、このままだと、マジで仕事ができなくなるのでは?と思った。まだ引退する歳ではないのに、そんな風だったのである。
卒業後、専攻を決める際に、手術がない、徹夜続きがないなどの身体的負担が少ないために精神科を選んだ人はあまりいない。僕でさえ、卒業当時、たまたま体調が悪い時期だったが、それが理由になっていない。
しかしながら、精神科医って平均して体が強くないのよね。結果的にうまい具合になっている。
ある日、体調が悪すぎて、何か良い方法がないものか、治療指針を示してくれそうな病院を発見し、県外まで遠征した。このトライだが、ずいぶん前から行っている。このブログのプロフィールに東京に行くことが多いと記載しているのは治療のためである。
この「治療指針を示してくれそうな」というのが曖昧で、受診するまで良いかも?という確証などなかった。これまでの経験もあり、全く期待などしていなかったのである。
プラセボ効果はマイナスではないものの、ゼロに等しかったと思う。診断は最初からほぼわかっていたが、良い治療法がなかった。
今回の結果だが驚愕するようなものだった。僕は散歩などしてはならないと言う。お散歩は健康に良いと言うが、自分に限れば散歩も良くないらしい。また階段を上ることも良くないという。もちろん、水泳もダメ。
基本的に自分の場合、お散歩をして良いことなど全くないという。(←衝撃的)
この診察結果、全然と言うほど運動ができなくなった。仕事の時は仕方なく歩く。歩かないと仕事にならないからである。
なお、体全体への衝撃を抑えるために靴も替えた。それまでは裸足で歩いているような靴だったが、保護的なものにしたのである。
もっと驚きなのは、見かけ上、健康そうに見えること。仕事も全く休むことなく食事も普通に摂れる。わりとニコニコしているし、自分から言わないと周りからは不調には見えない。これは精神科医っぽいところで、身体的な不調や精神的不調(不機嫌など)を周囲に見せない習慣があるのである。
「運動をしてはならない」だが、急にそういわれても困る。運動をし続けている人にとって、急に動けなくなるのは結構つらいものだ。
しかし医師の指示に従うと、劇的というほど体調が回復してきた。数日で明らかに実感が改善してきたのである。医師からお散歩を禁じられている中、体重が減っているので、やはりピントが合った治療法のようなのである。
最近から、やっと少しだけならお散歩も良いでしょうという話になったが、1日6000歩くらいが限度で、7000歩だとかなり悪いことがわかった。ひょっとしたら歩数より歩く時間が重要なのかもしれない。スマホでは、
6000歩=3.6㎞
くらい。これ以上歩くと結構、後に響く。まだ十分には良くなっていない。
今年、福岡に短期間旅行したことがあった。嫁さんと2人でホテル日航福岡から天神まで地下鉄で買い物に行ったところ、天神でもはや歩けない状況になった。福岡で博多駅から天神まで地下鉄で行くとはいえ、新宿駅のような広さはないので、そこまで長い時間歩いたわけではない。動けなくなった時、スマホをみると9500歩であった。当時の自分にとって9500歩は大変な距離である。
仕方なくタクシーでホテルまで帰り、夕方まで安静にしていたら、いくらか楽になった。そこで、レストランを予約していたので、再び天神までタクシーで出かけたのである。
この時のことを医師に話したところ、7000歩はきつい距離なんだそうだ(自分にとって)。
余談だが、福岡って街の名前が洒落ていると言うか格調が高いと思う。例えば、天神、浄水、大濠公園、赤坂、大手門、薬院、西新などである。
そんなありさまなので、今はお散歩コースも途中で突然引き返すという以前と違うコースになった。ただ、この範囲にもネコはいる。
それでも健康状態が上向いてきて、あまり予想していなかった良いこともある。
1つは摂取カロリーおよび体重減少、無駄に飲料水を飲まなくなった。ただし、これは医師に言われてそうしたわけではない(食事療法は必要ない)。
ほんの4か月ほどで78㎏が74㎏まで減っており、まだまだ減少中である。今はベルトはかなり緩いため数百円支払ってベルトに穴をあけてもらおうかと思っている。(自分ですると歪になるので)
この時、思ったのは、ヒトは体調不良とか体がきつい時に甘いものがほしくなること。
無駄に飲まなくてよいと言うのは、心がけではあるが、身体的なベースラインが上がっていないとたぶん難しいのであろう。
もう1つは、お酒のアレルギーの軽減。甘酒さえ当たっていたのに今は普通に飲める。しかし、特別な地ビールなどはあたることがわかり、アレルギーがなくなったわけではなく、程度が軽くなっただけ。しかしこれでも大違いである。
アレルギーが身体状況に深く関係することがよくわかる事件だと思う。
酒(アルコール)アレルギーはお粗末な話で、コークハイをつくった際、コーラをダイエットコーラにしたために発症。たぶん人工甘味料+アルコールが悪かったと思うが、この日以降、単にアルコールを飲んだだけで体中の痒みが出るようになった。
その後、ビール、日本酒、米ないし芋焼酎、ウィスキーなどほぼ全部だめだが、なぜか黒糖焼酎だけはアレルギーが出ない。普段アルコールを飲まない方なので、これでも苦痛はあまりないが、ビールが飲めないと乾杯が困るといったところだった。不思議と普通のコーラはアレルギーなしで飲める。ダイエットコーラは怖くて試していない。
なぜコークハイを造ったかというのもお粗末。
オーストラリアに行った時、既製品のコークハイが売られていた。例えばジャック・ダニエルのコークハイは、ジャック・ダニエルコークと呼ばれ、ジャック・ダニエルに似た瓶で売られている。ジン・ビームコークも同様。このコークハイが結構うまいのよ。これをダイエットコーラで造ったのが不運だった。不注意と言うべきか。
今回学んだことは、不運の時や体調不良の時は、適切にあがくこと。
半年前は「この状況が続いたらマジで仕事ができなくなるのでは?」とまで思うほどの危機感があったが、今はそんな風には思わない。
苦境は自ら切り開く心がけがないと。
あと、もう1つの発見。
極端に体調が悪い状態が半年以上続いても、患者さんは従来と同じくらい良くなる。別に治療者の体調が悪くても治療パフォーマンスには全く影響しないようなのである。
この理由だが、いろいろあると思うが、1つは僕が生物学的視点で治療する治療家だからなんだろうと思う。