昔と今を比較して、便利になったなあと思うものは多いが、その中でも一つあげるとすれば、それはグーグルマップである。日本全国、住所さえ分かれば場所がすぐに特定できるのは凄いと言わざるを得ない。

 

 

まだグーグルマップがなかった頃、住所と地図を頼りに女の子の家を探したことがある。でもその時は見つけることができずに断念した。

 

最近それを思い出してグーグルマップに住所を入力してみた。するとピンポイントで家が特定された。

「ここだったのか…」

 

場所が分かると行ってみたくなる。電車に乗って最寄り駅で下車して目的地に向かう。到着して表札を見ると名前が違っていた。ここはその子の実家だったが引っ越してしまったようだ。

 

すぐ近くに、昭和の頃からやってると思われる町医者があった。

「彼女が風邪をひいた時は、ここで診てもらっていたんだろうな」

そんなことを思った。

 

最寄り駅までは10分ほどの一本道。この道を歩いて高校も大学も通っていたんだと思った。そしてあの日も、ここを通って帰宅したんだと思った。どんな気持ちで歩いていたんだろうと思いを馳せていたら、心の奥がキュンと音を立てた。