雑記:映画「スワロウテイル」 | ダメ人間のホビーライフ

ダメ人間のホビーライフ

トランスフォーマーやフィギュアについてただだらだらと書くブログ。

こんばんは~。

9月になりましたねー。最近は記録的な豪雨が多くて日本という国が心配になりますよ。

image

さて今日は先日リバイバル上映で観に行ったスワロウテイルという映画があまりにも素晴らしかったので皆さんにも是非広めたいなと思い記事を書くことにしました。

ネタバレはしませんのでまだ観ていない方も是非楽しんでいただけると幸いです。

それではいってみましょー。

image

image

〈あらすじ〉

1996年公開。監督と脚本は岩井俊二。

この映画は「円が世界一強い通貨だった」という今では信じられないような架空の日本が舞台となっています。

そしてそんな強力な通貨である円を祖国に持ち帰るべく日本に不法入国をして稼ぎを得ようとする外国人たちがいました。

彼らは不法入国者の溜まり場となっている都市「円都(イェン・タウン)」に身を置き、日本人は増えすぎた移民に迷惑してることもあってか彼らのことを「円盗(イェン・タウン)」と呼んで蔑んでいました。

そんなイェン・タウンに住むイェン・タウン達の人生を描いた青春群像劇となっています。

ここで読んでる方も気づいたと思いますがこの「イェン・タウン」というキーワードはダブルミーニングになっているんですよね。

劇中でも登場人物同氏の会話で混乱するくらいですが逆にこの独特な設定がいい味を出しているなと思います。

image

image

image

image

見どころその1「世界観」

本作を語るうえで一番魅力的に感じる部分がその印象的な世界観とそれへの解像度です。

円が最も強い通貨だった日本っていうワードだけでもう心惹かれますね。いろんな妄想が捗りますよ。

廃れたスクラップだらけのキャンプ地みたいな円都のデザインは一見すると低予算に見えますが、これは夢を追って日本まで来たけど彼らの待ち受けていた現実は極めて過酷であったという証左なんですよね。

そして秀逸だなと思ったのは本作独特の言語。

稼ぎに来たものの勉強ができないが故に日本語を完璧に話せない円盗も多く彼らは「日本語・英語・中国語を合体させたような独自の言語」で会話をするんです。

これは勿論ミスとかではなく意図的な演出なんですが、日常生活じゃまず聞くことができないこの”イェン・タウン語”は非常に面白くて、こういった少ない予算の中で説得力のある解像度の高い演出を見せてくる岩井監督のセンスの高さには脱帽させられましたね。

この映画が公開された年である1996年は1ドルは108円と今よりも円はずっと強かったのは言うまでもない事実でしたしそう考えると当時はまだありえた世界線の話だったのかなと考えさせられます。まあそれはそれで輸出品が売れなくてデフレを引き起こしたんですけどね…。

image

imageimageimageimage

見どころその2「登場人物」

なんといっても強力な個性を持つ登場人物たちの青春群像劇に惹かれました。

本作のメインとなる登場人物は全員中国人。まあ日本人が演じてはいるんですけどね。

彼らは円を大量に手に入れて祖国へ帰るべく手段を選びません。円都の前にたまたま走りかかってきた車のタイヤにめがけて矢を放ち意図的にパンクさせて自分たちの街の修理屋に寄らざるをえなくさせることで円をもらったり粗大ごみを漁って金になるものを探したり、挙句の果てにはひょんなことから入手したデータを元に偽札を製造して大量に両替し金を肥やすなど、とにかく円を得るべく犯罪行為まで平然とします。

正直昨今の不法移民に通じるような部分も多々ありますのでハッキリ言って彼らに同情をすることはできません。事実そういった悪事をし続けたことで報復も待ち構えていました。

それでもそんな彼らに不快感を感じることなくどこか見捨てられなく思ってしまうのは彼らは全員必死に生きているからこそだと言えるでしょう。

imageimageimage

本作の主人公の一人である少女は母親と一緒に日本に来たものの物語開始早々に母親を失い独りぼっちとなり様々な家をたらいまわしにされてしまうという過酷な運命を辿ります。

加えて彼女は中国語も話せないので円都では孤立し名前もなかった。そんな彼女がアゲハという名前を手に入れて慣れない土地で行く当てもなくただ必死に生きていく姿は胸に来るものがありました。

imageimage

また裏社会において円盗たちで構成されたマフィアのボスであるリョウ・ヤンキも目的のためなら殺人も厭わないとても正義とは言い難い人物ですが倒れたアゲハを介抱して助けるなどどこか人間臭い部分が見え隠れしており短い出番ながらもとても印象に残るキャラクターとなっていました。

image

image

image

image

image

また本作キャストがすごい豪華!CHARAさん、伊藤歩さん、三上博史さん、江口洋介さん、渡部篤郎さんと今となっては名アーティスト&名優揃いでして伊藤さんに至ってはなんと当時16歳!あとほんの一瞬ではありますが浅野忠信さんもモブで出演されています。

image

imageimage

見どころその3「音楽」

そして一番欠かせないのが音楽。

物語においてCHARAさん演じるもう一人の主人公グリコは一攫千金を狙うべく「YEN TOWN BAND」を結成し大成するのですがこのバンドは現実のいても現実においてもこの名義でCDを出しており本作の主題歌「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」を担当されています。

「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」はとても有名な曲ですのでこの映画は観たことないけど知っているという方も多いのではないでしょうか?アニメやゲームなんかでもカバーされてますからね。

苦しい世界で生き続けるとても切ない現実を謳いながらも最後には希望を見出して蝶のように飛び立っていくことを示唆するような歌詞は本作の物語を端的に表しているようで聞いているだけで色んな場面を思い起こさせてくれます。

勿論劇中においてもCHARAさんご本人による歌唱シーンが披露されており本職がミュージシャンで演技経験がほとんどないのにも関わらず敢えて彼女を主演として起用した岩井監督の名采配はすごいとしか言いようがありませんよ。美しい容姿は勿論のこと、演技も他の俳優さんと並んでも違和感ないくらい素晴らしいものでした。

imageimage

またバンドの楽曲に限らず劇半も名曲揃いでピアノとバイオリンで奏でられるメロディーは美しくもすごく切ない音楽に仕上がっており岩井監督の描く圧倒的な映像美と合わさってとても感動的な画面に仕上がっているんですよ。

どことなく青い感じの画面ですとか音楽が最大限生かされるような映像の数々は最早天才的な領域でした。

上記の通り本作は登場人物に問題な行動や描写が非常に多く人によってはかなり好き嫌いの分かれる映画となっていますが、映像と音楽の美しさに関しては満場一致で誰もが感傷に浸れるものになっていると断言できます。

image

そしてこのスワロウテイルですが現在4Kリマスター版が全国の劇場で公開されています。

現在は配信で観れる手段が限られている作品でもありますし、4Kとなったことでより際立った映像美へと生まれ変わっておりますのでこれを機会に沢山の人たちに観てもらいたいなと強く思います。

移民問題などで騒がれている昨今の日本においては不快に感じる方も少なくないかと思いますが、そんな彼らにも当然ながら人生があって家族があって夢もある。だからこそ彼らも必死に生きているんだなと、色々と悪く言ってる我々日本人も彼らのように必死に生きているのだろうか?そう考えさせてくれる、そんな映画だと思います。

今回の記事で興味を持ったという方は是非劇場に足を運んでほしいですし、またもし観たことがあるよという方がいましたらコメントで感想を書いてくださると嬉しいです。

 

 

また映画に行くのはハードルが高いという方は今回の記事でも紹介した主題歌の「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」を聴いていただきたいなと思います。とても素晴らしい曲ですので聴いて損はないとうか寧ろ聞かなきゃ損です!是非聴いてくださいね。

 

それでは今日はこの辺で。アデュー