はじめまして。Body-Mind Synergy(BMS)主宰の皆川公美子です。
東京藝大卒業後、ソニーミュージックでのディレクター職を経て、今は人の心と身体に向き合う仕事をしています。
一貫して関心があるのは、その人の感性です。
世界をどう受け取っているか、まだ言葉になっていないものを何と感じているか。
この世で一番おもしろいのは、ひとりひとりが紡いでいる、その主観の世界だと思っています。
アーティストを社会に届ける仕事も、今の支援の仕事も、やっていることは同じ。
「その人から始める」というところが、私の軸です。
ポリヴェーガル理論、愛着、ソマティックを日本の対人文化に合う形に再翻訳し、独自の体系にまとめてきています。
これまで8,900名以上の方に伴走、講座・研修は440回を超えました。
このブログでは、対人支援職の方、これから支援者を志す方、日々人と関わる仕事をしている方に向けて、心と身体と働くことをつなげた発信をしています。
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葛藤をおろして心地よく暮らす・仕事する それにはどうしたら?
というのが、わたしのここ数年のテーマです。
相談業をやらせていただいて、心から思うのは、
「自分ではどうしようもない、と思ったときに人の力を借りる」
のが、相談の基本だということ。
当たり前なんですけどw、
AIやGoogleに聞けば答えがもらえるようなことを、人はわざわざ相談したりしない。
じゃあ、相談することってなんなのかといえば、
大半は
「葛藤」
なんです。
葛藤ってなんなのか?
葛藤というのは、
AとB、どちらにもメリットがあって、
どちらも簡単には捨てられなくて、
決められない状態のなかで苦しんでいる、ということ。
たとえば、
経営者や管理職の方だったら、
・社員にもっと任せたい。
vs でも、任せて失敗したときの責任は自分が負うことになる。
・会社を成長させたい。
vsでも、これ以上拡大すると、自分が大事にしてきた会社らしさが失われそう。
・言うべきことは、はっきり伝えたほうがいい。
vsでも、相手のモチベーションを折ってしまうのも怖い。
ということがあるかもしれないし、
働く人だったら、
・仕事を辞めたい。
vsでも、収入やキャリアを考えると簡単には辞められない。
・上司に「それは難しい」と言いたい。
vsでも、評価を下げられたり、面倒な人と思われたりするのが怖い。
・もっと自分はできるのに!と思っている。
vsでも、前に出れば責任も仕事量も増えてしまう。
・今の職場はなんかしんどい。
vsでも、人間関係は悪くないし、条件も悪くない。
・休んだほうがいいとわかっている。
vsでも、自分が休むと周りに負担がかかる。
パートナーとの関係や日常のなかにも、
・本当はもっと気持ちをわかってほしい。
vsでも、言えば喧嘩になりそうだから言えない。
・ひとりの時間がほしい。
vsでも、相手を拒否しているみたいだし、負担をかけるかもしれないと思う。
・もう少し家事をやってほしい。
vsでも、頼んで嫌な顔をされるくらいなら、自分でやったほうが早い。
・この関係は、なくなってほしくない。
vsでも、このまま我慢し続けるのもしんどい。
・相手を手伝いたいとは思う。
vsでも、支え続けているうちに、自分の生活まで相手中心になっている。
いろんな葛藤がありますよね。
人には優しさや道徳感があるし
誰かからの圧迫や支配があるときには特に
どうしても葛藤に振り回されるということは
人生のなかでおおいに起こると思うのです。
じゃあ、
なにが葛藤をほどくのか。
これをわたしは、人生かけて追いかけてきた感があります。
葛藤がなくなると、その人の人生はぱあ〜〜〜〜〜〜っと開けます。
人の能力なんて、もともとそんなに変わらない。
違うのは「土台」の整え方=レディネスかもしれない。
じゃあ、何が葛藤をほどくのか。
今のところ、
わたしがたどり着いている答えは、
身体と心の関係を、もう一度つなぎ直すこと
にミソがある。
なぜかということを説明しますね。
頭でどれだけ考えても答えが出ないときには、
「身体では何が起きているんだろう」
ということを、一度確認する必要があります。
身体は、
頭でつくった理屈とは別のところで反応しています。
「こっちを選んだほうが合理的」
「こうするのが大人として正しい」
「このくらい我慢するべき」
頭ではそう考えていても、
ある人の前では身体がぎゅっと固まったり、
ある選択肢を考えると息が浅くなったり、
逆に、まだ何も決まっていないのに
身体だけが少し前へ動こうとしたりする。
そう、頭より早く反応しています。
ただし、
身体の反応=今の自分の答え
という単純な話でもありません。
身体の反応には、
過去の経験も刻まれています。
幼いころには必要だった警戒や、
嫌われないために身につけた我慢や、
昔の環境では自分を守ってくれた反応が、
今も自動的に起きていることがあります。
だから、
「身体がこう言っているから、これが正解!」
と決めるのではなく、
この反応は、何を守ろうとしているんだろう。
そして、今のわたしは本当はどうしたいんだろう。
その両方を見ていく。
ここが、とても大事です。
現代の葛藤は、ものすごく複雑です。
社会が複雑になったぶん、
仕事、
お金、
家族、
人間関係、
立場、
責任、
将来への不安、
いろんなものが絡み合っています。
そこにさらに、
幼少期から身につけてきた
「その人にとっての当たり前」
まで入ってきます。
だから、
ひとつひとつほどいていくと、
AかBの二択でもなく、
白か黒の0か100でもなく、
その人にしか見つけられない、第3の知恵
が出てくることがあります。
これはアドバイスでは、なかなか届かない領域。
誰だって自分が超納得する答えは
自分のなかにあります。
それには自分の身体的な軸を見つけることも大事です。
それをきちんと構築できると
任せるか、
全部自分でやるか、
ではなく、
「ここまでは任せて、ここだけは自分が持つ」。
辞めるか、
我慢して残るか、
ではなく、
「半年だけ準備期間をつくって、その間に次の足場をつくる」。
言うか、
黙るか、
ではなく、
「相手を責めずに、自分が困っていることだけを伝えてみる」。
実際は上記のように単純じゃないけど
最初に見えていた二択とは、
ぜんぜん違う「納得=わたしはこれでいく」
「その上で相手を対話して決める」が出てくるんです。
それは他人から見れば、
「え? そんなことに悩んでいたの?」
ということもあるし、
「いや〜〜〜、それは決め難いね〜〜〜」
と一緒に唸るようなこともあります。
でも、
その人にとっては、
どちらも簡単には捨てられないから、
葛藤になっている。
ほんとうにわかります。
だから支援者が外側から状況を整理して、
「こうしたらいいんじゃないですか」
と答えを出すだけでは、
動かない相談がたくさんあります。
もちろん、
情報が足りないときには、
情報をお伝えすればいい。
やり方がわからないときには、
アドバイスをすればいい。
でも、
その人が何を大切にして生きるのか。
誰と、
どんなふうに関わっていくのか。
そういう、
その人の信念や生き方に触れるところでは、
答えを渡すのではなく、
その人自身が、自分の身体と心を使って答えをつくっていけるように支える。
わたしは支援者には、
そのための
「心身のファシリテーション」
の技術が必要だと思っています。
葛藤をなくすことではなくて、
葛藤のなかから、その人ならではの第3の知恵が生まれてくる。
そこまでくると
人生は軽やかで
自分を思い切り活かせる楽しきものという
感覚がうまれることが多いです。
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