境界線は頭ではなく身体でつくるもの|神経系から整える人間関係 | 人が前に進めないとき、何を扱うか|支援者のためのBMS・心身相関アプローチ

人が前に進めないとき、何を扱うか|支援者のためのBMS・心身相関アプローチ

東京藝大卒・元ソニーミュージックディレクターの皆川公美子が届ける、女性リーダーのための「神経系アップデート」。最先端の神経科学と愛着理論から、脳の過緊張(食いしばり)を解放し圧倒的な器を創ります。

東京藝大卒・元ソニーミュージックディレクター。
国家資格キャリアコンサルタント/心理セラピスト/ボディワーカーの皆川公美子です。

 

発信のテーマは、

まだやりたいことがある!人へ。

 

年齢を重ねても、
一度つまずいても、
身体を壊した経験があっても、
人は生命力を失わずに、もう一度進化できる。

 

そんな視点から、
ポリヴェーガル理論・愛着・身体感覚を土台に、
脳と身体の過緊張、食いしばり、不安、背負いすぎのパターンを読み解き、
判断力・生命力・創造性を取り戻すための神経系アプローチをお伝えしています。

 

対象としているのは、
経営者・個人事業主・支援者・教育者・専門職など、
人や仕事に深く関わりながら、
「まだやりたいことがある!」と感じている方たちです。

 

がんばり続けるのではなく、
安心する力、ゆるむ力の中から、自然に力を発揮すること。
そして、自分の生命力を通して、まわりにも良い影響を広げていくこと。

 

そのための個人セッション、講座、支援者育成を行っています。

これまでに、企業研修・自治体・個人セッションを合わせて、
のべ8,700名以上の方に伴走。
440回以上の講座・研修実績。

 

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ソマティッククラス水曜日の会、DAY2が終わりました。

今回のテーマは
グラウンディングとセンタリング。

簡単に言えば、

地面に戻ること。
自分の真ん中に戻ること。
そして、人との関係の中でも、自分を見失わない身体を育てていくこと。

そんな時間でした。

ソマティックの学びで、最初にとても大切にしていることがあります。

それは、

どんな身体の癖や反応にも、良い悪いをつけないこと。

力が入ること。
固まること。
人に合わせすぎること。
食べることで自分を落ち着かせること。
すぐに緊張すること。
相手の感情を浴びてしまうこと。

それらは「だめな癖」ではありません。

身体が、その人を守るためにそうしてきた反応です。

だからまず必要なのは、直すことではなく、
身体がそうしてきたことを尊重する態度なのだと思います。

 

 

 頭ではなく、身体が知らせてくる

 

先月のDAY1からこの1か月を振り返る中で、参加者のみなさんから共通して出てきたのは、

「自分がどれだけ身体を無視してきたかに気づいた」

ということでした。
 

頭の声では、

これをやるべき。
このことを期待させているしっかりやろう。
ちゃんとしなきゃ。
休んでいる場合じゃない。

仕事をきちんとすることはいいことです。

 

でも身体のほうは、
肩を固めたり、呼吸を浅くしたり、
胃を重たくしたり、
食べることで自分を落ち着かせたりしながら、
ずっと 状態を知らせてくれている。
 

ただ、それが長年当たり前になると、
力が入っていることすらわからなくなりますね
 

緊張しているのに、緊張していると気づけない。
疲れているのに、疲れていると感じられない。
無理をしているのに、無理をしている自覚がない。
 

だからソマティック(身体感覚)の学びでは、
いきなり大きな気づきや深い感情に入っていくよりも、
まずは日常の小さな身体感覚を取り戻していきます。
 

今、肩はどうか。
足の裏は感じられるか。
呼吸はどこまで入っているか。
食べたいのか、落ち着きたいのか。
身体は本当は何を求めているのか。

そうやって、少しずつ
頭の命令ではなく、身体の声を聴く回路を育てていきます。

最終的にはそれをセッションに応用していくことで
いきづらさや
無意識のくいしばりや
わかっているのに変えられない ということに対して
変化を起こしていくためです。

そう、事実整理だけでは解決できない
もう一段深い部分を扱うためです。

 

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食べ方にも、神経系の状態があらわれる

 

今回の振り返りでは、食べることの変化もたくさん出てきました。

アタマ食べ
口食べ
胃食べ


という3つの状態を日常のなかで意識する練習です。

身体の調子は無視して、「鉄分が足りないからほうれん草を食べよう」などデータで食べる。

ストレスがかかった時に、なんとなく何かを口に入れたくなる。
帰り道に甘いものを買いたくなる。
お腹は重たいのに、なんとなく飲んだり食べたりしている。
人に合わせて、自分の「好き」や「食べたい」がわからなくなる。

 

これは意志が弱いという話ではありません。

神経系が高ぶっていたり、疲れすぎていたり、
境界があいまいになっていたりすると、身体はなんとか自分を落ち着かせようとします。
 

その手段のひとつが「食べること」になる場合があります。

でも、足の裏を感じながら歩く。
身体の重さに気づく。
胃の感じを少し待ってみる。
「今、わたしは本当にこれが欲しいのかな」と身体に聞いてみる。
 

そんな小さなことを続けていくと、
自然に選択が変わっていくことがあります。

我慢するのではなく、
身体と相談できるようになる。

ここがとても大切です。

 

 
背骨に触れると、自分の中心が見えてくる

 

DAY2では、背骨に触れるワークも行いました。

背骨というのは、身体の真ん中にあるものです。
人生の支えです。
 

でも実際に丁寧に触れていくと、
自分が「ここが真ん中」と思っていた場所と、
実際の背骨の位置が違っていて驚いたというシェアがありました。
 

ある場所は感じやすい。
ある場所は感じにくい。
途中で見失う。
ここにあるはずなのに、感覚が薄い。
触れられるほど、少しずつわかってくる。
 

そういうことがふつうに起こります。

それだけ私たち現代人は身体から遠ざかっているのです。

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私たちは、自分の中心を知っているようで、
実はとても曖昧なまま生きていることがあります。

人に合わせているうちに。
忙しさに追われているうちに。
緊張が当たり前になっているうちに。

自分の真ん中が、どこにあるのかわからなくなる。

だから身体のセンター感覚を取り戻していくことには、とても深い意味があります。

 

 

 
センタリングは「軸を強くすること」ではない

 

センタリングというと、
軸をつくる、ぶれない自分になる、というイメージがあるかもしれません。

もちろん、それも一部あります。

 

でもBMSで扱うセンタリングは、
ただ強くなることではないんです。
 

相手が近づいてきた時に、身体がどう反応するか。
正面から来られるとどうか。
横からだとどうか。
背後だとどうか。
相手が怒っている時、悲しんでいる時、こちらの身体はどうなるか。

そういうことを、実際に身体で確かめていきます。

 

image
 

すると、人によって反応はまったく違います。

正面に立たれると胸がざわつく人。
左側から来られると身体が反応する人。
怒りには耐えられるけれど、悲しみに巻き込まれやすい人。
相手の感情が入ってくると、下から軸がなくなるように感じる人。
自分の中に太い柱のような感覚をつくると、相手に影響されにくくなる人。

ここに良い悪いはありません。

ただ、
自分の神経系が、関係性の中でどう反応しているのかを知る。

ここから始まります。

 

 
支援者ほど、人の感情を抱えすぎてしまう

 

対人支援をしている人は、どうしても人の感情に近づきます。

困っている人を助けたい。
少しでも楽になってほしい。
この人の力になりたい。

 

その思いがあるから、この仕事をしていますよね。

でも、その優しさゆえに、
クライアントさんの感情や人生を、身体ごと抱えすぎてしまうことがあります。

 

ここで大切なのは、

抱えることが悪い、という話ではありません。

問題は、
意図して近づいているのか。
気づかないうちに巻き込まれているのか。

 

この違いです。

支援の現場では、近づく力も必要です。
共感する力も必要です。
相手の痛みを感じ取る力も必要です。
 

でも同時に、
自分に戻る力も必要です。
境界を保つ力も必要です。
相手の人生と自分の身体を分けておく力も必要です。
でないとどこかでバーンアウトする可能性が大きくなります。

人間関係は、言葉になる前に、もう身体の中で始まっている。

 

それを頭の理解だけではなく、身体に覚えさせていく。

これが、BMSのソマティックでとても大切にしていることです。

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わたしの相棒ピン子ちゃん。

 

 ゆるむことだけが正解ではない

 

ソマティックや神経系の話になると、
「ゆるむこと」が良いことのように語られることがあります。
 

もちろん、ゆるむことはとても大切です。
 

でも、ずっとゆるみっぱなしの身体が正解なわけではありません。
 


踏んばることも必要です。
境界をつくることも必要です。
NOを言う時には、ある種の張りも必要です。
大切な仕事をする時には、集中する交感神経の力も必要です。

交感神経は悪者ではありません。
 

問題は、
巻き込まれて力が入っているのか。
意図して力を使っているのか。


 

ゆるめる身体。
固める身体。
立つ身体。
引く身体。
近づく身体。
離れる身体。

それらを、状況に応じて選べるようになっていく。

それが、神経系を育てるということ。

 

 
「巻き込まれたね」と身体に言う

 

 

日常の中で、

あ、今、力が入った。
今、肩が上がった。
今、息が止まった。
今、相手の感情をもらった。
今、私は急いで食べようとしている。
今、自分の真ん中から少し外れた。

 

そう気づけるようになるだけで、緊張しすぎている身体は変わり始めます。

 

自分の中心に戻れると、人から離れるのではなく、
むしろちゃんと会えるようになる。


 

そこで大切なのは、
すぐに「直さなきゃ」としないこと。
アタマの力でコントロールしようとすると
身体はもっと固まります。
 

巻き込まれたから、早く戻らなきゃ。
緊張したから、ゆるめなきゃ。
反応したから、だめだ。
 

もし一生懸命誰かを守っているのがあなただとしたら
「 ◯◯のやり方はだめだ!」と無理やりコントロールされたら
嫌な気分じゃないですか?
頑なになりませんか?w
 

そうではなく、

「あ、巻き込まれたね」
「今、身体が守ろうとしたね」
「そうする必要があったんだね」

と、身体に本気で共感する。
 

身体は意味もなく反応しているのではありません。
必ず、何かしらの意図があってそうしています。
アタマで考える小さな意図ではなく
身体全体のため
生き延びるためにもっと大きな目的を
持っています。
 

その意図を尊重するところから、神経系は少しずつ変化をしていきます。
もしも今の自分の時代に合わない
または不都合というところがあったら
そこに気づくことから
その人は変わっていくのです。
 

 

 境界線は、頭ではなく身体に覚えさせる

 

今回のDAY2で、あらためて共有したことがあります。

境界線は、頭で理解するだけでは足りない。
 

「人と自分は別」
「相手の感情を背負わなくていい」
「NOと言っていい」
「自分の中心に戻ればいい」

そう言葉でわかっていても、実際に相手が目の前に来た瞬間、
身体は反応するという実験もしました。
 

胸がざわつく。
息が浅くなる。
足元が消える。
内臓が動く。
相手の悲しみに酔う。
怒りに対して恐れが出る。

だからこそ、身体で練習する必要があります。

 

安全な場で、
少しずつ、
自分の反応を観察しながら、
近づく、離れる、立つ、戻る、声を出す、触れる、休む。

そうやって、境界線を身体に覚えさせていく。

これは、支援者にとってとても大切な土台です。

 

 

 
特別なことではなく、日常に戻っていく力

 

最後の振り返りでは、こんな感覚も出てきました。

 

安心というのは、特別なことをしないと得られないものではないのかもしれない。

その日一日、ほどよく集中できた。
少し達成感があった。
身体を感じながら帰れた。
寝る前に、今日の自分を責めずにいられた。
ただ横たわって、身体の重さを感じられた。

そういう小さなことが、身体にとっての安心になっていく。

大きな癒しや劇的な変化ではなく、
日常の中で少しずつ、自分の身体に戻れるようになること。

BMSのソマティックは、そこをとても大切にしています。

それは神経系にとっての学習だからです。

神経系の状態があり方と言われるものです。

神経系が変わると
感じ方がかわり
認知の仕方や感受性がかわり
その結果行動もかわっていきます。

ええ、ごく自然に
でもパワフルに。
 

 

 自分の身体を、もう一度信頼していく

 

 

身体は、私たちを困らせようとしているわけではありません。

固まる身体も、
食べたくなる身体も、
緊張する身体も、
人の感情に反応する身体も、
境界がわからなくなる身体も、

ずっと、その人を守ろうとしてきた身体です。

 

だから私たちは、身体を責めるのではなく、
もう一度、身体との信頼関係を結び直していく。

 

そして少しずつ、

巻き込まれる身体から、選べる身体へ。
無理をする身体から、気づける身体へ。
人に合わせて消える身体から、関係の中でも自分に戻れる身体へ。

そこを目指していきます。

神経系と心は、別々のものではありません。

身体が安心を思い出すと、
心の選択肢も増えていく。

DAY2は、そんなことを参加者のみなさんの身体が
あらためて教えてくれた一日でした。


身体というのは なんと奥深く
わたしたちの人生を支えているか。

健康 だけではなくて
心も支えています。

 

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この本が人生を変えてくれたとセッションに来てくださる方がいます。
本当にうれしいご縁です。書いて良かった。