仕事の生産性を左右する"隠れた司令塔"自律神経の秘密 | 頭で悩むより、神経系から整える。人と心がもっと愛おしくなる話

頭で悩むより、神経系から整える。人と心がもっと愛おしくなる話

人が前に進めないとき、身体と神経系では何が起きているのか?東京藝大卒・元ソニーミュージックディレクターの皆川公美子が、独自の「BMS(心身相関)」視点で人の心と感性の世界をマニアックに紐解く探求ブログです。

・国家資格キャリアコンサルタント・Gallup認定ストレングスコーチ

・TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)国際認定アドバンスプロバイダー

・自我状態セラピー(パーツ心理学)セラピスト 

 

4つの顔で、ライフブロック(生きづらさや停滞感)から強みの人生への転機をバックアップする皆川公美子です。

これまでにのべ7,600名ほどの方のご相談に伴走してきました。

 

今日のこの記事は
いつもの対人支援者向けの記事ではなくて
会社で普通に働いている方や
自律神経のことははじめてなんだけど、という方にも
読んでいただきやすく書いてみようとおもいます。

最新の自律神経理論ですが
仕事のパフォーマンスや人間関係のカラクリに大いに関係のある
人間(哺乳類)のしくみです。

 

 

 

 「ととのう」って言葉、流行ってますね

 

 

 

私たちの日々のパフォーマンスを支える、見えない力があります。

それは自律神経の調整力です。

 

最近では「ととのう」という言葉が一般的になり、

多くの方がサウナを習慣にするなど、心身の調整に関心が高まっています。

では、ビジネスパーソンにとって重要な「仕事ができる」という状態は、
自律神経とどのように関係しているのでしょうか?

 

 

 

 仕事ができる人の共通点とは

 

ある上場企業の部長さんに

「仕事ができる人とはどんな人でしょうか?」

 

と質問してみたことがあります。

その方は、「ん〜〜〜〜」っと数秒考えたあとに
このように答えました。

「なにがあっても落ち着いて最適な対処ができる人だな」
 

 


「皆川さん、仕事ってね、順風満帆にするするっといくプロジェクトなんて
そう滅多にないんですよ。
プロジェクトのケタが大きくなるほど、チームも大きくなり
その分摩擦や行き違いも大きくなる。
お客さんが無茶振りをしてくることだってある。
マネージャーは何かのちょっとしたトラブルくらいは当たり前だと思っている必要があります。

実際になにかトラブルや困難があったときに

さっと周りに協力を仰げる人が結果強いし、
自分の失敗やまわりとの軋轢をさっと口に出せる人が
最終的には仕事が安定している。

スキルなども重要ですが
わたしは長い仕事人生のなかで
このことを実感してきました。

トラブルの傷口が深くなるまで言えなくて、最後にトップクラスが

菓子折り持って・・・なんて事態になるまえに
リーダーが手を打てる、そういうチームがいいチームなんですよ。

 

それには確固とした落ち着き力がある人が最強だと
わたしは思いますね」




・・・なるほど〜〜〜!
とわたしは大いに膝を打ちました。

それと同時に、
このマネージャーさんは自律神経のキャパシティのことを

言及されているのだな、とも思いました。

 

 

「落ち着き力」

そこには共通してあげられる特徴があります:

  • どんな場面でも冷静さを保てる
  • コミュニケーション能力が高い
  • プレッシャーに強い
  • 本番で実力を発揮できる

これらの能力の根底には、

意志の力だけではなく、

実は自律神経の働きが深く関わっているのです。
自律神経というと、なんとなく

「めまいとか、クラクラするとかそういうときに使う言葉」という印象があるかもしれませんが
わたしたちのパフォーマンスにかかわる部分を牛耳っている、と言われると
新鮮な驚きを覚える方もいらっしゃるかもしれません。

さらに説明していきますね。

 

 自律神経システムの新しい理解

 

ご存知のとおり、従来、
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの系統で説明されてきました。

しかし、1994年にスティーブン・ポージェス博士が発表したポリヴェーガル理論により、この理解は大きく更新されました。

 

特に注目すべきは、

 

副交感神経には2つの異なる系統

 

があることが判明したことです:

自律神経は

普通

交感神経(緊張)と

副交感神経(リラックス) ですよね。

副交感神経優位になるからわたしたちは「眠る」ことができますし、
交感神経優位になるからわたしたちは「目覚める」ことができます。

駅で「乗ります!」とぎゅーぎゅーの電車に押し入っていくときには
ぜったいに交感神経が必要ですし
「この資格試験にぜったい受かるぞ!」というときも
「あしたのプレゼンがんばるぞ!」というときも
交感神経が優位です。

下図でいくと
自律神経の活性があがっていくとき(回転数があがるような感覚)が
交感神経状態

リラックスして活性度が下がっていくとき(回転数がさがるような感覚)が
副交感神経の状態です。
「あ〜〜プレゼン無事おわった〜。ほっとした♡」

 

という状態ですね。
 



副交感神経優位なときは
リラックスして筋肉がゆるんでいます。

↑こんな感じですよね。

 

 

今回の重要な自律神経理論の進化は

副交感神経には2つの異なる系統があった


という発見だったとお伝えしました。

 

ひとつは上記の馴染みあるリラックスの神経。

もうひとつは?
 

これは対人支援業界に激震を起こした
「社会的神経」「パフォーマンス下支え」と言われる
腹側迷走神経 だったのです。

 

 

 

 

 腹側迷走神経:社会的つながりを支える神経

 

腹側迷走神経は、哺乳類だけが持つ特別な神経系です。

群れで生きることを選択した哺乳類から以降、この神経が必要となった、
と推測されています。

人類が社会的な存在として進化してきた過程で発達したこの神経は、「つながり感知の神経」とも呼ばれ、他者との深い絆を築く基盤となっています。

 

 

赤ちゃんから20歳くらいまでがこの、腹側迷走神経の機能的発達の最盛期です。

 

 

この神経が活性化すると、私たちは安全な環境にいることを感じ取り、リラックスしながらも周囲との関係性を築くことができます。

例えば、職場での円滑なコミュニケーションや、チームでの創造的な話し合いが可能になるのも、この腹側迷走神経の働きがあってこそです。

 

相手の表情や声のトーンを読み取り、適切に応答する能力も、
この神経系によってサポートされています。
まさに、ビジネスの現場で求められる「空気を読む力」や「対人関係力」の生理学的な基盤といえるでしょう。

 

 

 背側迷走神経:休息とリセットを司る神経


副交感神経のもうひとつのほう、最初から認識されていたリラックスの神経は
背側迷走神経と言います。
 

背側迷走神経の働きは、大きく2つの側面があります。

 

1つは、日常的な「休息モード」としての機能です。

食事をゆっくり楽しんだり、深い睡眠をとったりする際に活性化し、
心身の回復を担当しています。

内臓の状態を脳に情報として送っているのも
この、背側迷走神経です。

 

そしてここからがさらに重要です!
 

背側迷走神経のもう1つの重要な機能は、

「緊急シャットダウン」システムとしての役割です。


過度のストレスや危機的状況に直面したとき、この神経系が強く働くことで、体を一時的に停止状態に導きます。

いわゆる「フリーズ反応」や「心が凍りつく」といった状態は、この背側迷走神経の働きによるものです。

 

 

うつや起立性調節障害(朝、身体が重たすぎて動けないなど)
の原因のすべてが自律神経とは言い切れませんが

シャットダウンが起きると
重度のときは、トイレにも這っていくほど動けなくなってしまいます。
 

ビジネスパーソンにとって重要なのは、この「シャットダウン」に至る前に
適切な休息を取ることです。

自律神経は「意思」や「頑張るマインド」よりも
生命に対して優先順位が上位です。
生き延びるための神経機能だからです。
(このからくりは今回は飛ばします)
 
だから うつ状態になったとき
どんなに「来週の会議の準備が・・・」と思っても
身体は動かせてくれないのです。

現代人は

がんばりすぎ
長時間労働しすぎ
ストレスが過重な傾向が報告されていますが
過度の緊張や長時間労働が続くと、
背側迷走神経が緊急モードで作動してしまう可能性があります。


適度な休憩や
がんばりすぎないマインドは
思っていたよりずっと重要
だということです。

 

 

 

 パフォーマンスを最大化する「ゾーン」の状態


一方、ポジティブな状態についても言及させてください。

最高のパフォーマンスは、適度な緊張と適度なリラックスが共存する状態で生まれます。

(腹側迷走神経+交感神経 の状態)
 

具体的には、交感神経による適度な覚醒状態と、腹側迷走神経による社会的な安心感が調和した状態です。

スポーツ選手が語る「ゾーン」や、
仕事で「流れに乗っている」と感じる状態は、
まさにこの神経系のバランスが整った状態といえます。

ゾーンにおいては
世界新記録が出たり
おもったよりもずっと大きな契約がとれた
などの状態がありえます。
フローに乗る、という言葉でも表せるでしょうか。

 

このバランスが取れると、以下のような状態が実現します:

 

創造的な思考が自然と湧き上がり、

アイデアが次々と生まれてきます。

会議での発言も適度な緊張感を伴いながら、スムーズに言葉が出てきます。

また、周囲の反応を適切に読み取りながら、話の展開を柔軟に調整することができます。
 

重要な判断を求められる場面でも、過度に焦ることなく、
状況を冷静に分析する余裕が生まれます。

まさに、先ほどの部長さんが言及していた「落ち着いて最適な対処ができる」状態です。

 

 

 

 

 職場での具体的な活用法


では、最後に仕事をしている方たちが
この自律神経状態をセルフケアで
「いい感じ」にキープする軽いコツをお伝えします。
 

1. 朝の準備段階での調整

出社後すぐは、多くの方が緊張状態にあります。
特に首都圏は満員電車に乗ってきたかもしれません、そのようなハードなサバイブ状態は
神経を自動的に交感神経状態にセットします。

このタイミングでは意識的に腹側迷走神経を活性化させることが有効です。

深呼吸を3回程度行い、呼吸を整えることから始めましょう。

コーヒーを一杯、というのもとても意味のある準備です。




続いて、同僚との穏やかな挨拶を交わすことで、社会的なつながりを確認します。

短時間のストレッチや階段の昇降など、軽い運動を取り入れることで、適度な緊張状態を作ることもできます。



2. 重要な会議やプレゼン前の調整

プレッシャーを感じやすい場面では、事前の環境調整が重要です。

会議室には10分程度早めに入室し、空間に慣れる時間を作りましょう。
水を飲む、深呼吸をする、姿勢を整えるなど、

活性化が起こりすぎていると感じたら
自分なりのリラックス行動を見つけることが大切です。

また、身体感覚に意識を向けることで、過度な緊張を和らげることができます。

 

3. ストレス強度が高まったときの対処

ストレスを感じ始めたら、できるだけ早めの対処を心がけましょう。
朝動きにくい、と感じたら
それはかなりの黄色信号です。
真剣に休みの算段をしましょう。
 

短時間でも良いので意識的に休憩を取り、
副交感神経を活性化させます。
ひとりで休憩もいいですし
信頼できる仲間とちょっと談笑するのもいいです。

腹側迷走神経を刺激し、社会的な安全感を取り戻すことができます。

 

 

 

 まとめ:自律神経を味方につける

 

Googleが提唱する「心理的安全性」の高い組織でパフォーマンスが向上するという知見は、自律神経の観点から見ても理にかなっています。

安全な環境では腹側迷走神経が活性化し、創造的な対話や効果的な協働が促進されるためです。


一方で、適度な緊張感(交感神経の活性)も、パフォーマンス向上には欠かせません。

 
 
腹側迷走神経の特徴:社会的・パフォーマンスアップ
  • 哺乳類特有の神経系統
  • 他者との関係性を築く能力を支援
  • リラックスした状態で社会的な交流を可能に
  • チームワークや良好な人間関係の基盤となる

背側迷走神経:休息とシャットダウンの神経

  • 基本的な生命維持機能を制御
  • 深いリラックス状態を作り出す
  • ストレス過多の際の緊急シャットダウン機能も担当
     

自律神経のバランスを意識的に整えることで、個人と組織の両方がより高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
 

ボディとメンタルは、あたりまえなのですが
連動しています。

 

自律神経という「隠れた司令塔」の特性を理解し、
日々の仕事の中で意識的に活用していくことで、より充実した、持続可能な職業人生を送ることができるでしょう。

 

 

 

 

****************

 

<お知らせ>

 2025年2月スタート 対人支援職のためのボディマインドシナジー講座
自律神経を媒介とした心と身体のつながりを理解し、
支援スキルを飛躍的に向上させ
ご自身のオリジナルな仕事構築を。9ヶ月のボディマインドシナジー講座  
 →東京会場はほぼ🈵(12/8説明会 12/15のご参加者の席のみ確保)

 →京都会場はまだ数席あります。

 

 

 

✉「ステージアップで豊かなキャリアを築く 対人支援職のため基礎知識メール講座」
(無料・ステップメール12通)を
ご希望のかたはこちらからご登録ください
 

 

12/8(日)10:00〜オンライン説明会があります。(アーカイブ参加OK!)
説明会 https://ws.formzu.net/dist/S10968319/


疲れすぎ・バーンアウト対策にはソマティックをきちんとやりましょう。

12/15 支援職のための身体感覚ソマティック部分のWS @東京
  https://peatix.com/event/4188237  →🈵

12/27 支援職のための京都WS https://peatix.com/event/4188246 

 

 

◆皆川のセッションは4種類です。まずは皆川と話してみたい、という方へ。

 HSPさんのなんでも相談室 と 強みを活かして成果を出す相談室、そしてTRE(ボディワーク)です。 

 必要だなと思われたら、防衛反応解除のワークなども入れています。


>>>セッションご感想はこちら

  

 


📻stand .fm 2番組(支援者さん向け&HSPさん向け)やっています♪

◆ポリヴェーガル&心身のつながり支援家チャンネルfor HSP 
・対人支援をしていくときのミソfor HSP=ポリヴェーガル理論紹介
・仕事とHSPライフを一致させていくビジネスマインド 

・わたしの仕事裏話

 

 


◆HSPご本人向け。おしゃべり裏チャンネル 

ながら聞きができるので、車での往復やご飯作りのときに
お風呂のあとのリラックスタイムなどに聞いてくださっている方が多いです。

 

 

 

⏩本の使い方説明動画(約3分)


 

◆集英社(オンライン)さんに取材していただきました。この記事めっちゃくちゃわかりやすいです!
【自律神経とHSPの関係をとてもわかりやすくまとめてくださいました】
 

 

【アーロン博士監修 HSP3作品 おうち映画どうぞ】

Sensitive, The Untold Story」が、
Amazonで販売されているドキュメンタリー映画のベスト30に選ばれました!!

 

 



 

◆HSPが持続可能なサステナワークを手に入れる【そういう個と。】プログラム

こちらは自分の神経反応を変えて、ラクな働く人生へシフトしたい方向け。
 



いろいろやったけど、心地よく前進!まで行けない。とか

転職や発信にどうしても怖さがでる、という方、
明るく心地よく進んでいきたい方、

14期後は開催をいったん中止させていただきますので
気になっている方はこの機会にご参加ください。

14期→募集中(2024年12月スタート 日曜午後クラス)
先行案内が欲しいかたはこちらからご登録ください →🈵
 


◆そういう個と。公式ライン
 

登録いただいた方へ「HSPさんの3大強み簡易診断」プレゼント中ベル

友だち追加