
向かうは島根県は美郷町にある湯抱温泉。
湯抱温泉は2014年10月時点で営業が確認できる旅館が3つ。
共同湯や立ち寄り専用施設はなく、1軒を除いて立ち寄りのみは受け付けてない。
その1軒も常に立寄れるわけではなく、湯抱温泉まるごとあわせて過去3回フラれ続け、入ることができずにいた。
個人的には悲願の湯なのである

よって今回はその3軒をコンプリートしに来たのだ

さすがに行き当たりばったりでの行程は避け、まずは昼食とセットなら立寄れる「中村旅館」を予約した。
湯抱温泉ではおそらく一番有名な宿ではなかろうか。

宿は外観がリニューアルされ、思っていたよりも大きく、美しい。
建物の角に歴史を感じる看板があった。
大正5年創業とのこと。
ちなみに昼食付の立ち寄り湯が2000円。
昼食については最後に紹介するが、結果的にとてもお得に感じられたのである

宿の中は歴史ある佇まいが、きっちりと手入れされ、落ち着いて残されていた。
↑何とも美しい小タイルのホール。
一輪挿しも華美でなく、館内の雰囲気通りに落ち着いている。

窓枠も美しい洗面所はさすがに水だけでなく湯も出るように、瞬間湯沸かし器が後付けされていた。
では浴場へ。
ちなみに男女別ではなく1つのみ。
宿泊時は貸切スタイルになるのだろう。
このときのお客は我々のみだったので、そのまま貸切にて使用させていただく。

宿泊の場合も入浴は20時までのようだ。
旧仮名遣いは昔からか、わざとなのか

脱衣所はピカピカにリニューアルされており、大変気持ちよい。
それではいよいよ中村旅館の芸術劇場、浴場へ~
若干湯気によってクリアではないが、析出物のすさまじさは伝わるだろう。
おそらく今も成長しているであろう析出物、裸足で歩くと痛いぞ~(^_^;)
しかしそれが嬉しいのである
浴槽はひとまず置いておき、かけ湯コーナーへ。

浴場の床がああいう感じなので、洗い場は別にもうけてある。

これまたタイルが美しく、何ともセンスがよい。
では浴槽に戻ろう。
クリーム色だけでなく、緑色っぽい沈着もあるが変化があってよい。
注がれる源泉は透明だが、浴槽で黄白色濁り。
湯面には白っぽいカルシウムらしい膜や成分が随所に観察できた。
源泉名は「湯抱温泉」だが、各旅館で源泉は違い、むろんこちらも自家源泉となる。
源泉温度30.6度で中性の含弱放射能-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。
加温して投入されているが、源泉投入はこのときは女将に申請してのかけ流し。
たしか自由には投入できないようになっていた。

析出物はカルシウムイオンが多ければできるわけではなく、炭酸ガスとカルシウムが結びついてできると聞いたことがあるが、この源泉のカルシウムイオンは363mgで、遊離二酸化炭素は592mgとけっして多い数値ではない。
ただし成分総計は13.2488g/kgとしっかり高張性。
それでも排湯の穴が今にもふさがってしまいそうな勢いの析出物である
他の陽イオンでは、ナトリウムイオンが3270mgと突出しており、カリウムイオンが226mg、マグネシウムイオンが101mg。
ストロンチウムイオンが8.8mg、マンガンイオンが0.7mg、バリウムイオンも0.1mgだがある。

源泉は薬臭が強く、ヨウ素系であろうか。
カルシウム系の香りも感じる。
強い塩味があり、甘味も感じた。
非加熱の源泉では炭酸のシュワシュワ感もあった。
ちなみに陰イオンでは塩素イオンが5080mgと突出しているが、炭酸水素イオンも2830mgとかなり多い。
臭素イオン15.6mg、フッ素イオン1mg、ヨウ化物イオンも1mgあり、このあたりが複雑なニオイに影響しているのか。
浴感は重曹成分しっかり系のスベスベ感。
遊離成分ではメタケイ酸が181mg、メタホウ酸が94.1mgある。あまり目にした事が無いメタ亜ヒ酸も4.5mgある…どう影響するのかわからないが(^^ゞ
とにか噂通りの圧倒的な存在感の湯と浴場に十分満足な我々。

天ぷら盛り合わせに茶碗蒸しととろろ蕎麦がついたセット。
これがなかなか美味しかった。

天ぷらもしっかり温かい。
温泉旅館では熱々の天ぷらが出るかどうかで評価がガラリと変わる















