群馬はみなかみ町の温泉は自遊人のパスポートや温泉博士の手形なども使いながら1泊でそこそこ巡ってきたけど、それはまた後日。
今回は5月某日に宿泊で訪れた、神奈川の「かぶと湯温泉 山水楼」。
厚木市にある七沢温泉郷にある一軒宿である。
実は兵庫の実家より母がとある目的のため数年ぶりに上京。
せっかくどこかに泊まるんだったら、比較的近くで静かでゆっくりでき、なおかつお手軽な温泉がよいとのこと。
さらにガッツリ持病のある母は免疫的なことで医者から「温泉はかけ流しじゃないとダメ」と言われているのである。
そのお医者さん、ぼくも何度も会ってるけど、なかなかナイスなアドバイスをするでしょ![]()
そこで候補に挙がったのが、都心から車で1時間ちょっとで着けるのに鄙びた一軒宿でしかも自噴かけ流しのここ、山水楼。
日曜だったので泊まりは我々だけと踏んで、丹沢・大山国定公園方面へ。
そう、こちらの宿は丹沢の東に位置し、そちらをハイキングに訪れる人が立寄りによく使われる宿なのである。
東名厚木ICから20分程度。
標高自体は高くないけど、いきなり山深くなる。
このあたりで車を停め、坂道を少し歩いて下ると宿があった。
かぶと湯温泉 「山水楼」
ちょうど立寄りのお客が一組帰るところ。
案内を請うまでもなくご主人と女将さん(お母さん?)が出てこられた。
玄関も山の秘湯一軒宿的佇まい。
足元がやや怪しい母を見て、通された部屋は1Fの角部屋。
一番古いがおそらく一番趣のある部屋だろう。
やはりこの日の泊まりは我々1組、貸切であった。
さっそく男湯へ。
ちなみにこのかぶと湯温泉、大正12年の関東大震災の際、かぶとの形をした岩の麓から湧き出したとのこと。
現在もそこから自然湧出している分だけを大事にこの宿だけで使用している。
湧出量は何と5リットル/分しかない。
なのに上がり湯まですべてこの自噴の温泉を使用しているという徹底さ。
浴槽は思ったよりは広く、3~4人は入れるか。
湯口から注がれる量はさすがに少ないが、しっかりのオーバーフローだ。
泉質はメタケイ酸とメタホウ酸の合計値で温泉法の温泉。
泉温は17.4度。
pHは10.1と高い。
色はほぼ無色透明。
源泉状態で僅かな硫化水素臭ありと分析表にあったが、それは感じられなかった(これに関しては後述)。
ゆえにほぼ無味無臭。
何より一番の特徴は、かなりのニュルスベ感だ。
このトロトロは最近では嬉野温泉 クラス。
あるいは似た湯で言うと、神奈川ナンバー1秘湯、星山温泉 を思い出した。
さてこちらの山水楼、その少ない湯をやりくりして、男女とも露天風呂まである。
こちらはやや白っぽくささ濁っていた。
同じく湯口から注がれる湯は少ないが、しっかりかけ流しでニュルスベは同じ。
なお日が暮れると、我々1組ということもあり、湯量を絞るためにこちらの男湯に新湯を注ぐのはやめ、女湯だけの使用となる。
さらに22時までだ。
これは仕方ないであろう。
その女湯の浴槽はこんな感じ。
露天風呂は翌朝に撮影。
見える景色がなんとも心地よい。
ご主人に自噴がそんなに少ないのにどうやって完全かけ流しで賄っているのかを聞いてみたら、夜中に湧出する分を一度タンクに溜めてからゆっくり加温して注いでいるとのこと。
この時点で源泉の持つ淡い硫化水素風味が抜けてしまうのであろう。
これは致し方ないと思った。
さらに湧出場所を見せて欲しいとお願いした。
以前広く明らかにしていたらいたずらをされたとのことで、現在は基本的に見えなくしているとのこと。
それでも快く見せていただいた。
一応周りをモザイク処理してどこか分からないようにしておく。
この量が自然湧出瞬間の全てである。
そしてこの源泉を味あわせていただいたが、しっかりと硫化水素風味が感じられたことを付け加えておく。
箱根まで行かなくとももっと手前にこれほど味わい深い温泉宿があったとは。
次回は「山水楼」の食事について簡単に触れる。
かぶと湯温泉 「山水楼」
神奈川県厚木市七沢2062
046-248-0025
一泊二食付 1万円~ 食事付の日帰りコースや、立寄り湯のみ(1000円)もあり
温泉法の温泉(メタケイ酸・メタホウ酸の合計値)
17.4℃
pH10.1
5リットル/分・自然湧出(自噴)
成分総計0.241g/kg
源泉で淡い硫化水素臭と淡い卵味あり
加温でほぼ無味無臭
ほぼ透明だが露天風呂で仄かにささ濁り
しっかりとしたツルスベ感あり
加温のみ・消毒なし
かけ流し










