カオルさんは山へ山伏修行に(3) | 【働く人の味方です】 思いどおりにいかない日でも笑うセイカツ

カオルさんは山へ山伏修行に(3)

この物語は、山というものを何も知らず


「山伏って何?! 天狗とどうちがうの?」くらいの


好奇心だけで山伏修行に参加してしまった


うつけ者の記録である。




カオルさんは山へ山伏修行に行きましたとさ(1)


カオルさんは山へ山伏修行に(2)




金曜13時に宿坊に集合した私たちが


まずすることは、装束を身につけることだった。


白衣、袴、脚絆、靴下(足袋ではなく)、そして


宝冠といわれる独特の布


つまり、まあ、こういう格好です。




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そしてお達しが下る。


修行の間、私たちが出来る返事はひとつ。


「うけたもう」のみ。


つまり、何を言われても「承る」以外の選択肢は


ないわけで。


無駄口は叩かない。


修行する仲間の名前や出身も聞かない。




そして、時計を含む文明の機器からは


一切離れる。食事も出されるもののみ。


時間の合図は法螺の音。


また、私たちが日常生活でごくごく当たり前に


行なっているいくつかのことが禁じられる。


これから修行を受けたいと思っている方のために


いくつかはこういうぼかした書き方をすることを


お許しいただきたいのだけれど


とにかく、一般的な生活をしていたら


それをしないなんてありえない!ということが


禁じられる。


それは、世俗と完全に離れるために。




そして、スケジュールというものは、ない。




法螺がなったら集合。


集合したら何をするかのお達しがあり


それを速やかに行なう。


山に向かうだけではなく、勤行だったり、座禅だったり。


今日一日何時間、何キロ歩くのか、とか


明日は何をするのか、とか


そんなことはわからない。


ただ先達についていくのみであり、


そこにNOはない。


どんな山なのか、どんなルートなのか、


危険じゃないのか、大丈夫なのか




そんなことは、一切訊くものではない。


すべて「うけたもう」ものなのである。


それが修行というものなのである。




大丈夫なのか?ナガトーカオル??!!




ちなみにこの身につけている装束は


死に装束。


修行を行なうものは、一度死んだもの。


そして出羽三山のうち、


羽黒山は現世の山


月山は死者の山


湯殿山は来世の山


これを踏破して、帰ってくると


生まれ変わるのだという。




この時点でもまだ、


「大丈夫だろう、何とかなるだろう」と


タカを括っていた自分が


お気楽過ぎて不憫になるのである。




(続く)