高田郁さんの小説『星の教室』を読み終えました。

僕が高田さんの作品を読むのは、これが初めてですが、amazonで5月の文庫本新刊を物色した際、興味深い内容だったので、購入しました。

昨年2月に単行本刊行、僕が読んだのは、今年の5月に文庫本化された第一刷です。

表紙カバーの画像はネットからお借りしました。

 

裏表紙の内側と出版元の角川春樹事務所のHPで本作の内容は以下のように紹介されているので、転載させて頂きます。

主人公の潤間さやかは、中学の卒業証書を受け取っていない。義務教育さえまともに終えていないという枷が、社会でも家庭内でも、さやかを生き辛くさせていた。しかし、ある日、さやかは夜間中学という存在を知る。それは、戦争や貧しさや病など、さまざまな事情で義務教育を終えられなかった大人たちの集う学校だった。二十歳の春、さやかは河堀夜間中学への入学を果たす。仲間たちに支えられて過ごす日々が、学校や親への不信で雁字搦めだったさやかの心を解きほぐしていく。やがて、さやかには密かに叶えたい、という夢が芽生え始めるのだが……。

 

以下、若干のネタバレも含め、感想等を記載します。一切、知りたくない方はスルーください。

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本作の舞台は、高田さんのあとがきによると2001~2002年の大阪にある架空の夜間中学です。高田さんが漫画原作者をされていた時代に、漫画家のみなみなつみさんと言う方と組み、集英社の漫画雑誌「YOU」に2001年に連載された作品が土台とのこと。その作品を手掛けるために2000年から大阪市立天王寺中学夜間学級を長期に渡り取材をさせてもらったそうです。また、東京や奈良の夜間中学や、全国夜間中学校研究大会でも貴重なお話を伺う機会を頂かれたとのこと。

本作の登場人物に特定モデルがいるわけではなくストーリーは全てフィクションだけど、取材させてもらった生徒さんたちの細胞を受け継いでいるのは確かとあとがきで明言されています。

つまり、戦争や貧しさや病など、さまざまな事情で義務教育を終えられなかった大人たちの集う学校がどんなところで、どのような教育がされているのか、また、そこに通う人たちの生い立ち、義務教育を終えられなかった理由、学校に入学した動機、その後の目標などがリアリティをもって描かれています。戦争や貧しさで義務教育を終えられなかった老人もいれば、いじめでメンタル疾患となり登校できなくなった若者まで様々。

 

僕は、恥ずかしながら夜間中学の存在を本作を読むまで知らなかったので、内容に衝撃を受け、心揺す振られました。

 

現在、夜間中学は、2025年10月時点で全国で62校にまで拡大し、入学の絶対条件も本作の舞台となった時代より緩和しているそうです。

様々な改善もあり時代が変われば、夜間中学を取り巻く状況や抱える問題も変化するだろうけど、「学びたい」という意思の集う学校という一点は今後も変わることはないはずと高田さんは記載されています。

あとがきは、『皆さまにお願いがあります。もしも、周囲に夜間中学を必要としているかたが居られるなら、「こういう学校がある」とお伝え頂けないでしょうか。全国の、まだ見ぬ友へ。この物語があなたに届くことを、心から願っています。』と締めくくられています。

 

本当に読んで良かった作品になりました。

おすすめします。

今年の秋には、桜田ひよりさん主演で映画化作品も公開予定とのこと。

観たいと思っています。