十七歳と十六歳の夏の夕暮れ、きみは川べりに腰を下ろし、“街”について語り出す──それが物語の始まりだった。高い壁と望楼に囲まれた遥か遠くの謎めいた街。そこに“本当のきみ”がいるという。〈古い夢〉が並ぶ図書館、石造りの三つの橋、針のない時計台、金雀児(えにしだ)の葉、角笛と金色の獣たち。だが、その街では人々は影を持たない……村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
図書館のほの暗い館長室で、「私」は「子易(こやす)さん」に問いかける。孤独や悲しみ、“街”や“影”について……。そんなある日、「私」の前に不思議な少年があらわれる。イエロー・サブマリンの絵のついたヨットパーカを着て、図書館のあらゆる本を読み尽くす少年。彼は自ら描いた“街”の地図を携え、影を棄てて壁の内側に入りたいと言う──二つの世界を往還する物語がふたたび動き出す。
また、新潮社の特設サイトに掲載されている単行本発刊並びに文庫化の村上さんのメッセージも転載させて頂きます。
2023年4月 単行本発刊時のメッセージ
コロナ・ウィルスが日本で猛威を振るい始めた二○二○年の三月初めに、この作品を書き始め、三年近くかけて完成させた。その間ほとんど外出することもなく、長期旅行をすることもなく、そのかなり異様な、緊張を強いられる環境下で、日々この小説をこつこつと書き続けていた。まるで〈夢読み〉が図書館で〈古い夢〉を読むみたいに。そのような状況は何かを意味するかもしれないし、何も意味しないかもしれない。しかしたぶん何かは意味しているはずだ。そのことを肌身で実感している。
小説を書くという作業は僕にとって、自分自身を洗い直すための大事なプロセスでもあります。高い壁に囲まれた街の中で、自分の影と切り離され、古い夢を読み続けること。その主人公は僕であり、 またあなたであるかもしれません。
いろいる転載しましたが、読み終えた感想は「つまらなかった」の一言に尽きます。
僕の読解力が高貴な作品に対して著しく不足しているのかもしれませんが、ただただ、ダラダラと長いし、くどいし、しかも、時系列、場所・場面も飛びすぎてわかりにくく、支離滅裂な物語としか思えない。
正直、最後まで読むのが苦痛でした![]()
僕は村上さんの作品は代表作「ノルウェイの森」も「1Q84」も読んだことがなく、前々作の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」と前作の「騎士団長殺し」だけを読んだことがあります(2作品とも読んだのはブログを始める以前でした)。
そして、この既読の2作品もなんの感動もなかったので、今、どんな作品だったのか思い出そうとしても殆ど何も出てきません。同様に、今回の『街とその不確かな壁』もきっと、すぐに忘れてしまうと思います。
毎回、ノーベル文学賞候補と騒ぐハルキストの方々が集まって発表を待っておられる姿をTV報道で拝見しますが、僕には村上作品の良さが全くわからず、これからはもう手にすることもないと思います。