先週の土曜日7/19に聴きに行った京都市交響楽団 第702回 定期演奏会のことを書きます。

指揮は高関健さん、プログラムは前プロが楽団の首席打楽器奏者の中山航介さんをソリストとしてカーゲルのティンパニとオーケストラのための協奏曲、メインプロがマーラーの交響曲第5番でした。

 

 

出演 

指揮:高関 健

独奏:中山 航介(ティンパニ/京響首席打楽器奏者)★

管弦楽:京都市交響楽団

コンサートマスター:石田泰尚

 

プログラム 

前半

カーゲル: ティンパニとオーケストラのための協奏曲★

後半

マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 

第1部

1.葬送行進曲:規則正しい歩みで厳格に、葬列のように

第2部

2. 嵐のように激して、非常に大きな激しさで

3. スケルツォ: 力強く、速すぎずに

第3部

4. アダージェット: きわめてゆっくりと

5. ロンド・フィナーレ: アレグロ

 

いつもように、開演前に指揮者によるプレトークがあり、高関さんから演奏曲に関する詳細な解説がありました。プログラム冊子に記載されていることとかなり重複するところもあり、特に前半のカーゲルについては、とても面白い曲なので、ここでは冊子から抜粋して詳しめに転載しながら紹介します。

 

前プロの作曲者、マウリシオ・カーゲル(1931-2008)はアルゼンチン生まれのユダヤ系作曲家で、1957年に西ドイツのケルンに移り、世を去るまで同地に暮らしたとのこと。

カーゲルの作品は、しばしば演奏者に演劇的なしぐさが求められることが特徴。 日本では、指揮者が突然苦しみだして倒れる(という指示のある) (フィナーレ)と、今回の(ティンバニ協奏曲》が、テレビ番組やSNSで紹介されて、特によく知られているそうで、題名のない音楽会などでも取り上げられたようですが、僕は見逃していました。

〈ティンパニ協奏曲〉は1992年の作品で、この曲が有名になったのは、曲の最後で、ティンパニ奏者がティンバニに上半身を突っ込むという指示があるから。また、そこに至るまでの過程においても、 多種多様なティンパニの奏法と豊かな表現力が味わえる、たいへん充実した作品。

 

全曲は、ティンパニとオーケストラの合奏部分と、ティンパニのみによるカデンツァが、各4回ずつ交互に現れる形式となっていて、大量の打楽器を含むオーケストラ側からもユニークな響きが聞こえます。

 

第1部:マレットの柄を打面と手で挟み、柄をはじきながら滑らせて音程を変える(グリッサンドではない)特殊奏法で幕を開ける。

第1カデンツァ:「左手: マレットが常に皮を平らに打つ。手首は皮の上にのせて。」「右手のマレットで左手のマレットを打て」といった、たくさんの細かな指示が書かれている。

 

第2部:指でティンパニのリム(緑)を叩く奏法、ジャズでよく使われるワイヤーブラシ、マラカスを持ち、それを皮の上ですべらせる奏法、左手でクラーペ(拍子木のような棒)または硬いマレットを皮にあて、もう片方でそれを叩く奏法などが登場する。「叩く場所を常に変える」という指示もある。

第2カデンツァ:ここでもワイヤーブラシが使われる。
 

第3部:後半では、第2ティンパニの上に、第5ティンバニ(二回りほど小さい)の木製カバー、 または直径30cmほどの木の板を置いて、その上を叩くという独特のある、「タムタム (どら)に使うような大きなマレットで、開いた手のひらの指を叩く(誰かの背中を叩くように)という指示のある箇所もある。

第3カデンツァ:奏者はメガホンを持ち、ティンパニに向かって大声で歌う。

 

第4部 7小節の短い部分。

 

最終カデンツァ:「全力で!」と指示のあるグリッサンドで始まる。その後も上下行のグリッサン下が繰り返される。最後のグリッサンドでは、クレッシェンドでffffまで音が大きくなったあと、 fffffと書かれた最後の音で、奏者が上半身をティンパニ(皮でなく紙が張ってある)に突っ込む。楽譜には、その瞬間の図も書かれている。

 

僕がこの曲を聴くのは、勿論、初めて。

オケの編成は、弦五部14-12-10-8-7にフルート4(第3・第4はアルトフルート、ピッコロ持ち替え)、オーボエ4(第4はイングリッシュホルン持ち替え)、クラリネット3、バスクラリネット、 ファゴット3(第3はコントラファゴット持ち替え)、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、 テューバ

ティンパニ独奏(ティンバニ5つ、紙を張った第6ティンパニ)

更に他の打楽器は、シロフォン、ヴィブラフォン、アンティークシンバル、バンブーラトル(竹鳴子)、ギロ、 トムトム、サンドペーパーブロック、ハイハット、カスタネット(板に設置)、マリンバ、、タムタム、カウベル、トライアングル、ウッドブロック、サスペンデッドシンバル、チューブラーベル、大太鼓。

 

ここまで凄いと、現代音楽が苦手な僕でも、メロディーがわからない曲でも、

兎に角、楽しい!

 
ラストのティンパニに中山さんが頭から上半身を突っ込むまでの間も、様々な多種多様な奏法に第3カデンツァではメガホンも飛び出し目が離せなかったし、他の打楽器群も一杯あって面白すぎるびっくり
これだけの奏法をやり切った中山さんは、ホント凄いと思いました。
 
ラストシーンの画像は下にリンクを貼ったXからお借りして、以下に直接貼ってみました。
①渾身の構えの中山さんを真剣な面持ちで見つめるオケのメンバー
②紙を破って突入
③中山さんが上半身を突っ込み、見つめるオケのメンバーも笑顔ニコニコに
最後は、高関さんが指揮台から降りて、中山さん救済に駆け寄ってフィナーレとなりました爆  笑
 
紙が破れたティンパニは、終演後、ホール1Fに展示。
人だかりになりましたが、上からスマホで適当に撮影したら上手く写りましたグッ
 
後半はマラ5。
この曲を聴くのは2月のサカリ・オラモ指揮・ケルン・ギュルツェニヒ管の来日大阪公演(★)以来。また、高関さんの指揮を観るのは、24/2の関西フィル定期演奏会(★)でプロコフィエフの交響曲第5番を聴いて以来でした。
 
オケの編成は16-14-12-10-8.
第1楽章冒頭の首席トランペット奏者ハラルド・ナエスのソロが美しいキラキラ
第2楽章の冒頭はタイトル通り、嵐のようチョキ
第3楽章のオブリガード・ホルンは高関さんの横に譜面台を置き、首席奏者の垣本さんが前に出てきて演奏。これも素晴らしかったですグッ
第4楽章のアダージェットは弦と第1ヴァイオリンの前方に配置されたハープがとても綺麗音譜
第5楽章のフィナーレは金管も鳴り渡って、圧巻のフィニッシュメラメラ
今まで、この曲は何度も聴いていますが、今回の演奏がクラリネット・オーボエのベルアップがもっともよく見えました!!
僕がいままでボーっとしていたのかも知れませんが、高関さんの楽譜を徹底的に読みこんだ上での指揮で、はっきりと各パートに指示をされるので、そちらに目を向けたことで気が付いたのではないかと思います。
演奏後は、当然、客席から拍手喝采とブラボーの嵐拍手
 
前後半ともとても楽しめた演奏会でしたウインク
開演14時30分、休憩20分を挟み、終演16時40分。
完売の満席。いつものように団長の松井市長も聴いておられました。
また、若い学生風のお客様が多かったし、休憩の時には、「やっぱり今日は、来なあかんよね」みたいな会話が聞こえたので、注目の演目だったのだと思います。
 
以下、関連Xのリンクを貼っておきます。
前プロで破れたティンパニの中には、オケのメンバーから中山さんにご祝儀が続々と投げ込まれたとのことニヤリ