川村元気さんの小説『四月になれば彼女は』を読み終えました。

今年の3月に公開された映画の原作で、初出は週間文春2016年5月5・12日号~10月6日号、2016年11月に単行本発刊、2019年7月に文庫本化されています。

僕は、TVや映画館で映画の予告編を見て興味を持っていましたが、結局観ず仕舞いでした。
ならば先ず原作を読み、Primeビデオで配信になったら映画を観ようと考えて、文庫本を入手したのです。
映画化に伴い文庫本はWカバーとなり、映画のポスターが表側となっています。
 

*Wカバーの画像はネットからお借りしました

 

文藝春秋社BOOKというサイトの「本の話」で本書は以下のように紹介されているので転載させて頂きます。

恋愛なき時代のベストセラー恋愛小説、ついに文庫化!

胸をえぐられる、切なさが溢れだす――
『世界から猫が消えたなら』『億男』『百花』の著者が描く、究極の恋愛小説。
大反響のベストセラーがついに文庫化!
 
音もなく空気が抜けるように、気づけば「恋」が人生から消えている。
そんな時僕らはどうすべきか?夢中でページをめくった。
――新海誠(アニメーション監督)
 
こんな物騒で厄介な小説を手放しで褒めていいのか、
わたしは身を震わせる。
――あさのあつこ(作家)
 
4月、精神科医の藤代のもとに、初めての恋人・ハルから手紙が届いた。
“天空の鏡”ウユニ塩湖からの手紙には、瑞々しい恋の記憶が書かれていた。
だが藤代は1年後に結婚を決めていた。愛しているのかわからない恋人・弥生と。
失った恋に翻弄される12か月がはじまる――
 
なぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去ってしまうのか。
川村元気が挑む、恋愛なき時代における異形の恋愛小説。
 
“あのときのわたしには、自分よりも大切な人がいた。
それが、永遠に続くものだと信じていた。”
 
“私たちは愛することをさぼった。面倒くさがった。”
 
“わたしは愛したときに、はじめて愛された。
それはまるで、日食のようでした。”
 
解説「失うことの深さ」あさのあつこ

また、著者からのメッセージとして以下の内容が掲載されています。

恋愛小説を書こうと思ったら、周りの人が誰も熱烈な恋愛をしていませんでした。独身の男女は好きになる相手がいないと嘆き、結婚した夫婦は愛が情に変わるもんだと説く。でも誰もが、十代の頃の恋を瑞々しく語る。あの頃の気持ちはいったいどこに消えたのか? 

恋愛を前にして、人間は悲しいくらい生身にされてしまう。でも僕は、それこそが美しいと思いました。だから「恋愛がなくなった世界」で、それを求めてもがく男女の物語になった。絶望の果てまで行った先に見えたかすかな“光”とともにラストシーンを書き終えた時、問い続けていた答えのカケラが見えた気がしました。読んだ人それぞれの恋愛に対する答えを、小説を読んで、自分のなかに見つけて欲しいと思っています。

 

何気なく映画が面白いかもと思い、事前に概要を把握することなく原作を購入してしまいましたが、上記の紹介文で赤字にしたところに記載されているように、本作は恋愛小説でありながら、恋愛していた男女が時を経て、その感情が消えていくことをテーマにした異形な小説でした。

 

以下、主観的で勝手な酷い表現とも思える感想を書きます。本作に感動された方、支持されている方、川村元気さんのファンの方は気分を害されるかもしれないのでスルーして頂ければと思います。

 

 

世間では恋愛が消えていくという異形なテーマがウケてベストセラーになったようですが、僕は全然、感情移入できず、結論をいうと全く面白くなく「胸をえぐられる、切なさが溢れだす」と感じることも一切ないまま、読み終えてしまいました。

途中から読み続けるのもやや苦痛になったけど「折角、買ったんやし、一応最後まで」と読んだに過ぎませんショボーン

異形なテーマが奇をてらっているように感じられたこと、やたら情景描写が多く、それでムードを無理矢理に醸し出していると思えてしまうこと、登場人物の台詞や行動も共感出来るところが全く無かったこと、等々、感動以前に引っ掛かることばかり。
好きな人は好きなのかもしれませんが、僕はNGでした。

 

巻末の解説で、作家のあさのあつこさんという方が

「読まない方がいいと思う。軽やかに生きていきたいと望む人は、すてきな恋をしたいと願う人は、すてきな恋をしていると公言できる人は、誰かが愛して幸せにしてくれると信じている人は、読書は楽しくてためになると口にする人は、この本を読まない方がいいと思う。残酷なシー ンなど一つも出てこない最上等の残酷な物語、わたしの、あなたの、人間の正体に肉薄する物語。うん、やっぱり怖い。怖すぎる。」

と記載し、最終的には怖いとしながらも、その異形な作風を讃えておられるようですが、僕は、この読まない方がいい人にズバリ当てはまるので、本当に読まなければ良かったと思えています。

 

川村元気さんの作品を読むのは初めてでしたが、そう言えば、この方が原作を書き、映画化の際は監督もされた「百花」という作品(★)をPrimeで観た時、自分の好みではないと感じていました。

 

今回、本書を読んで、川村さんの作品は僕に全く合わないということがはっきりしました。それが分かったことだけが、この本を読んで良かったことだと思います。

映画も観る気がなくなったので、予告編を貼るのもやめておきます。