土曜日の昼間にびわ湖ホールでオペラ『トゥーランドット』を観ました。

この公演は、
「オペラ夏の祭典2019-2020
Japan⇔Tokyo⇔World」として、びわ湖ホール・東京文化会館・新国立劇場・札幌文化芸術劇場で提携されたオペラ公演です。指揮に大野和士、演出には伝説となった1992年バルセロナ・オリンピック開会式を手掛けたアレックス・オリエ、管弦楽には大野自身が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団を迎え、壮大な規模でお送りするとの触れ込み。

指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:ウルス・シェーネバウム
演出補:スサナ・ゴメス
舞台監督:菅原多敢弘
合唱指揮:三澤洋史
合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル/新国立劇場合唱団/藤原歌劇団合唱部
児童合唱:大津児童合唱団
管弦楽:バルセロナ交響楽団
≪キャスト≫
トゥーランドット:イレーネ・テオリン
カラフ:テオドール・イリンカイ
リュー:中村恵理
ティムール:リッカルド・ザネッラート
アルトゥム皇帝:持木 弘
ピン:桝 貴志
パン:与儀 巧
ポン:村上敏明
官吏:豊嶋祐壹
トゥーランドットの公演を生で観るのは、昨年のイタリア・バー歌劇場の引っ越し公演(★)以来、2度目。その時の公演はプッチーニが咽頭がんの手術のショックで亡くなるまでに書いたリューの死までを演じて終演とする演出でしたが、この公演ではその後の部分もやるのか?最後はどうなるのか?など興味深く、また、東京での公演も概ね評判がいいようだったので楽しみにしていました。
びわ湖ホールの特設ページに記載されているあらすじは次のとおりなので、リューの死後も描かれると思われました。
- 【第1幕】
- 古代の北京。戦いに敗れ、女奴隷のリューとともに放浪中の老王ティムールは、息子の王子カラフと再会し無事を喜び合う。皇女トゥーランドットが無言で姿を見せ、人々はひれ伏す。カラフは皇女の美しさに魅せられ、3つの謎を解き明かせば彼女が自分のものになると知り、謎に挑戦する。
- 【第2幕】
- 3人の大臣が、皇女のせいで命を落とした異国の王子たちを思い返す。宮殿前の広場に人々が集まり、トゥーランドットが「謎が解けなければ死をもって報いる」と告げる。しかし、カラフはすべての謎を見事に解き明かす。狼狽する皇女に、カラフは自分の名を謎として与える。
- 【第3幕】
- 皇女の命で人々は一睡もせずに異国の王子の名前を調べている。カラフが自らの決意をアリア〈誰も寝てはならぬ〉で歌い上げる。ティムールとリューが捕えられる。リューは「若者の名前は自分だけが知る」と訴えた後、自害する。人々が去った後、カラフは皇女に愛を語り、口づけをする。心を開いたトゥーランドットは、カラフの名を「愛」であると叫ぶ。
舞台装置がかなり凝っていて、高さ11.4mの大道具を4会場持ち廻って公演するという気合の入れよう。
ソリストの声もホールによく響き、いい感じで公演が進んでいったのですが
第2幕第1場が終わったところで、突如、ホールが停電になりました。
字幕は消え、非常口で非常燈が点滅。ホールの方が舞台から拡声器で停電した旨と、非常照明もいずれ切れる危険があるから一旦、ホワイエに出て下さいとのアナウンスをされました。
当初、地域一体の停電との誤報がありましたが、ホールのみの停電と判明。15分後には復旧したそうです。
結局、まだ原因は現時点でもはっきりしていないようですが、その後、原因が特定できないまま公演を継続できるかを慎重に検討され、演出を変更、約1時間後に第2幕第2場と第3幕を通しで公演すると決定し再開されることになりました。
再開後は、下の写真の中央、空中にある舞台の使用をやめ、下の白いプラットフォームだけを使って演じるように変更されました。
おそらく、原因不明ながらホールの電気負荷を下げて乗り切ろうとの判断をされたと思います。
翌日、日曜日の公演でも、やはり、最初からそのように変更されたとのことです。
もちろん、当初の演出を観られなかったのは残念ですが、突然のアクシデントに対し、懸命に原因調査と再開でのリスク回避を検討、公演を継続に漕ぎつけてくださった裏方さん、突然の演出変更に対応されたキャストの皆さん、オケの皆さんに感謝するばかりです。
写真はネットからお借りしました
演出が変更されても、キャストの皆さんの歌声は最後まで素晴らしく、特に中村恵理さんのリューがカラフの名前を明かさず自決する場面では会場から、すすり泣く声が多数。大熱演でカーテンコールでのブラボーも最も多かったです。カラフ役のテオドール・イリンカイさんのテノールも素晴らしかったし、そして最後の、「誰も寝てはならぬ」の大合唱!鳥肌ものでした!
アクシデントはあったものの満員のお客様に暴れたりクレームをいう方は見られず、山中館長からお詫びと冷静な協力への御礼もあり、最後まで気持ちのいい公演でした。

