佐藤優の眼光紙背】頑張れ東京電力! (眼光紙背)
 本14日から実施される予定の東京電力の計画停電(輪番停電)について東京電力側の発表に間違いがあり、混乱が生じている。その関連で、JR、地下鉄、私鉄の運行に大きな支障が生じている。マスメディアが東京電力に対する批判を強めている。国民の不満、怒りを代弁するのはマスメディアの機能であるので、これは当然の動きである。ただし、ここで立ち止まって考えて欲しい。東日本大震災という未曾有の事態に直面して、東京電力関係者が混乱しているのはやむを得ないことだ。電力供給に関して、東京電力の専門家たちがもっとも動きやすい環境をつくるために政治家、官僚、マスメディア関係者、有識者、国民が全力を尽くすことが焦眉の課題である。批判はあとからでもできる。現在、われわれがかけなくてはならないのは「頑張れ東京電力!」というエールだ。


 福島第一原発、福島第二原発で、危機を回避するために命がけで取り組んでいるのも東京電力の専門家たちだ。東京電力の専門家たちが萎縮し、判断を誤ることがないような環境を整えることが重要だ。そこにおいてマスメディアの報道が決定的に重要な役割を演じる。報道に従事する人々はそのことに十分留意して欲しい。

 大きな危機に直面した経験が筆者には2回ある。1回目は1991年8月のソ連共産党守旧派によるクーデター事件だ。2回目は1993年10月の大統領・政府と議会の対立によるモスクワ騒擾事件だ。危機的状況で政府機能が麻痺した様子を間近で見た。クーデター事件のときはゴルバチョフ大統領が軟禁されたため、一時期、核兵器の管理に危機が生じた。モスクワ騒擾事件は、少しハンドリングを誤れば、大規模な内乱に発展する危険性があった。ロシアが破滅から免れたのは、権力闘争のぎりぎりのところで「これ以上頑張ると国民が壊滅的被害を受ける」という意識が負け組の政治家に働いたからだ。もっと悪い事態は十分ありえた。そのことをロシア人は皮膚感覚で認識している。

 ロシア人は政府に対していつも文句を言う。政治家に対しては、「悪い政治家」と「うんと悪い政治家」の2種類しかいないと突き放してみている。官僚は普通の国民の気持ちを理解できないと思っている。しかし、テロ事件や大事故や自然災害が起きたときには、国家指導部を自発的に支持する。それは国家機能が麻痺すると、結果として国民がもっとも苦しむことを皮膚感覚で理解しているからだ。

 日本の官僚、エリート会社員の能力は高い。しかし、他者からの評価に対して極めて敏感なので、危機的状況になると萎縮しやすい。責任追及がなされるという恐れを抱くと、身体が文字通り動かなくなり、判断を停止してしまう。筆者自身、外務官僚としてこういう人たちを目の当たりにしてきた。「ひよわなエリートだ」と批判することは簡単だ。しかし、このようなひよわさを筆者を含むすべての日本人がもっている。この現実から出発しないとならない。現下の情勢で、東京電力の専門家が、専門的知見と職業的良心に基づいて活動できる環境をどうすればつくることができるかを考えることが不可欠だ。東京電力のような専門機関で働く人々を萎縮させてはならない。(2011年3月14日脱稿)


以上 引用です。



私も そう思います。

あの 危険な場所で作業をしているのです。


爆発するかもしれないと言う 現場で働いているのです。


私たちの安全な生活の為に 必死なのです。

ただただ 安全に 元気で家族の元へ帰れますように。

懸命に 祈ります。