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公園の砂場にて。
娘と娘の友達を遊ばせていると、
2人がケンカを始めた。
こういう時、僕はすぐに仲裁には入らない。
もちろん殴り合い、
取っ組み合いのケンカなら別。
だけど、少々の口ゲンカくらいなら、しばらく様子を伺う、と決めているのだ。
なぜなら、大人が介在するとどうしても、
「どちらが悪いか」
を決めてしまいがちだからだ。
そんな大人のひと言で無理矢理、納得させられたら。
きっと、自分の気持ちを上から抑えつけられた気分になると思う。
プレスするのは、
「たこせんべい」だけで十分だ。
そもそもケンカって、どっちが悪くて、どっちが良いなんて、
シンプルな構造をしていない。
お互いの正義があって、お互いの主観がある。
だったら子どもたちだけで話し合って、
「落としどころ」を見つけられたら素敵やん?と思うのだ。
そんなこんなで今回の砂場でのケンカ。
「砂場」だけに砂のかけ合いに発展した、砂場バトル。
① どうやら砂場で遊ぶための「スコップ」が全部で4つあった。
② ところが、娘の友達が3つを占拠してしまった。
③ そのため、娘が憤慨している。
2人の様子を伺い、事情をスコップで掘り下げた結果、上記①〜③までの、ケンカの原因が見えてきた。
もちろん娘の気持ちは分かる。
自分だけスコップが1つなのは、納得できないだろう。
一方、友だちが悪いのかと言えば、そうとも言い切れない。
なぜなら、彼女は今、
どうしてもスコップを3つ使いたいのだ!
さてさて、
砂遊びどころでなくなってきた2人。
最初こそなんとか討論していたが、
いよいよ2人とも泣きそうになりながら、
「嫌い!」だの「バカ!」だの、
罵り合っている。
相手に対する「批判」が、
「誹謗中傷」に変わってくると、
いよいよ大人の出番だ。
なぜなら、誹謗中傷は、対話ではなく、
相手にうんこを投げ飛ばしているだけの行為だからだ。
そこからは異臭しか生まれない。
いや、さらなる争いしか生まれない。
さあいよいよ仲裁に入ろうか、と重い腰を上げた時だった。
少し冷静になった娘が言うのだ。
「Aちゃん。
じゃあさ、
スコップを2個ずつにしない?
そしたら、
2個(にこ)ずつで
ニコニコでしょ?
2人ともニコニコできるよ」
と。
この言葉を聞いて、
レフリー席の僕もニコニコになったことは言うまでもない。
娘の友達も、それを聞いて
「たしかにー」とニコニコ。
その素直さにも、
さらに胸がぐっと込み上げるものがあった。
娘の友達からしたら、
使えるスコップの数は減ったが、
周囲を含め、幸せの数は格段に増えた。
はんぶんこ。
それは、唯一、両者ともに勝者になれる、魔法の呪文なのだ。
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