★★★★自己紹介は★★★★
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その猫は、人間になりたかった。
いつも、湯気のたったご飯を美味しそうに頬張るのを見て、猫舌な自分を憂いた。
ところが、その猫を
うらめしそうに眺める犬がいた。
好きな時だけ飼い主に甘えられる
自由奔放さが羨ましかった。
ところが、そんな犬になりたい、
ライオンがいた。
ただ存在するだけで可愛いギャルに
抱っこしてもらえる愛くるしさが羨ましかった。
自分は言うと、勇ましいたてがみのせいで、
顔を見ただけでシマウマが逃げていく。
ところが、そんなライオンになりたい
ウサギがいた。
1人になっても「寂しい」なんて思わない強さがあれば、
どれだけ生きやすいことか!と、赤い目をうるうるさせていた。
ところが、そんなウサギになりたい、
キリンがいた。
長い“首”ではなく、長い“耳”がうらやましかった。
たくさん見えることより、
たくさん聞こえる人生のほうが
このキリンにとっては幸せだった。
ところが、そんなキリンになりたい、
チーターがいた。
早く走って獲物を捕らえることに
ほとほと疲れていたからだ。
場所を変えずに、
首を伸ばせば食事にありつける。
そんなキリンに生まれ変わったらなりたいと、
その運命を首をながーーーくして待っている。
ところが、そんなチーターになりたい、
ナマケモノがいた。
「ノロマ」と言われるのは、もうごめんだった。
身体の動きとは裏腹に、心はいつも生き急いでいた。
もし車が買える人生なら、
絶対にパワフルでハイレスポンスな
パワートレーンを搭載した
マクラーレン570Sに乗ろう、と心に誓った。
ところが、
そんなナマケモノに
憧れているのが人間。
のんびりと1日を過ごし、
好きな時に昼寝したい…
と、思わない人間はいない。
だから人間は、怠け者に憧れている。
人間になりたい猫がいて、
猫になりたい犬がいて、
犬になりたいライオンがいて、
ライオンになりたいウサギがいて、
ウサギになりたいキリンがいて、
キリンになりたいチーターがいて、
チーターになりたいナマケモノがいて、
ナマケモノになりたい人間がいる。
きれいに人間への妬まれから始まり、
人間からの妬みへ、輪廻している。
そして、この輪廻は実際に、
人間界の中で起こっている。
太郎くんになりたい、花子さんがいて、
花子さんになりたい、太郎くんがいる。
早起きしたい遅刻魔がいて、
遅刻する勇気が欲しい優等生がいる。
人をいじってみたい、いじられキャラがいて、
人からいじられてみたい、いじりキャラがいる。
この世界は、そんなもんで、できている。
お好み焼きが「こなもん」なら、
世界は「そんなもん」。
みんながみんな「なりたいものは何?」と
聞くと、「自分以外」と答える。
では、そのなりたいものになれたとして、
それで「満足!」と胸を張って言えるだろうか?
きっと、3日後には、
別の何かをまた目指していることだろう。
隣の芝生の隣の隣の隣の隣は
自分の芝生なのだ。
「裏の裏は表」理論に則れば。
今のあなたになりたい誰かが
どこかに絶対いて、
そんな「あなた」を
あなたは今日、生きている。
だから、あなたはただの「あなた」じゃない。
みんながうらやむ、あの「あなた」。
たった3日間しか満足できない
“どこかの誰か”を目指すより、
すでにすごいはずの「あなた」に気づいたら、
もうそこは桃源郷。
胸に手をあてて、言ってみてほしい。
自分で自分に伝えてみてほしい。
「そうか、私は誰もが
うらやむ“あの自分”なんだ!」
そもそも人間ってだけですごい。
進化の記録を辿れば、
最もアップデートされた生物が我々、
人間なのだから。
よ!生物憧れの的、人間さん!
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