私は、いつも、
この出来事を思いだすと、
初心にもどります。
学校を卒業して、
エステティシャンになりたてのころ。
念願だった、ホテルのサロンで
働き出して、
よし、がんばろう。
と意気込んでいた私。
そんな私の意気込みはあっけなく
打ち砕かれました。
学校では得意だった技術も
ところかわれば、
また一から。
チーフの技術チェックは
厳しく、
なかなか合格をもらえませんでした。
気持ち悪いからやめて!
と手を取られ、
最後まで、みてもらえなかったことも。
それでもがんばって
なんとか合格を頂きましたが、
お客様に入るのが少し、
怖くなってしまっていました。
私、このまま、やっていけるかな。。
不安でいっぱいだった
ある日、
外国人の女性の方が、
ふらっと、
サロンに入ってこられました。
とても笑顔の可愛いご婦人。
どうやら、
フェイシャルマッサージを
してほしいとのこと。
手のあいてるスタッフは
私しかいませんでしたので、
私が担当することになりました。
どうしよう。。
ドキドキしました。
言葉も通じないし。。
今、私にできること。
とにかく、心を込めて、ケアをしよう。
日本の旅の思い出と一緒に
今日のケアのことも
思い出してもらえたらいいな。
一期一会。
そんな思いでケアにはいらせて
いただきました。
ケアが終わり、ご婦人が、
サロンを出られるときに、
お見送りに出たら
私をみつけ、近寄ってこられました。
そして、いきなり
抱きしめてくださったんです。
言葉は通じませんでしたが、
すごく喜んでくださったことは
伝わりました。
なんて心のあたたかい方なんだろう。
あまりに突然のことで、
びっくりしたのですが、
硬くなっていた自分の心が、
ゆるんだ感じがしました。
にこにこと素敵な笑顔で
手を振り、お部屋に戻っていかれる
その後ろ姿を見送りながら
私はほんとうに嬉しくて
泣きそうになりました。
この仕事、続けていけるかなと
不安でいっぱいだったあのときの私が
やっぱりこの仕事続けていこう!
と思えた出来事でした。
喜んでくださるお客様のために、
技術を磨こう。
そう思いました。
その日から、
恐怖心がなくなりました。
誰かのためになること。
それは、
なにも大きなことだけではないのです。
助けようと思ったわけではなく、
自分のやったことが、
かけた言葉が、
誰かを救うこともあるのです。
私は、
あの笑顔の素敵なご婦人の
ハグに救われました。
もう、二度と会うことはない、
一期一会のあのご婦人との出会いは
私の原点です。
今日、ご来店くださった
お客様といろいろお話しをしていて、
ふと、あのご婦人を思いだしました。
初心を忘れず、
これからも、
真摯にお仕事に向き合っていきます。
