母トミコ(仮名)既にこの世にはいない。
しかし生きている間、数々の伝説を残したので、たまに(己のネタがつきたら)書こうと思う。
その第⑤話
*
母トミコ(仮名)、運動神経抜群

すなわち、動けるデブ。
私の小学1年の運動会、一人娘の雄姿(?)を見ようと、父、母トミコ、じいちゃん(トミコの父)がやってきた。
じいちゃんは大事なライカのカメラを抱えての登場だ。
さあ、いよいよ出番だ。
ゴールでカメラ構えるじいちゃん。
父はジャングルジムに登り観戦。
あれ

トミコは?











「ほら、負けるなよ!」
励ますのはいいが、
なぜそこにいる?
ロープ越えてきたらダメだろ。
心配をよそに競技は進む。
ハイ、位置について、
よーい、
パーン

私は足が早い。
いいぞ一番だ。
ゴール横のじいちゃんも大興奮で応援。
「いけ~がんばれ~」
トミコのすごい声。
叫びながら伴走するトミコ。
興奮のあまりコースに侵入するトミコ。
本能が目を覚まし、小1相手に本気で戦うトミコ。
その時、サンダルが脱げた。
スライディングするように、ゴールのテープを切るトミコ。
1着トミコ、2着に私。
じいちゃんの宝のライカには、甲板にあげられた大間のマグロのようなトミコだけが写っていた。
じいちゃんは以後、運動会を見に来ることはなかった。