「四角い頭を丸くする」というキャッチコピーや、「日本では2+3=◇ですが、イギリスでは2+◇=5なんです。」というCMがありますが、発想の転換というのはとても大事だけどなかなか難しい。

手首の動きひとつにしても、ちゃんと教えようと思うと、「う~ん、もう一回やってみて」の繰り返しになってしまいがちで、生徒にしてみれば、「この練習きら~い!」だったりするかもしれません。

今私が使っているアメリカのテキストではあるページにのっぺらぼうの顔がいっぱい書いてあります。ピアノのレッスンでこれを何に使うかというと、手首の脱力をしながら、鍵盤移動する練習なんです。
それを、生徒ではなくて私がやります。もし上手に出来たら、子供先生がのっぺらぼうの顔の中に、ニコニコの目や口を描いてくれます。でも、もし私がへたくそだと、それが泣き顔や、怒った顔になってしまうのです。その場合は、子供先生が、「こういうふうにやるのよ」と上手なお手本をみせてくれます。泣き顔や、怒った顔ばかりじゃ私も悲しいから、ニコチャンもいくつか入るのですが、残念な顔もけっこうあったりします。でも私の子供先生たちは皆やさしいので、「もう!、Yukoちゃんは何回言ってもできないのね!」なんて怒られたことはまだありません。(ホッ)

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こういうことをやるのって、楽しいだけじゃなくて、生徒のほうにも、先生になるという立場上しっかりやらなければという意識も出来るし、なによりいつの間にか先生の上から目線でしか物事を考えられなくなりがちな指導者にとって、すごく刺激になるような気がします。

他の科目では、丸暗記より考える力を養う授業を、ということが盛んに言われていますが、そのためには指導者は「教える立場」ではないほうがよいときもあるのです。四角い頭をまず丸くしなければいけないのは、先生のほうですよね。