夫とはケンカもしたけれど
暴力を振るわれたことはないし
乱暴な言葉を使われることもありませんでした。
「てめえ」とか「このやろう」
とかは無縁の夫婦で
子供達にはおかあさんと言っていたけれど
直接には名前で呼んでくれました。
穏やかで優しい夫でした。
そんな夫に一度だけ暴言を吐かれたことがあります。
いつの入院だったのか覚えていないのですが
痛みがひどかった日だと思います。
午前中に夫の病室に行って
昼ごはんは病院食を食べないで
院内の食堂で食べるのが入院中の習慣でした。
食欲はない夫ですがパンなら食べてくれるので
私が選んで紅茶と一緒に夫のテーブルに運びます。
向かい合って座って食べ始めたら夫が
「何かしゃべれよ、面白くもない」
と吐き捨てるように言いました。
そんな風に言われたことは初めてだったけれど
腹が立つわけでもなく...
悲しいとかより、なんだか感情がない私でした。
急に楽しい話ができるわけもなく
2人とも無言で食べたように思います。
その頃の私は明るく励ますこともできないで
気がつけばため息をついていました。
そりゃあ面白くないよね。
痛みと治らない病気に夫は1人で耐えていたのかな。
一回だけの暴言のような言葉だけど
今はもっと気持ちをぶつけてくれていたらと
思うこともあります。
ずっと一緒にいたけれど
本当に寄り添えてはいなかったんだろうと
自分の振る舞いを悔やんでは涙を流すしかできません。