立て爪の、昔からあるダイヤの指輪です。
まだ若くて、貯金もない夫の精一杯の、小さなダイヤです。
普段つけるようなデザインでもないし、いつかデザインを変えて使おうかな、と思っていました。
結婚指輪は、ごくシンプルなプラチナのものでした。
しばらくはつけていたのですが、手を洗うと石鹸が指と指輪の間に残るような気がして、つけるのをやめました。
夫も合わせてつけなくなったので、ケースに2つ並べてしまってありました。
夫が亡くなり、しばらくたった頃になぜか結婚指輪をつけたくなりました。
華奢だった(はず)指に合わせて作った指輪は入りませんでした。
そうだ、婚約指輪と合わせてリフォームしてもらおうと思いました。
夫の指輪と私の指輪と、婚約指輪。
友人が指輪をリフォームしたお店に電話してみました。
3つ合わせて、私が普段使える指輪にしてほしいと伝えました。
お店の方は、いったん3つを下取りさせてもらって、出た金額をお渡しするので、それにリフォーム代やデザインして新しくつける石の金額を足して、いい指輪が出来ますよ、と言いました。
そうじゃないんですよー。
元の指輪を使ってリフォームしたいんです。
他もきいてみましたが、いまいちのお返事。
諦めようかと思って最後に聞いたお店が、私の言いたい事をわかってくれました。
何も引かずに、何も足さないで、3つの指輪をリフォームします、と。
お店に伺ったら、リフォームする職人さんが一緒にデザインを考えてくれました。
夫が亡くなった事は伝えませんでしたが、もしかしたら分かっていたかもしれません。
内側に、夫から私へのイニシャルと、結婚した日をいれましょうか、と言ってくださいました。
もちろんお願いして、作ってもらった指輪。
気に入ってずっとつけています。
夫には、全部私のにしちゃってごめんね。
でも、これはあなたの元に行く時にもつけていくからね。
と言いました。
もうつけているのが当たり前のようになっています。