こんにちは![]()
今回は薬剤科が担当致します![]()
西洋医学の薬と漢方薬は何が違うの
「生薬」はどんなもの
現代の西洋医学の薬と漢方薬では何が違うのでしょうか。
みなさん、「生薬(しょうやく)」という言葉を聞いたことはありませんか。
古くから、自然界のなかに薬効を持つ植物や動物、鉱物があることは知られていました。漢方医学では、こうした薬効のある天然物を調剤のために加工したものを「生薬」と呼んでいます。例えば、体を温めることで知られるショウガは「ショウキョウ」という生薬でもあります![]()
漢方薬は「さまざまな効用を持つ、複数の生薬を組み合わせること」によって作られています。一般的に漢方薬は西洋医学の薬と比べて副作用が少ないとされ、人それぞれの体質や症状に合わせて生薬を配合することで、より効果的な調整ができます。そのため、同じ症状がある場合でも、人によって違う漢方薬が処方されることも多いのです。
一方、現代の西洋医学で処方される薬は、ある症状や病気に対して強い効果を持ち、原則的に単一成分で作られています。しかし、その歴史は漢方薬と同じで「生薬」が起源となっていま
す![]()
「生薬」というと、日本の漢方薬や中国の伝統医学である中医学というイメージがあるかもしれませんが、西洋医学でも今から200年以上前はすべての医薬品が生薬でした。その歴史が大きく変わる契機になったのが、1897年にアスピリンが発売されたことです。紀元前の昔から痛み止めなどに使われていたヤナギの樹皮からサリチル酸が分離され、解熱鎮痛薬として使われていました。しかし、サリチル酸には強い苦みと強い胃腸障害の副作用があることが問題でした。そこで、効果はそのままで副作用を軽減させる目的で合成し誕生したのが「アセチルサリチル酸」、現在のアスピリンです![]()
このように、生薬に含まれる有効成分が明らかになると、それを純物質として単離精製、あるいは化学合成して、そちらのほうを医薬品として使用するようになり、生薬が使われなくなっていきました。たとえば、ジギタリスという生薬は、次第にその有効成分であるジゴキシンやその化学修飾物のメチルジゴキシンが使用されるようになり、現在では生薬としては全く使用されません。このように、有効成分がわかると生薬が使われなくなるのが、西洋医学の発展の仕方です。
現在、西洋医学で使用されている有名な生薬は、ウラジロガシ(商品名:ウロカルン)、サキシマボタンヅル(商品名:セファランチン)、センナ(商品名:センノシド、アローゼン等)などわずかです。それらは有効成分がわからない、あるいは未精製でも有効成分の含量を測定することで品質管理が出来るなどの理由で生薬のまま製剤化されて西洋医学の中で使われています。
患者さんの症状や希望に応じて西洋医学的なアプローチをしたり、東洋医学的なアプローチをしたり、柔軟に対応できる時代になってきています。
西洋医学の薬と漢方薬のそれぞれの優れてた部分を活用し、より皆さんの健康な生活の為に「薬の力」を役立てていきたいと思います![]()