(和)
いっくんのお母さまはひとりでいらした。
既に家族の時間なのでリビングへの扉を
きちんと閉めて、玄関先での対応を詫びた。
いっくんママ「お兄さんに、うちのが助けていただいたそうで、有難うございます」
和「いっくんから、聞かれました?」
いっくんママ「校長先生から伺いました」
・・・
・・・・・
どうして自分の子どもの声を聞かないの?
いっくんママ「大野さん。お礼も兼ねて、坊ちゃん達に遊びにいらして欲しいのですが」
和「子ども同士でお約束をしてきましたら、いつでも喜んで伺わせていただきます」
いっくんママ「子ども同士の約束?」
和「はい。子どもにも意思があります。この子と遊びたい、この子は嫌だと感じる自由と、意思決定の自由があります。子どもの力でお約束をしてきたら、それは最優先しています」
いっくんママ「子どもの友人は親が選ぶものでしょう」
和「・・・うちは、選んでいただけるような、そんな大層なお家ではありません。実はある方から通報されまして、今日は児童相談所へも行ってきました」
いっくんママ「・・・・・」
和「もし、颯がいっくんとお約束してきましたら、必ず遊ばせます。子どもの意思を尊重したい。そうでないと、何事もうまくいきません」
いっくんママ「今日はありがとうございました」
こちらも頭を下げて見送った。
本当はお礼も受け取りたくなかった。
だけど突き返すことも出来ずに、タイマン対決は終わってしまった。
ママ友なんて、要らない。
自分の子どもの友達は、子どもが連れてくる。
しばらく玄関で立ち尽くしていると
智「・・・和?どうした?」
🌼もえこさんの絵です💛
智か様子を見に来てくれた。
デパートの包みを見て
智「あとで母さんに毒見をしてもらおう」
その高級なお菓子を玄関の棚に置くと
智「ほら。おいで」
抱き上げられてリビングへ
家族の元へ運ばれた。
蓮「うちの親は、すぐイチャつく」
智「黙れ。お前らの存在理由の一番大事なところだ。てめーの父ちゃんと母ちゃんの仲が良いのは家族平和と幸せの証だ」
詩「んきゃ」
颯が真似をして詩を抱き上げた。
和「颯は木登りの練習がしたいらしいよ」
智「・・・へぇ・・・木登りね」
詩が落ちないように、蓮が補助に回った。
詩はきゃっきゃと喜んでいる。
颯「僕、強くなる。蓮みたいに」
智「よし。ワークアウトするぞ」
ソファーに優しく降ろされると、颯も真似をして詩を連れてきた。
詩もじっとしていない。
バァバの膝に登り、背中に登り、きゃっきゃと喜んでいる。
智母「元気だねぇ」
ボーイズはパパと腕立て伏せを始めた。
10回を超えると颯がキツくなり
30回を超えると蓮が悲鳴を上げた。
智「明日は週末で休みだ。皆で弁当持って木登りに行くぞ」
颯「僕のターンだ!」
蓮「颯のターンだ」
智「颯も蓮も行くぞ!・・・行くよな?」
蓮・颯「行くー!」
和「わぁ♡」
智母「お弁当を入れましょうか」
和「はい♡」
智「よし。次は腹筋!」
リビングで男3人が腹筋をする。
智母「卵焼きと、ウインナーも入れましょうね。
トマト🍅もあったねぇ」
詩はバァバにくっついて冷蔵庫の確認のお手伝いを始めた。
智母「はい、これを運んでください」
詩「あい」
小さな手がハムを運ぶ。
受け取ってテーブルに置く。
和「ありがとう」
詩「んきゃっ」
楽しい遊びとなったようだ。
詩はバァバとママの間を何往復もして
お弁当作りの下拵えを手伝ってくれた。
LINEにはクラスのお母さん達から夥(おびただ)しいメッセージが届いていた。
だけどすぐには返信出来ずにいた。
それは・・・いっくんやお母さまの悪口を言いたくなかったから。
人と人は繋がっている。
そして子どもの口に戸は立てられない。
母親もまた然りだ。
いっくんの件から、颯を守りつつ
共にハッピーになれる道を探り始めていた。
11時26分は智史さんのブログにて
続きをUPいたします。
どうぞ宜しくお願いします。
