子どものことで
学校の担任の先生から電話がかかってきました。

大ごとではないと思いますが
ちょっと心配だったので・・・
という程度のお話でしたが、
寝耳に水でびっくりしました。

事実確認をしようと思い
子どもに聞いてみましたが、
言葉を濁すばかりです。
角度を変えて
いくつか質問してみましたが、
くわしいことは話したくない、と言われました。

それ以上は聞きませんでした。


問い詰められるのは嫌いです。
昔、親がいつも
私のプライバシーにずかずか踏み込んでくるのが
とても嫌でした。

親はそもそも
子どもにプライバシーがあるということを
知らなかったのだと思います。

そんなことを思い出したら
同じことをする気にはなれませんでした。

無理に問い詰めたら
子どもはきっとますます壁を厚くして
今まで話してくれていたことすら
話さなくなるでしょう。
誰の得にもなりません。

子どもはその日
友達と遊ぶ約束をしていたので、
とりあえず送り出しました。

それからしばらく
居間で呆然としていました。



私はあの子のことを
何もわかっていないんだな、と思いました。

すべてを知っているつもりはなかったけれど
90%くらいは把握している気でいました。

何を根拠にそう思っていたのかはわかりません。

子どもは昔から
私にいろんなことを話してくれました。
その日あったことや、興味のあること。
友だちや先生のこと。

私はそれが
子どもの胸の内にあるすべてだと
思い込んでいました。

そんなわけないのに。

あえて言葉にしない、言葉にならないものが
あの子の中にはたくさんあって
私に話してくれたことは
その中の
ほんの少しでしかなかったのに。





たまにニュースで
子どもの悲しい事件を見ます。

誰にも言えない悩みを
自分の中に抱え込んだ結果
起きてしまったような事件です。

そのたびに思っていました。

こういう子の親たちは
子どものことをちゃんと見ていなかったんだな。
いっしょに暮らしていたら
子どもがそこまで悩んでいることに
気付かないわけがない。
きっと自分のことに忙しくて
子どものことはほったらかしだったんだ。


でも、そうじゃないかもしれません。

今回の我が子の件は
深刻なものではありませんでした。
(すくなくとも現時点では)

だけど、私は
子どものことをわかっている気でいたんです。

自分はニュースで聞くような親とは違う、
子どもに何かあったら絶対にすぐに気が付くし
何か起こる前に対処できる、
と思っていました。


私は本当に
子どものことをわかっているんだろうか。
我が子に何かあったとき
本当に気付いてやれるんだろうか。

本当は、何もわかっていないんじゃないか。

そう思ってしまうような
今回の一件だったのです。


子どもは本当に
親にそんなそぶりすら見せずに
重たくて苦しいものを
抱え込むことがあるのかもしれません。

もしも
どんなに親が注意していても
気付けないことがあるとしたら、
なんて怖いことだろうと思ったのです。


自分は子どもに何ができるんだろうか。

毎日隣に並んで
子どもの頭をなでながら眠れるのが
せめてもの救いです。


子どもをコントロールすることはできません。
それはどんな方向においても。

私にできることは
この世の光と幸せを
子どもに見せ続けることだけなのかなと思います。
 
それは、私自身にも。




 

 

    

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