魚が、サルに憧れて
陸に上がってサルになろうとしたら
魚は命を失います。
サルが、鳥に憧れて
空を飛ぼうとしたら
サルは命を失います。
自分以外の何かになろうとしたら、
とても生きづらくなってしまうわけだ。
人間は突出したものこそないけれど
ある程度どんなこともできてしまいますよね。
だから明確に向いていないことをやっていても
ある程度まではできてしまうので
向いてないことになかなか気付かずに、頑張って周りについていきます。
それで「私はなんてダメなんだろう?」
と思ったりするんですが
それはもしかしたら、
魚が陸に上がっている状態かもしれません。
「ここしか生きれない」と思い込んでるだけかもしれません。
いっぱい生きる世界はあるのに。
ほんの少し、場所を変えれば。
ほんの少し、考え方を変えれば。
ほんの少し、動き方を変えれば。
水を得た魚のようになるかもしれないのに。
でもそれは、自分で見つけないといけないんです。
いろいろ調べて、学んで、試して、体験して、移動して、
いろんな世界を知る。
それを体験することで
新しい自分を知るんです。
「私、水の生物だったんだ」と。
水に入らないとわからないんです。
うっすらとした私の知人で、
タイル屋さんをやっていた人がいるんです。
タイルをはる職人さんです。
でも、PCばかり触ってて(当時Windows95)
ナヨナヨで非力だったので
ボロカスに現場で言われる人だったんです。
そのあとも、タイル屋さんを転々と周り
どこに行っても「アイツはだめだ」となっていました。
それで、落ち込んでいたら
ある工務店の社長が
「PCに強いんだったらウチ来るか?」と
誘いました。
そこで、めきめきと頭角を!! とはならず
PCに関しては強いけど、現場では何やってもダメでした。
現場監督なので、作業をするわけではないのに
それでも、職人さんに怒られ、お客さんに怒られ
最後は数千万の損害を与えるミスをして
逃げるように消えていったのです。
そこから数年後
「アイツ、タクシー会社で部長になってるらしいで」
と噂が立ちだしました。
でも、誰も信じません。
「いやいやいや! アイツがそんなできるわけがない」と
しばらくすると
「アイツ、タクシー会社で取締役になったらしいで」
と噂が立ちだしました。
それでも、皆首をかしげています。
(島耕作なのかな……?)と
で、最近、本人さんに直接会ったんですが
社長さんになったそうです。
人柄も穏やかになってて、
それでも自信はあって、
私からしても25年ほど前に会ったぐらいでしたが
最初は全然誰だかわからないほど変化していました。
自分の生きる場所を見つけたんだな。
自分を活かせる場所を見つけたんだな。
と感じたんです。
どこに行ってもダメ!
何やってもダメ! と思われていたし、
きっと自分でもそう思ってたかもしれないけど
それはただ、世界が狭かっただけで
ちゃんと生きる場所を作れたんです。
世界は思ってるよりずっと広いんですから。
もし、あの時
「自分はここでしか生きれない」と
自分を縛っていたら、鎖につながれたゾウみたいに
ずっと辛い思いをしながら動けなかったかもしれません。
でも、彼は動いたんです。
だから活かせる場所を見つけられた。
水を得た魚みたいに。
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美言3642『魚はその日、海に出る』







