人生出会いと別れを繰り返すのが常ですが、

別れる為に出会っているのではないと

信じています。


しかし、エレンとの出会いは、

別れを約束された悲しい出会いでした。

夜の似合う彼女の側に寄ると、

気品ある香りが心を癒します。


そんな彼女は

スコットランドのアイラ島の出身、

Port Ellenという名前のスコッチです。


アイラ島のウィスキーは、

他のスコッチとは異なり、

「アイラモルト」と呼ばれる独特のもの。

「正露丸」「イソジン」とも評される

強烈な香りを持つこの島のスコッチは、

苦手な人は決して受け付けない一方で、

一度ハマると

この独特の香りがクセになります。


そんな強烈なアイラモルトの中で、

Port Ellenは非常に優しく気品ある香りで、

口当たりも非常にマイルドです。

喉を過ぎた後に鼻に抜けるキックも、

他のアイラモルトに比べると

マイルドで飲みやすい一本です。


ストレートでこれ程飲みやすいアイラは

他では無いと思います。

しかし、決して味や香りが薄いわけではなく、

しっかりと個性とアイラの特徴を出しています。


ただ、残念なことに、

このPort Ellenを作っていた蒸留所は

既に閉鎖されていて、

現在流通するのは残っている樽のみという

非常に貴重なスコッチなんです。


いずれ消えてしまうPort Ellen

見つけたら飲んでみるのも一興ですよ。


そして、そんなPort Ellenを飲む時は、

Chet Bakerの「Everything Happens to me

などが良く合うと思います。

チェットの決して上手くないけども、

色気ある声で歌うこの曲は、

エレンとの残りの時間を彩ってくれます。