アメリカ合衆国大統領
第41代大統領・父ブッシュを最後として
第42代ビル・クリントン
第43代息子ブッシュ
そして一昨日まで大統領だった
バラク・フセイン・オバマ
三代にわたって
軍歴のない人間が大統領になってました
少なくとも戦前世代が
大統領になっていた時代には
ありえなかったこと
暗殺されたJ・F・ケネディは
自分が艦長務める魚雷艇が
沈没したおりの活躍を
映画化されたことがあったほど
軍歴がちゃんとあった人です
それでも巨大化した
軍産複合体の把握はできなかった
ワシントン人も
プロの政治家たちですから
アメリカ国内で将来
大統領になれそうな人間は
早くから警戒し
いろいろなルートで
つまずくように牽制しているものです
20世紀の軍人で
最も大統領にふさわしい
と考えられた人間は
ダグラス・マッカーサーでした
名門軍人の家庭に生まれている
陸軍士官学校開校以来の超秀才
とてもハンサムで風采がよく
そのため陸軍士官学校では
割れたガラス瓶を敷き詰めた中で
腕立て伏せをやらされるという
リンチにあった
マッカーサーは重傷を負い
この話は新聞ダネに
それでもマッカーサーは
全くひるまなかった
彼は父親が
フィリピン征服をやった軍人です
もちろん様々な利権にも
絡んでいたはずです
つまり自分の選挙区というか
領土を持っている人ですよ
それだけに早くから警戒されていた
1929年から30年代にかけての大恐慌
困窮した元軍人らが
ワシントンで座り込み
大規模なデモを繰り返した
元軍人というのは軍人仲間ですから
誰も手を上げたがらない
座り込んでいる軍人を
実力排除するということはすなわち
その排除した軍人が将来
選挙票田としては最大組織の1つである
在郷軍人会の支持を
永久に失うことを意味していました
しかしマッカーサーは清廉な軍人であり
軍人の身上は命令に従うことだと
心得ていましたから
座り込み軍人を
排除する命令に従った
ある意味マッカーサーは
政治的な欲というか野心は
あったけれど
政治的センスは
あまりある方ではなかった
何よりも彼は自分がどれくらい
巨大な存在になってしまっているかの
現状認識が欠けていた
まだローマが共和制末期の頃
ユリウス・カエサルの
抜きん出た政治力と軍事的天才は
誰もが認めていた
彼は元老院から恐れられ疎んじられ
できるだけ僻地に回され
ローマから遠ざけられていった
遠隔の地で戦死してくれればいいと
皆が思っていた
ところがカエサルは死なず
勝利するばかり
そこでとうとう
叛乱の濡れ衣を着せられた
しかしカエサルは
この日が来るであろうことを予期して
現在の貨幣価値になおして
数兆円という借金を個人でやっていた
これはと思う兵士を
数百人囲い込んでいた
個人の軍隊を作り上げていたんですよ
そして一気にルビコンを渡って
ローマを占領してしまった
機動力のある少数精鋭で
あっという間にという
クーデターのやり方
その後のナポレオンその他の
クーデターの手本になっています
マッカーサーが本当に
政治的天才がある人だったら
そういうことやったでしょ
ところが彼はあまりにも
普通の軍人だったんですよ
ある意味彼は
『カエサルになりそこなった男』です
そして大統領の座は
もう1人の天才
かつてマッカーサーの副官だった男
ドワイト・デイヴィッド・
アイゼンハワーのものとなります
当時のアメリカ軍には
ただちに大統領が勤まりそうな人間が
確実に1ダース以上はいましたよ
マーシャルプランで有名な
ジョージ・C・マーシャルを
始めとしてね
ところが1950年代から
ジョン・フォスター・ダレス国務長官と
アレン・ダレスCIA長官のコンビ
これがアメリカ官僚社会を
牛耳ってしまった
アイゼンハワーは老獪な
実績ある大元帥でしたから
副大統領ニクソンやダレス兄弟による
フランスが引いた後の
ベトナムへの戦線拡大を
リッジウェイ将軍の調査をもとに拒否
引退する時に有名な
軍産複合体への警鐘を鳴らす
歴史的演説をぶった
そのアレン・ダレスCIA長官を
晒し者にしてクビにしたのは
ケネディでした
それからしばらくして
ケネディは全世界が見守る中で
晒し者にされて殺されます
明らかに謀略による暗殺にもかかわらず
後ろ指を指す人間はいなかった
この謀略隠蔽劇に関わった副大統領と
後の副大統領
ジョンソンとフォードは大統領に昇格
そしてCIA縮小再編を考えていた
ニクソンは失脚させられ
ケネディ暗殺当時から
CIAで働いていた父ブッシュは
副大統領から大統領に
おまけに倅まで
あのオツムにもかかわらず
大統領になった
ベトナム戦争も湾岸戦争以後の話も
すべてCIAが始めた戦争ですよ
湾岸戦争は比較的上首尾といえ
しかしベトナムやアフガンやイラクは
失敗したにもかかわらず
CIAは責任を取らず
責任を取らされるのは
いつも軍部だった
ペンタゴン以下がこれを
面白いと思っていたはずがないわけで
彼らとしては
アイゼンハワー以降
CIAがやったように
自分の手駒の大統領を立てなかった
ことが失敗だったと考えていた
それはほぼ確実にそう
しかし現状負け戦が続いてるし
ペンタゴンや陸海空3軍にしても
手駒がいない
かつての仰ぎ見られるような
大将軍がいないわけです
既成の政界人材を見ても
ろくなものがない
すべてエスタブリッシュメント系財団の
息がかかっている操り人形
にしかならない
おそらくそこで
トランプが目をつけられたんですよ
彼はじぶんのカネを持っているし
あまり周りに義理立てすべき
カリがない
しかも倒産破産経験が四回もあって
アル意味ハラが据わっている
軍人として大切なことはまず
銃声砲声に驚かないことなわけだけど
トランプは軍歴はないが
そういうハラが据わっている
と考えられた
その結果彼は
軍部の傀儡として押し立てられ
ほぼ50年ぶりに
ホワイトハウスから
CIA配下の権力を
追い出すことに成功した
これでアメリカは
イッキに転落するみたいなことを
声高にいっている人がいる
イギリスをごらんなさい
現状本国はなんの中身もない
ドンガラ国家であるにもかかわらず
曲がりなりにもまだ
英連邦維持されているし
その多くは巨大な資源国ですから
世界の商品市場や金融市場まで
未だに影響力を持っている
確かに今後
確実にアメリカは衰えます
しかしイチドキにゼロになるみたいな
ことを考えるのは間違いですよ
彼等だってそこまで
バカでもヤワでもありません
スケールは全然小さいけれども
かつて手本があるんですよ
それはそこそこの
地球規模の植民地帝国を手放した
経験がある大国・フランスです
ナチスに負けて占領され
仏領インドシナやアルジェリアも
占領された
そのほか南太平洋にも
占領地があった
戦後ナチスが負けて
共和国は再興されたけど
そこかしこで反乱が起きて
結局フランスは維持できなくなった
フランスの栄光は地に墜ちた
そこで一旦全部
そういうもの切り離し
身の丈に合った
インペリアルサークルの
ダウンサイジングをやって
改めて多国間商業協定を結んで
フランスの新規まき直しを図ったのが
第5共和制を立てた
ドゴール将軍です
彼はほとんどの時間を
亡命して過ごしていたけれども
他の軍人と違って
ナチス勢力に一切なびかなかったし
共産党に対しても同じだった
『ジャッカルの日』に描かれた通り
彼は多くの帝国主義者フランス軍人の
恨みを買ったけど
数十回以上あったと言われる
暗殺計画もなんのその
ロメ協定と言われる
自由貿易協定を準備したうえ
EUの中核としての
地位を確立した
そのための大前提として
フランス国軍の海外からの
一大退却をやったわけで
これは彼でなければできなかった
現在のペンタゴン・アメリカ
陸海空軍首脳が考えているのは
まさにそれだと思います
ただ軍部に役を果たせられるだけの
人材がまだいるかどうか怪しい
いたとしてもいきなり
傷つけたくはないから
『トランプ』という
切り札を立てた
いわば彼は『アメリカのドゴール役』
彼の珍妙な言動
そういう目で見ておれば
それほど矛盾がないことがわかります
おいおいこれは
明らかになってくることだと思います
シャルル・ドゴール将軍も随分
エキセントリックな言動の
多い人でしたからね