鳩山会館で薔薇を撮影したその三日後、紅葉の撮影に出掛けた。場所は昨年と同じ九品仏浄真寺である。退院から僅か一週間足らずで2度も撮影に出掛けるのはかなり荒っぽい行動だったと思うけれど、撮影のタイミングを逃すまいとそれだけに心が捉われていた。撮影はある意味、麻薬的な要素を持っていると思う。
ファインダー越しに映る被写体の世界を如何に表現するか、一心不乱にシャッターを切る。カメラと出会って生まれ変わったと言っても、それは決して大袈裟な表現ではない。自分が目指す域にはまだまだ遠く及ばないけれど、昨日より今日、今日より明日…と言った風に試行錯誤しながら思う存分、写活を楽しみたい。
前回は24-200mmズームレンズで撮影した紅葉、今回はZ MC105mm単焦点レンズを使用した。この九品仏浄真寺は紅葉スポットとして人気が高く、見頃の時季には数多くの観光客が訪れる。仁王門を潜るとそこはまるで京都の寺院に迷い込んだかと錯覚するほど、近隣の街並みの喧騒が嘘のように静寂と尊厳が重なる様に流れる空気の中で、色取り取りに化粧をしたもみじ達の姿が出迎えてくれる。
コロナ禍ではあるが行動制限がない中で、昨年とは比べ物にならないほど大幅に訪問者が増えており撮影にも結構気を遣った。そう言えば前回は焔魔堂の前に茶トラの猫が出迎えてくれたのだが、人が多すぎるせいなのか猫の姿はどこにもなかった。可愛い茶トラに会いたかったのにそれだけが残念であった。



