心の奥底に隠しておいた
欲望の種が
紅く染まりながら
実り始めて行くのを
僕は ただ黙って
見詰めていた
君の麗しき誘惑に
やっぱり僕は
勝てそうにない
退院してまだ間もない11月24日、満を持して撮影に出掛けた。天気は雲一つない秋晴れで、青い空が私を呼んでいるかのようだった。入院中、看護師さんたちとの会話は写真の事が中心だった。「退院したら薔薇を撮りに行く」そう話しながら、退院の時期が気掛かりで、11月中旬以降になったら秋バラの見頃を過ぎてしまう…と内心かなり焦っていた。
私のカルテには『趣味、写真撮影』と記してあるため、カルテに眼を通す医療スタッフたちの殆どが私の写真好きを知っていた。主治医は「何としてでも神戸さんに再度撮影出来る身体にしてあげたい」と、顔を合わせる度に口にしていた。
先日の循環器外来で撮影に行った話しをすると、主治医は嬉しそうに身体全体で喜びを表現しており、その優し気な顔には安堵の色が拡がっていた。ただ懸念材料は、右肺にまたしても水が溜まり始めていた事。これが長期に渡って続けば前回と同じ心不全を招き6回目の入院は免れないだろう。
そうならない為に、利尿薬の『サムスカ』が0.5錠追加された。後は塩分1日6g以下を徹底して守り、出来るだけ入院時と同じ生活を心掛ける事である。然し、それが中々出来ないから何度も入院している訳で…。
さて、今回も昨年と同様、『鳩山会館』の薔薇を撮影した。やはり開花のピークを過ぎており、昨年の様な勢いのある薔薇に中々出会えなかったのは残念だったが、その中でも納得の行く数枚を撮影出来たので良しとする。電車に乗っている時間の方が長く、殆ど歩いてはおらず、病み上がりのリハビリには丁度良い撮影となった。ただ、やはり急な上り坂は想像以上にきつかった。オペで三尖弁の逆流が治ったからもっと楽に登れるかと思ったのだが、まだ術後3ヵ月、心臓は快復の途上である。焦る事はない、時間はあるのだからゆっくりリハビリを重ね元気を取り戻して行こう。




