一匹のどじょうが辞任に追い込まれた。好支持率を得て順調な船出をした野田どじょう内閣の一角が早くも崩れ去ったのである。
福島第一原発事故周辺を視察した鉢呂吉雄経済産業相の『死の町』表現が波紋を呼び、更には取材記者に『放射能をうつしてやる』などと発言した事も判明しており辞任は免れないものと思っていたが、10日夜、野田佳彦首相に辞表を提出し受理に至った。
農協・旧社会党時代の経験を活かし、鳴り物入りで入閣した筈の人物が、泥鰌はおろかとんでもない鯰に化けた訳である。
風評被害に喘いでいる福島に追い打ちを掛けるような鉢呂氏の差別的問題発言は、村八分そのものと言ってよいのではないだろうか。
福島を苦しめているのはなにも風評被害だけではない。原発や放射能の恐怖を誇大に煽って来たマスコミの『報道被害』もまた同類なのである。
科学的根拠も無く、健康にも全く問題がない米、肉、野菜、魚などが単に福島県産と言うだけで敬遠され、福島ナンバーの中古車さえも売れないと言うではないか。
更には福島ナンバーの車を運転していれば『○○ナンバーお断り』の駐車場が出現したり、空き缶まで投げ付けてくる人もいるらしい。
避難民が昼間パチンコをすれば批判され、居酒屋で一杯飲んでいれば「不謹慎」だと罵声が飛ぶ始末。避難民の心が休まる場所は一体何処にあるというのだ。
がんばろう日本をスローガンに、国民全てでこの国難を共有し助け合う筈であり、政府もまた震災復興を旗印に前進しようとしている最中に、ドジョウの足を掬ってしまうお粗末さに呆れ果ててしまう。
人としてのデリカシーに欠ける政治家は政治家にあらず、即刻議員バッジを外して辞職して頂きたいものだ。それともう一つ、民主党の平野博文国対委員長の『不完全内閣』発言。これについては与野党から批判が相次いだが、わたしから見れば政治家の本音がつい出てしまったという事。
自民党時代からこれまでに完全な内閣がこの国に存在しただろうか?トップの顔がシャボン玉のように次々と吹いては消えるこの国の政治が完全なものだと誰も思わないだろし、ガス欠の不完全燃焼そのものである。
燃え尽きた総理として一人上げるとすれば小泉純一郎氏くらいのものだと思うが、但しその燃え尽き方に多少の問題はあったのだが…。
死の町発言に対しては野田総理もかなりご立腹のようであったが、柳の下のどじょう内閣にならぬよう頑張って頂きたいものである。
