内藤大助選手の誤算。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

内藤 3月8日に行われた(WBC)フライ級タイトルマッチ、内藤大助VSポンサクレック・ウォンジョンカムの試合は辛くも内藤選手が判定で引き分け、2度目の防衛を果たした訳だが、消化不良と言う試合内容にいささか残念な気持ちが残った。
チャンピオンの目的はベルトを守ることにあるので、終始防御に回る事が多い。ボクシングの醍醐味は壮絶な打ち合い、ダウン、そしてKO。
近頃のボクシングではそのKOシーンが殆ど見られず、判定に持ち込まれる事が多くなっている。これは両者のテクニックやパンチ力にさほど差がないことも上げられるが、挑戦者の場合試合に敗れても失うものがないことから、捨て身で王者に立ち向かう闘争心が絶対条件である。
チャンピオンも挑戦者の時代が当然あった訳で、その頃の自分と同じ様に戦えるかと言うと、これは疑問が残る。
チャンピオンの座を如何に守り通すか、連続防衛をどこまで伸ばし連勝し続けるか、これは相手に勝つ事ではなく、ベルトを手にした時からは自分との戦いとなる。
結果的に試合内容に不満が残る事も多々あり、観衆を楽しませる試合から遠ざかってしまうのも事実である。
昨年行われた、内藤大助VS亀田大毅の試合は暴走した大毅選手とセコンドについていた亀田ファミリーの影響もあり、ボクシングとは呼べない試合内容になってしまったが、TBSの思惑通り興行的且つ視聴率アップでは成功を収めたと言えるだろう。
但しこの試合で一番得をしたのはチャンピオンの内藤大助選手自身だった。このカードが組まれた時から国民の期待を一身に背負い、その期待に応え内容はともかく勝利したのだから、これで地名度は大幅にアップし、日本中に彼の名が知れ渡り一夜にしてスターダムにのし上がったのである。
TV、マスコミからの出演依頼が殺到し、様々なTV番組に登場するようになった内藤選手。自叙伝「いじめられっ子のチャンピオンベルト」と言う本まで出版するに至った。
しかし、タイトル戦の前にチケットが多く売れ残ったことで、こんな筈ではないと困惑を隠せないでいた。有名人の仲間入りを果たしたことが、自意識過剰となりそれが「自惚れ」に繋がったとすれば、初心に帰り自分がハングリーなボクサーである事を認識しなくてはならない。
チャンピオンの使命とは自分に挑戦することである。そして自分に勝つ、これが真の王者にふさわしい姿なのである。