チャルメラおじさん危機一発。 | プールサイドの人魚姫
インスタントラーメン(即席ラーメン)の元祖と言えば1958年に登場した日清食品の「チキンラーメン」であるが、そのルーツは中国・清代(1644年)にまで遡るというから驚きである。私が住んでいた静岡県藤枝市ではチキンラーメンは販売されていなかったが、その代わり東洋水産の「マルちゃんのハイラーメン」が出回っていた。家が貧乏だったため、米が無くなると私の主食は即席ラーメンになった。1個15円は当時の卵と同じ値段。どんぶりに熱湯をかけ蓋をして3分待てば出来上がり。これは今でも同じだが、私は鍋に麺を入れ味噌汁を作る時と同じ要領で作って食べた。今考えて見るとその頃の食品としては贅沢品だったのかも知れない。家にお金が一銭もない時は頭を下げ、泣く泣くお願いして後払いでラーメンを手にしていた。何故こんな状況になるかと言えば、話が長くなるので割愛して頂くとして、両親がいなかったと言う事に尽きる。たかがインスタントラーメン1個であっても私にはとっては幼い涙のスープで出来た即席命がけラーメンとでも言った方がお似合いかも知れない。チキンラーメンを食べたのは東京へ出てきてからで、特に美味いとは思わなかった。スープが付いてないので、あれ?不良品などと思ってしまった。味付け麺だとは知らなかったのである。現在では様々な即席ラーメンが存在し、その人気の高さを物語っているが、私の一番のお気に入りは、なんと言っても明星食品の「チャルメラしょうゆ味」である。ラーメンを食べる時必ずと言ってよいほど、幼かった頃の記憶が麺の中から蘇る。たまたま父が家にいた時、私が作ったラーメンを食べながら「とし坊の作ったラーメン美味いな」と言った父の声を思い出し、湯気の向こうに見える幼い自分の姿を褒めてやったりする。

