美容師が鋏を置く時 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

美容院私が散髪によく行っていた理容室が店内改装だった為、数十年振りに美容院へ行った。20代の頃は美容院で髪をカットしてもらっていたがこの歳になって美容院へ行くのもと思ったが、良さそうな理容店が思い浮かばず、立ち寄ったのが瑞江駅ビルにある美容院だった。担当は「望月君」と言ってまだ30そこそこの若者だった。「5月に新聞社のインタビューを受けるから恰好よくカットしてよ」なんて会話を交えながら話が弾んだ。美容院も理容店も髪を切る事に違いはない。だが、髪をカットする時の鋏の入れ方に違いがあるのをご存知だろうか?理容店は髪を直線で切るが、美容院は斜めにカットする。美容院は髭を剃らない。何故なら法律で禁じられているからだ。刃物を肌に触れて良いのは床屋だけ。数回望月君にカットしてもらい、つい先日彼が「鋏を置くことにしました」と言った。「うん?何のこと」「足を洗うんです」「何でまた急に?」「もうこの道を極めたので・・・」何を生意気なと思ったが、彼なりの決断。そこに口出す必要はない。カリスマ美容師なんて言葉が一時ブームになったが、髪を切り美しく整えることはもちろんだが、美容師の仕事はそれで終わらない。心も美しくカットしてやって初めて一人前の美容師、理容師と言えるのではないだろうか。