【火の神・迦具土神】


赤や橙色を重ねているうちに、炎の流れの中から、こちらを見つめる眼差しが現れました。火の神、迦具土神(かぐつちのかみ)です。


『古事記』では、伊邪那美命が火の神を産んだことで身を焼かれ、神避られます。


悲しんだ伊邪那岐命は迦具土神を斬りますが、その血や身体から、さらに多くの神々が生まれました。


火の神の誕生は、痛みを伴いながらも、次の神々の誕生へとつながっていきます。


人類にとっても、火を見いだし、扱えるようになったことは大きな転機でした。


火は寒さをしのぐ温もりとなり、暗闇を照らし、食べ物を調理する力となりました。


一方で、扱いを誤れば、いのちを奪う力にもなります。


豊かな働きと、全てを焼き尽くす激しさ。その両方を持つ火。


火を大切に使うことは、その力を知り、敬意をもって向き合うことに他なりません。


全国古事記塾主宰 今野華都子絵と文記す


「かぐつちの神」クレパスと色鉛筆