スサノオの「かちさび」
学問も技術も経済も政治も、「進歩すること」「勝つこと」だけを追い求めれば、いつしか人間や自然を置き去りにしてしまうことがあります。
だからこそ、前へ進む力とともに、受け止める力、相手を認める力、補い合う力が必要なのだと思います。
自分一人を見つめているだけでは、自分の本当の役割は案外わからないものです。
自分とは違う人に出会い、その人の中に自分にはない貴さを見つけたとき、初めて自分に与えられているものも見えてくる。
人は一人で完成するのではありません。
違う受持ちを持つ者同士が出会い、互いの資質を認め、補い合う。
そこに「むすひ」が起こり、新しいもの、新しい世界が生まれていくのです。
「勝つ」ことよりも、違いを貴び、結び合うこと。
そのためには、まず「自分だけが正しい」という心を手放すことではないでしょうか。
相手を自分と同じにしようとするのではなく、
「この人には、私にはない何があるのだろう」
という眼差しで相手を見る。
理解できない違いに出会ったときこそ、すぐに否定せず、まず聴いてみる。
そして、自分にできることと相手にできることを持ち寄ってみる。
違いは、争うためにあるのではなく、互いを補い、より大きなものを生み出すためにある。
そう考えると、出会う人は皆、自分の「受持ち」を教えてくれる大切な存在なのかもしれません。
須佐之男命の物語は、今を生きる私たちにも、「我が勝つ」から「共に生かし合う」へという大切な道を教えてくれているように思います。
9/3京都古事記塾より
全国古事記塾主宰
今野華都子
ご参加ありがとうございました💕🙏

