〈十一面観音〉


十一のお顔であらゆる方向を見渡し、さまざまな苦しみを抱える人々を救う観音さまだという。


人の苦しみは一つではない。


悲しい人。

不安な人。

怒っている人。

迷っている人。


だから観音さまも、一つの顔だけではなく、さまざまなお顔をもって衆生を見つめてくださる。


その功徳には、災難から守られること、病を遠ざけること、衣食に恵まれること、人から敬愛されること、そして心の安らぎを得ることなどが説かれている。


けれど描きながら、私は思った。


観音さまの本当の慈悲とは、

苦しみを「無かったこと」にすることではなく、


どんなあなたも見落としませんよ。ということなのではないか、と。


十一のお顔は、沢山の人間の心


そのすべてを見つめながら、中央の観音さまは静かに目を閉じている。


どの心も追い払わなくていい。

どの自分も置いていかなくていい。


全部抱いて、静かなところへ還っておいで。


そんな声が聞こえてくるようだった。


お盆は、ご先祖さまをお迎えする時


私たち一人ひとりの命の後ろには、数えきれないほどの命がある。


みんなみんな懸命に生き抜いてくださって、今の私がいる。


私も一所懸命に生きていきます。この命を有難うございます🙏


合掌


全国古事記塾主宰 

今野華都子絵と文記す