抑えられないイライラ
理由もないのに不安になり、
突然、自分を否定したくなったり、
いっぱいいっぱいになって
涙があふれてきたりする。
普段なら気にならない家族のひと言にも傷つき、
強い言葉をぶつけたあとで、
今度は自分を責めてしまう。
「もしかして、私、病気なのかな」
「精神科に行ったほうがいい?」
「婦人科に行ったら、ピルを勧められるのかな」
「でも、できれば西洋薬は飲みたくない」
どうしたらよいのかわからないまま、
毎月、
生理前になるのが怖くなっている。
そんな女性からの相談は、
決して珍しくないんです。
それは、
あなたの性格だけの
問題ではないんだよね
月経前の3〜10日ほど前から起こり、
月経が始まると軽くなったり、消えたりする心身の不調は、
PMS(月経前症候群)と呼ばれます。
症状は、
乳房の張り、
むくみ、
頭痛、
だるさなどの身体症状だけではなく
イライラ、
不安、
気分の落ち込み、
涙もろさ、
集中しにくさなど、
心の症状として強く現れることもあります。
なかでも、
抑うつや不安、怒りの爆発などが強く、
仕事や家事、
人間関係に大きな支障が出ている場合には、
PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。
大切なのは、生理前の自分を見て、
「本当は性格が悪いのかもしれない」
「母親なのに、妻なのに、こんなことで怒るなんて」
と決めつけないこと。
月経周期に伴う変化によって、
心と体のバランスを保ちにくくなっている
可能性があるんですから。
ピルか、我慢か。
その二択だけではない
PMSやPMDDの治療には、
低用量ピル、SSRIと呼ばれる薬、漢方薬、
生活習慣の調整など、複数の選択肢があります。
ピルやSSRIが、必要な人にとって
大切な治療になることもあります。
「薬に頼ったら負け」ではありませんし、
薬が必要なほどつらい状態を
無理に我慢する必要もありません。
一方で、薬を飲むことに抵抗がある方や、
ほかの方法も知ったうえで
自分に合う方法を選びたい方もいるでしょう。
そんな時には、
月経前のこころと体を、
体質と暮らしの両方から整える
という選択肢もあります。
同じイライラでも、
体の背景は違います
漢方相談では、
「イライラするから、この漢方薬」と、
症状だけを見て漢方薬を
決めるわけではないんです。
*ちなみにAIで相談して
漢方を飲もうとされる方もいらっしゃいます。
おそらく感覚ですが正解は70%くらいかな。
70%と書きましたが
本質までは導いてないんだよね
同じ月経前のイライラでも、
-
胸やお腹が張り、ため込んだものが爆発するように怒る
-
疲れ切って余裕がなくなり、小さなことに反応してしまう
-
冷えやむくみ、頭痛、肩こりも強くなる
-
眠れない、夢が多い、動悸がするなど、落ち着かなくなる
-
経血量が多く、生理が終わる頃にはぐったりする
-
甘いものを強く欲し、食事が乱れると不安感も強くなる
というように、
その背景は一人ひとり異なります。
漢方では、気・血・水の偏り、冷えや熱、
胃腸の働きなどを手がかりに、
その人の全体像を見ていきます。
さらに、
-
普段、何を食べているか
-
食事の間隔が空き過ぎていないか
-
睡眠が足りているか
-
便秘やむくみがないか
-
月経量や月経痛はどうか
-
いつから症状が始まり、いつ軽くなるか
といった、
暮らしと月経の流れも一緒に振り返ります。
目的は、
イライラを力ずくで押さえ込むことではないんです。
「なぜ生理前になると、心と体が持ちこたえられなくなるのか」
その背景を探し、
月経前にも崩れにくい状態をつくっていくことです。
最初にしてほしいのは、
月経と気分の記録です
PMSかどうかを考える時には、
症状が月経周期と
連動しているかを見ることが欠かせません。
まずは、次の項目を記録してみてください。
-
生理が始まった日
-
イライラ、不安、落ち込みがあった日
-
涙が止まらなかった日
-
眠れなかった日
-
頭痛、むくみ、乳房の張りがあった日
-
食欲や甘いものへの欲求が強くなった日
-
症状が軽くなった日
「私はいつも感情が不安定だ」
そう思っていた方が記録してみると、
実際には生理前の数日間に
症状が集中していたと気づくことがあります。
反対に、
生理が終わっても気分の落ち込みが続く場合は、
PMSやPMDD以外の病気も含めて
考える必要があるかもしれません。
漢方やサプリを
飲むだけではないんです
月経前のイライラや涙を、
「また自分をコントロールできなかった」
と、責め続けないでくださいね。
そのつらさは、
今の心と体に余裕がなくなっていることを知らせる
ひとつのサインかも。
漢方薬やサプリメントが、
心と体を支える助けになることはあります。
でも、漢方やサプリを飲むだけで、
すべてを解決しようとするものはないんです。
まず、自分の体と心に何が起きているのかを知ること。
そのうえで、食事、睡眠、休み方など、
変えたほうがよいところを
できる範囲で少しずつ見直していきます。
だからこそ、
ネットで自分に合いそうな漢方薬や
サプリメントを買って飲むだけでは、
十分ではないことも多いんです。
同じ「イライラ」でも、
その背景が違えば、
必要な整え方も違いますからね。
薬を使うか、使わないかを急いで決める前に、
まずは自分の月経周期と
心身の変化を知ることから始めてみてください。
そして、イライラだけでなく、
月経、食事、睡眠、冷え、疲れまで含めて
相談できる場所があることも知っておいてください。
ただし、
気持ちがつらくて日常生活を送れない、
自分を傷つけたい、消えてしまいたいと思う、
生理が始まっても強い落ち込みが続く。
そんな時は、
漢方だけで何とかしようとせず、
婦人科や精神科、
心療内科へ早めに相談してください。
病院での治療と、
漢方や生活の見直しは、
どちらか一つしか選べないものではないからね。
毎月、生理前になるのが怖い。
そんな状態を
「女性だから仕方がない」
で、終わらせないでくださいね。
苦しむ時間を長くしないためにも、
一人で抱え込まず、
早めに相談に来てください。
漢方の岸本薬局HP
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