編集部推薦記事:なぜトランプは、イラン問題でアジアの同盟国から協力を得られないのか?
<記事原文 寺島先生推薦>
Editor's Сhoice Why Trump can’t get Asian allies to help in Iran
筆者:Kenji YOSHIDA
出典:Strategic Culture Foundation 2026年3月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2026年3月26日

米国のパートナー諸国には、ワシントンが一貫した戦略を推進しているという信頼感がない。
米国とイスラエルによるイランへの空爆が続く中、ワシントンは再び、その余波に対処するため、友好国や同盟国に協力を求めている。
アジアにおける米国の最も親密な同盟国である日本と韓国にとって、その影響は差し迫ったものとなっている。両国とも、イランによって事実上封鎖されてしまったホルムズ海峡を通るエネルギーの供給に大きく依存しているため、原油価格の高騰や市場の変動という形で、すでにその衝撃を実感している。
しかし、ワシントンから護衛任務や機雷掃海、その他の海上支援といった、より直接的な役割への参加を求める声が上がっているが、東京とソウルは躊躇している。この躊躇には前例がないわけではない。20年前、イラク戦争の際、両国は同様のジレンマに直面した。しかし当時、両国は国内や法的な深刻な制約があったにもかかわらず、最終的には米国を支援することを選択した。
イランに対して慎重になるべき理由は確かに数多くある。とりわけ、国内の政治的リスクや、一部の人々が「ホルムズ海峡の、逃げ場が無くなり、攻撃が集中する致死空間」と呼ぶ地点で勃発しつつある紛争の爆発的な危険性がその理由のひとつに挙げられる。しかし何よりも、変化したのは単に紛争の性質だけではない。それは、米国のリーダーシップに対する信頼の度合いである。
イラク戦争当時、日本と韓国は、まったく異なる政権によって率いられていた。日本の小泉純一郎首相は日米同盟を公然と支持する立場をとっていたのに対し、韓国の盧武鉉大統領は、米国に対してやや懐疑的な見方を持ち、戦時作戦統制権を含むより大きな自律性を求めて政権に就いた。
両国とも、中東における米国の軍事行動への支援に対する国民の反対は激しかった。韓国では大規模な抗議活動が繰り広げられた一方、日本では憲法上の制約により、政府は関与の範囲を厳格に限定せざるを得なかった。
それでも、両国政府は協力した。日本は「イラク特別措置法」に基づき、非戦闘地域における復興支援および人道支援を名目として約550人の自衛隊員を派遣したほか、インド洋での給油任務を通じて別途、後方支援を行った。韓国はピーク時には約3,600人の部隊を派遣し、米国や英国に次ぐ最大規模の派遣国の一つとなった。これらは政治的に容易な決断ではなかった。国内で多大な犠牲を払って下された決断であった。
その違いは、ワシントンが同盟国にどう接したかにあった。ブッシュ政権には欠点もあったが、同盟関係の管理を戦争遂行の一環として捉えていた。同政権は連合の結成と維持に真摯な努力を注ぎ、主要な同盟国を説得し、各政府が自らの支持を、より広範な国際的な取り組みの一環として提示できるよう、十分な政治的後押しを施した。物議を醸す戦争でさえ、同盟国が国内の厳しい視線にさらされても即座に崩れることなく、繰り返し主張できるような物語として装われたのである。
今では、そのような共通の目的意識ほとんど感じられない。
ここ数日、ドナルド・トランプ大統領は、各国に対しホルムズ海峡の安全確保への協力を求めてはいるが、実際には米国は他国の支援を必要としていないと自慢げに語るという態度を交互に示している。これは単なる言動の不一致にとどまらない。同盟国政府にとっては、ある根本的な疑問が浮かび上がる。米国は戦略を追求しているのか、それとも気まぐれな一人の男の思いつきで動いているのか?
明確な戦争目的がなければ、参戦は政治的に正当化できなくなる。目的はイランの軍事力を弱体化させることなのか、それとも政権交代を図ることなのか。そのような作戦はどれくらいの期間続くのか。成功とはどのような状態を指すのか。これらは単なる机上の空論ではない。トランプの予測不可能性や同盟国に対する強引な対応にすでに警戒感を抱いている東京とソウルの指導者たちが、直面せざるを得ない政治的現実なのである。
イラクは介入の先例となった一方で、警告も与えた。当初は明確な目的を持った介入として始まったものが、終わりが見えない長期にわたる多額の費用を要する紛争へと発展したのだ。その経験は忘れられていない。むしろ、その経験によって、政策立案者や国民は、明確な出口の見えない中東の紛争に巻き込まれることに対して、より慎重になっている。
だからこそ、説得力と明快さが今日ではより重要になっている。しかし、トランプ政権の在任期間の大部分において、ワシントンは、関税や費用分担の要求、あるいは投資をめぐる強硬な交渉などを通じて、親密なパートナーでさえも経済的圧力の対象として扱ってきた。
もちろん、こうしたことが同盟関係を断ち切るわけではない。しかし、信頼を損ない、同盟国の政府が、しばしば債権者のように見えるパートナーのために有権者にリスクを負うよう求めることを難しくしてしまう。
今回の危機の展開は、そうした躊躇をさらに強めるばかりだ。イラク戦争に先立って長期間にわたって行われた外交的な準備とは異なり、現在の事態の悪化により、同盟国は事態を主導するどころか、ただ事態の展開に追われる形となっている。彼らは、自分たちの発言権がほとんどなかった状況下で、なお流動的な状況の中で、軍事介入を検討するよう求められているのだ。
たとえイランへの戦略が、最終的には中国をさらに追い詰めることを目的としていると仮定したとしても、それが日本や韓国に課す負担を正当化することは難しい。
イラク戦争の際、東京とソウルは強い懸念を抱きつつも、最終的にはワシントンを支持した。その一因は、その決定をより広範な戦略的取り組みへの参加として位置づけることができたからである。今日、こうした消極的な姿勢は、信頼の低下を示す兆候となっている。同盟国が必ずしも支援を拒んでいるわけではない。単に、推測で動くことを拒んでいるだけなのである。
ワシントンがアジアの最も緊密なパートナー国からより多くのものを得たいのであれば、その信頼関係を再構築する必要がある。そのためには、曖昧な点を明確にし、予期せぬ事態が生じた場合は協議を行い、要求がコロコロ変わるのではなく、共通の目的意識を確立する必要がある。
それまでは、この関係は今後何年にもわたって「ためらい」に支配されることになるかもしれない。
原典:www.theamericanconservative.com