イランで起きていることは、地域問題ではなく“人類全体の運命”に関わる


<記事原文 寺島先生推薦>
The Fate of Humanity Hangs in the Balance in Iran
出典:Internationalist 360° 2026年2月18日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2026年2月22日
筆者:シャムハニ提督(Admiral Ali Shamkhani)

イランの最高指導者アリ・ハメネイの補佐官であるアリ・シャムハニ提督は次のように述べた。「戦争とは単なる銃火の交換や大砲の音ではない。我々は現実の戦争状態に生き、あらゆる事態に備えている。」


1979年2月11日の革命勝利から47周年を迎えたイラン・イスラム共和国へ

指導者は嘘をつかない。つけないのだ。嘘をつけば指導者でなくなる。アヤトラ(最高指導者)でいられなくなる。イスラム教が許さない。アヤトラが「イランへの攻撃は地域戦争に発展する」と述べるとき、それが必ず実現すると断言できる。西側諸国は、膨大な財政資源の一部を投じて、この惑星が複数の文明から成り立ち、単一の世界観など存在しないという認識を深めるべきである。その枠組みの中で、シーア派イスラム教の教義・価値観・原則を学び、理解すべきだ・・・指導者は嘘をつかないということを。

さらに、イランへの新たな爆撃は、米国が再び約束を破ったことを意味するだろう・・・もし誰かがまだ米国が約束を守ると思っているなら、の話だが。しかし今回は反応が異なるだろう。イスラム共和国は「十二日戦争」(*)から学び、同様の事態を繰り返さないための必要な経験を積んだのだ。
十二日戦争」(*)・・・2024年4月に展開されたイラン=イスラエル間の短期衝突

西洋の天才たちは次のことも知るべきである。ペルシャの王の中の王であり、当時最大の帝国を築いたキュロス大王は、紀元前539年(アメリカ合衆国が誕生する2300年以上も前)にバビロンを征服したことを。その際、彼はユーフラテス川の流路を変える必要があった。キュロス大王はユダヤ人を解放し、奴隷制を廃止し、宗教的寛容と地域文化尊重を布告し、史上初の「人権宣言」とされる勅令を発した。これら全ては「キュロス円筒碑文」に記されている。人権や多文化主義、宗教的寛容についてペルシャ人に説教できる立場にあるのは、アメリカ合衆国など到底ありえない。

昨年6月、オマーンでの会議に臨んだ米国は、裏切りにも等しくイラン攻撃計画を「一時停止」した。今日、彼らは再び同じ国で間接的に対話を続けているが、1年足らずで二度目となるワシントンの侵略の脅しをかけている。自らのホロコーストを企てるイスラエルは、米国への圧力を強め続けている。パレスチナでのジェノサイドだけでは足りず、今や地域全体に拡大しようとしている。それがシリア、レバノン、イラク、イエメンへの戦争を仕掛けている理由だ。イスラム教徒の忍耐は限界に近づいている。

現在の状況下では、地域戦争がエスカレートし、その範囲が拡大して世界的な紛争に発展する可能性も容易に想像できる。そして、周辺情勢や使用される兵器の種類・射程によっては、核戦争に至る恐れがある。なぜなら、予想通りイランがイスラエル、地域内の19の米軍基地、ワシントンを支持する勇気のあるアラブ諸国の巨大な油田を破壊し、ホルムズ海峡とバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖することで応酬した場合、米国に核兵器を使用する以外の選択肢が果たしてあるだろうか?

「最善」のシナリオ、すなわち紛争が通常兵器の使用に限定された場合でも、海峡を封鎖すれば原油価格は1バレルあたり200ドル、300ドル、あるいはそれ以上に跳ね上がるだろう。これにより世界中で120から140カ国が即座に経済崩壊に陥る。イランへの攻撃は地域戦争へとエスカレートし、それがさらに世界大戦へと発展するだろう。

これが、米国とイスラエル、トランプとネタニヤフが世界を導いた「理性」のレベルである。世界のトップ1%の飽くなき貪欲を維持するためにトランプは全地球破壊プロセスを進めている。広島と長崎は、単なるもうひとつの逸話に過ぎなくなるだろう。

無知と愚かさは誰の言い訳にもならない。シーア派イスラム教において核兵器の製造は罪であると認識されねばならない。もちろん数時間で製造可能だが、権力と権威を掌握するアヤトラでさえ、そのような決定を下す権限は持たない。彼は特定の宗教令(ファトワー)を発布する必要があり、それはあくまでイスラム教の存亡が危機に瀕した場合に限られる。

しかし国際的な出来事は、一方的で直線的な視点から分析することはできない。たとえ一方が他よりも強大であっても、常に複数の主体が存在する。したがって、米国の国内情勢を抜きにして世界の出来事を研究することは、誤った結論へと導く。それは構造的悲観主義を煽るものであり、まさにワシントンが人々を洗脳するために育もうとしている悲観主義だ——すべてが終わったのだと、米国が世界に押し付けているファシズム的傾向を逆転させる可能性などないのだと信じ込ませるために。

かつて米国の、御用「知識人」が、ソ連崩壊をもって歴史は終焉したと書いたことがある。それが誤りであることは歴史が証明した。現在米国は重大な内政危機に直面しており、トランプは自国民への弾圧をエスカレートさせることでこれを打開しようとしている。こうした状況下で、トランプは戦争こそが自らの救済策だと信じている

この手法は、信頼を喪失した支配者層が利用してきたものであり、深刻な内部危機を外部行動によって解決しようとするものだ。したがって、ファシズムと結びついた過激なナショナリズムを煽り立て、脅迫・強制・恐喝、そして最終的には戦争を通じて不安定化を誘発する好戦的精神を解き放つことに頼るのだ。

先に述べたように、イランは十二日戦争の教訓を無駄にはしなかった。中国とロシアもまた、この潜在的な地域的・世界的戦争が現実化することを防ぐため、協力する措置を講じた。三つの大国は、米国との全面対決を含む壊滅的な紛争シナリオを想定した。この疑いを完全に払拭するため、中国とロシアは既にイランに武器と衛星情報技術を提供することにしている。これにより、米国の艦船やミサイル発射装置の位置が特定可能となり、現在イスラム共和国による厳重な監視・追跡下にある。これだけでも世界大戦が起きる理由は明らかではないだろうか?

もちろん、米国とその同盟国は、抵抗軸を構成する諸国において特定の即時目標を達成するため、低強度戦争を展開する可能性がある。この可能性には、地域規模あるいは地域全体で、イランが率いる1000万人の戦闘部隊が対抗するだろう。彼らは既に近代兵器を装備し、戦闘訓練を受け、強い宗教的信念を持ち、米国が構築しようとしている勢力均衡を崩す倫理的・道徳的優位性を有している。ここ数週間、抵抗軸諸国は、イランが攻撃された場合には自国の軍隊を直接紛争に参加させる決定を発表している。

イランにとって、いかなる戦争も最終的には公開され長期化するものであり、既に表明されている通り、イラク、レバノン、イエメン、パレスチナをはじめとする多くのアラブ・イスラム諸国の民衆勢力と軍事勢力が関与することは明らかである。もし彼らが帝国主義的・シオニスト的敵対勢力を支援するならば、その政府は背筋が凍る思いをするだろう。多面的な紛争が勃発し、アラブ首長国連邦とサウジアラビアのイエメンにおける対立など、潜在的・休眠状態の紛争が再燃する可能性がある。ソマリアにおけるシオニスト勢力の存在に対抗するため「アフリカ戦線」が活性化され、イエメンはバブ・エル・マンデブ海峡を通過する敵艦船を阻止せざるを得なくなる。彼らは既にその意思と能力を示している。

レバノンでは、国内の政治的対立や現親欧米政権にもかかわらず、米国は抵抗勢力とヒズボラの民間同盟組織がイランから武器や資金援助を受けるのを阻止しようと圧力をかけ続けている。地域紛争の枠組みにおいて、これが占領されたパレスチナ領土奪還戦争の北戦線となることを承知の上で、である。

イラクは、米国による脅威にさらされ、直接介入と23年にわたる帝国主義軍隊の駐留という状況下にあっても、約100万人の戦闘員からなる強力な人民軍を組織することに成功した。彼らは深く反帝国主義的かつ反シオニスト的なシーア派イスラムの旗を掲げている。イラクは、潜在的な地域戦争に向けた抵抗軸の主要な戦闘予備軍となった

イラクのシーア派勢力は、政治的成熟度を示す驚くべき姿勢で、政治的対立や自らの正当な願望を脇に置き、ヌーリ・アル=マリキ前首相の政権復帰を目指す動きに結束した。マリキはイラン・イラク同盟の戦略的価値に関する確固たる信念ゆえにワシントンから拒絶されている。彼の統一候補としての立候補は、トランプ自身も認めるように、23年に及ぶ軍事介入で100万人以上の国民を犠牲にした末に撤退を余儀なくされた米国イラク政策の失敗を反映している。こういったことが、地域戦争がこれほど広範な影響を及ぼす理由ではあるまいか?

だからこそ、米国とイランの現在の対立が戦場で顕在化した場合、地域全体に広がる極めて破壊的な戦争を引き起こし、現代世界の転換点となるだろうと私は言うのである。

この大規模な紛争は、1945年と同様に新たな地域秩序を生み出し、米国による同地域への大規模な存在の終焉と、イスラエルを管理・支配する手段としてのシオニズムの終焉を意味する可能性がある。しかし、この状況下で米国が自らの地域覇権が脅かされていると感じ、核兵器で世界を威嚇することで対応しようとしても、人類の大多数が新たな世界秩序の実現を要求して立ち上がる可能性が極めて高い。

このため、米国によるイラン攻撃は平和を脅かすリスクをもたらし、地球上の人々の調和と協調を促進する新たな秩序が事前に確立されない限り、第三次世界大戦の始まりとなりかねない。あらゆる兆候が示すように、米国は慎重に行動し、イランへの戦争を仕掛けるべきではないが、それは残念ながら米国政権はそんな政権ではない。熱核戦争となる可能性のある地域的・世界的戦争を回避する外交の余地はまだ残されている。しかし警戒を怠ってはならない。米国内の政治・経済・社会・法制度の状況が悪化し、地政学的同盟関係がさらに弱体化するほど、地球上の生命は危険に晒されることになる。

結論として、情報提供および警戒を目的として、イラン軍最高司令官アミール・ハタミ少将の発言を考慮すべきである:「我々のミサイル及び防衛能力は、十二日戦争以前よりも優れた、より高度な段階にある[・・・]我々は敵のあらゆる科学技術と統合戦術に直面し、敵の弱点と強み、そして我々自身の弱点と強みを明らかにした。今や我々は万全の態勢を整えている[・・・]引き金に指をかけている。イスラム共和国イランは不滅である。」

イランの最高指導者アリ・ハメネイの顧問であるアリ・シャムハニ提督の指摘も重要である:「戦争とは単なる銃撃戦や砲撃の音ではない。我々は現実の戦争状態に生き、あらゆる事態に備えている[・・・]軍事的準備とは戦争を受け入れることであり、開始することではない。しかし我々は不当な戦争と脅威に直面しており、彼らは全力で準備を進めている[・・・] 彼らはイランを併合しようとしているが、イスラム共和国が存在する限りそれは不可能だ。