トランプが吠えても米軍が核施設攻撃しても、イランは絶対に降伏しない、むしろトランプは今こそ「TACO」になれ

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6月14日、ワシントンD.C.で行われた米陸軍250周年記念パレードに出席したトランプ大統領。後ろはヘグセス国防長官(写真:ロイター/アフロ)

 

 イランとイスラエルの戦闘、元凶はトランプ  

 

アメリカの大統領ドナルド・トランプの「TACO」ぶりが際立っている。 【奇跡の握手】1993年9月13日、ホワイトハウスの芝生で、和平協定への調印後に握手するイスラエルのラビン首相(左)とPLOのアラファト議長(右)。中央が仲介したビル・クリントン大統領  

 

「TACO」は「Trump Always Chickens Out」(トランプは常にビビッて退く)の略語で、いま急速に世界で広まっている。もしかしたら、2025年の世界の流行語大賞を取るかもしれない(そんなイベントはないが)。  

 

もともとは、英『フィナンシャル・タイムズ』(5月2日付)で、コラムニストのロバート・アームストロング氏が、「Taco trade theory and the US market’s surprise comeback」(TACO貿易理論とアメリカ市場の驚きの復活)というコラムで使用したものだ。「もはやトランプが何を吹こうが、どうせ取り下げるだろうと、市場がそれを見越して動くようになった」。アームストロング氏は、関税などいくつかの例をグラフで示しながら述べた。  

 

その後、外交分野にも「TACO」理論は当てはまるではないかと、欧米メディアが指摘し始めた。  

 

例えば、「オレなら1日で止めてみせる」と豪語していたウクライナ戦争は、トランプが大統領に就任してまもなく半年になるというのに、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に舐められっぱなしだ。トランプは6月16日、ウクライナからカナダG7(主要先進国)サミットに駆けつけるウォロディミル・ゼレンスキー大統領を待つこともなく、無責任に帰国の途についてしまった。

 

 それでは、今回のイラン・イスラエル戦争に、トランプ大統領はどう対処するのか?  

 

私が指摘したいのは、そもそも混乱の責任は、ドナルド・トランプにあるということである。 

 

■ 「中東和平」の大きな一歩だったオスロ合意を否定するネタニヤフとトランプ  

 

第2次世界大戦後の1948年、ユダヤ人たちが、かつてローマ帝国に追い出されて以来、約2000年ぶりに中東の地に帰って来た。そしてイスラエルを建国したことから、中東の混乱は始まった。  以後、4度も中東戦争を繰り返した後、ようやく「平和な状態」が築かれた。それは、アメリカのビル・クリントン民主党政権が尽力した1993年の「オスロ合意」によってだった。  クリントン大統領の前で、イスラエルのイツハク・ラビン首相とパレスチナのヤセル・アラファト議長が「奇跡の握手」を交わし、パレスチナ国家の建国に向けて協力していくことで合意。両者は揃って、ノーベル平和賞を受賞した。

 

 ところが、1995年にラビン首相が、イスラエルの右翼青年に暗殺された。その機に乗じて首相の座に就いたのが、「オスロ合意」を否定する強硬派のベンヤミン・ネタニヤフである。ネタニヤフは現在、3度目の首相に就いているが、この男の「盟友」として、強硬路線を一貫して支持し続けているのが、トランプなのだ。  

 

2023年10月から起こっているイスラエル・ハマス紛争も、根っこにはトランプが「オスロ合意」を否定していることがある。「パレスチナ人はガザ地区から出て行け」という姿勢だ。 

 

■ イラン核合意も突然「離脱」  

 

ネタニヤフ&トランプがもう一つ否定しているのが、2015年の「イラン核合意」である。  これは、2002年から足かけ13年もかけて、イランとアメリカ、それにロシアと中国、イギリスとフランスとドイツの計7カ国がまとめ上げたものだ。最後は米バラク・オバマ民主党政権が総力を挙げて妥結させたこの「イラン核合意」によって、イランの核開発を防止するシステムが完成した。  

 

ところがこれまた、1期目のトランプ大統領が、2018年5月に突然、「離脱する」と言ってちゃぶ台返しをしてしまったのだ。そればかりか、トランプはイランに対して経済制裁を科した。おそらくは深く考えもせずに、「盟友」ネタニヤフにそそのかされて行動したのだろう。  それでもイランは丸1年、我慢強くトランプを説得しようとした。ところがトランプはイランに対して強硬になる一方だったので、2019年5月に、「それなら核開発を始める」となったのだ。  このように、いま中東で起こっている混乱は、ドナルド・トランプが「元凶」なのである。

 

■ 「暴挙」繰り返すつもりか  

 

さらに現在、ネタニヤフがトランプに求めているのは、イランのフォルドゥにある地下核施設の空爆である。世界でアメリカ軍しか持っていない大型のバンカーバスター(地中貫通弾)「GBU-57」を、B2ステルス爆撃機に搭載し、フォルドゥに投下してくれというのだ。  そして、トランプはいまにも、バンカーバスターによる爆撃を「決断」しかけている。その一方で、「我慢の限界に近付いている」として、イランに全面降伏するよう呼びかけている。  

 

だが、アメリカのこんな「暴挙」が現実のものとなれば、世界は第3次世界大戦に向かって、まっしぐらに突き進んでいくことになる。  また、イスラエルの9倍の9000万人の人口を抱え、イスラエルの75倍もの国土を持つイランが、イスラエルに全面降伏などするはずもない。万が一、そんなことをすれば、イラン人は激昂して現政府を転覆し、さらに強硬なイランができるはずだ。

 

■ 「降伏」より「玉砕」を選びかねないイラン  

 

実際、6月18日にイランの最高指導者アリー・ハメネイ師は、国民に向けてこう発表した。  

 

「イランの国民に向かって降伏を命じるというのは、まったく賢明な策ではない。そもそもイランの国民とイランの歴史を知るならば、そのようなことを決して口にするはずもない。  わが国は他国を侵略することはないが、他国から侵略されることは容認しない。かつ侵略されても降伏することはない。  もしもアメリカが今回の問題で軍事介入するならば、取り返しのつかないことになるだろう」  

 

トランプの最も愚かな点は、「外交」を「商談」とはき違えていることだ。

「商談」は利害得失で動くが、「外交」は国家の名誉と威信をかけて行う。  

 

日本人に分かりやすい例で言えば、いまのイランは、1941年(昭和16年)の日本のようなものだ。だから、アメリカに対して絶対に降伏などしない。それならば「9000万人玉砕」を目指すだろう。  

 

トランプは、「TACO」とバカにされてもよいから、どうか退いてほしい。  

ロシアがウクライナを攻撃し、アメリカがイランを攻撃したなら、東アジアでは中国が台湾を攻撃するかもしれない。

 

イランが「盟友」北朝鮮から核兵器を調達してイスラエルに撃ち込むかもしれない。そして、第3次世界大戦に突入である――。

近藤 大介

 

 

アメリカのファストフードチェーンの店舗数ランク

  • Subway (20,133 locations)
  • Starbucks (16,346 location)
  • McDonald's (13,457 locations)
  • Dunkin' (9,580 locations)
  • Taco Bell (7,405 locations)
  • Domino's Pizza (6,854 locations)
  • Burger King (6,778 locations)
  • Pizza Hut (6,593 locations)
トランプはここで タコ でも食ってろ!