秋休みの間、息子と娘は普段より一緒に過ごす時間が長い。
4歳違いのふたりは、親から見ても仲が良い。

ある日、息子が新しいゲームを買ってきた。

どうやら一緒に遊ぶつもりらしい。

 

 

朝出かけた息子は、ゲームを手に昼前に帰ってきた。
「ゲームする?」という息子に、娘はひとこと。
「数学、勉強してから」数学の成績アップを目指している娘は、

「まず勉強してから」と決めているようだ。「オッケー」と素直な息子。
 

 

娘は数学のテキストを開き、問題を解き始める。

しばらくして、ある問題で「難しい……」と頭を抱える娘。
その横で息子は、「うーん、なにひとつ思い出せない」と

言いながらも、さりげなく手を貸している。

 

 

頼りにしていいのか少し迷うところだが、

ふたりで考えている様子は、どこか楽しそうでもある。

なんとか協力して問題を仕上げたあと、娘が言った。
「この問題解いたら、ゲームしよう!」

その一声で、ふたりの集中力がすっと揃う。

 


先ほどまで手こずっていたのが嘘のように、

問題はするすると解けていく。
やはり、目的があると人は強いらしい。

ほどなくして勉強を終え、いよいよゲームの時間。

 

 

「おー!」とか「わー!」とか「うーん」とか。
ふたりでワイワイ、とても楽しそうだ。

子どもが仲良く遊んでいる姿は、なんだか心がなごむ。
先ほどの数学も、このくらいの勢いで進めば

理想的なのだけれど、と思わなくもない。

 

 

小さいころは、4歳の年の差や性別の違いに関係なく、

けんかすることも多かったけれど……。

娘がハイスクールに入学したころから、けんかはほとんどなくなった。
娘が感情的になることもあったが、温厚な息子がなだめたり、

うまく受け流したりして、けんかに発展しなくなったからだ。

 

 

ふたりで学校のことや友人のこと、将来のことを話すこともあるらしい。
そんな様子を見ていると、少し頼もしく感じる。

いつか、わたしたち親がいなくなったあとも、

ふたりで助け合って生きていってほしい。
仲良く過ごしているふたりを見ながら、そんなことを思う。