精神科医からも問題なしと言われ、職場復帰が
決まった夫・光良。
どうやら、うつ病ではなかったらしい。
複数の医師によって出た診断は「神経症」だった。
あのとき、私たちが最も苦しかったときは
市民病院で「入院を要する躁うつ病の疑い」
と言われたのだった。
市民病院の医師に従っていたら、
いったいどんな未来が待っていたのだろう。
「けっきょく、あんたの言うとおりだったね。
おれの気分の変調はクスリのせいだったし…」
彼とそう話したが、気分はいまだ晴れなかった。
なぜなら、彼が追い詰められた原因である
職場、そして職場の上司部下はそのまま
何も変わらないからである。
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現在。彼と、またも言い合いをしてしまった。
年齢30も越えれば、職場で重鎮として、
さまざまなストレスにさらされることはわかっている。
いや、わかってはいないか
…私には想像するしかないのだから。
しかし、この職場の仕打ちは目にあまるものだった。
上司と言う権限で、部下によくこのような仕打ちが出来る
ものだと思った。
保身?
打算?
彼は、
「上司はなんも考えてないよ、
会社のためだとかそんなことすら考えていなくて
ただそのときの気分でてきとうにものを言うだけ」
と言っている。
こんな上司のもとで働くのはマイナスしかない。
異動すべきだ、
私と彼の意見はぶつかりあった。
だが、彼はせめて今年3月までは、ひとくぎり働いて
どうするかを考えたいと言う。
聞くだにひどい職場である。
こちらのことをよく知りもしないのに、
(知らないからこそ言えるのか?)
「奥さんとの関係を覚悟した方がいい」
なんて平然と言ってのける上司だよ。
ひさびさに職場に顔を出した部下に向かって、
休んでいた間自分がいかに苦労したかを
グチる上司だよ。
ストレスがたまらない、わけがない。
だが、現場にいて何よりもそれを知っているはずの彼が
出来るところまで、仕事を続けたいという。
だったら私はそれを尊重し、見守ろうと思う。
私自身、大学病院を辞めるときはいろいろな要因が
重なり合って、
まるで熟した柿が木から落ちるように、
もしくは咲きすぎた椿の花が落ちるように、
もう辞めるしかない…と迷いすらなく気持ちが固まって、
コロリ。
と辞めた。
この先ずっとつらいことが続くのであれば、
きっと彼にも、そんな瞬間が訪れるのだと思う。
訪れなければそれはそれでいい。
そんなことを思いながら、彼と生きていく…。
(つづく)