むかし、むかし、ハワイでは、
王様などの権力者(アリイ)は、マナ(霊力、気の力、魂)が強いと信じられておりました。
そのマナは、骨や髪、爪に込もって永遠に残ると信じられていたそうです。
そのため、権力者の強いマナを欲する人は、
権力者の亡骸から、骨や髪を盗んでいこうとするのだそうです。
そして、そうはいかぬと、権力者たちの一族は、
見つからぬよう、隠れた洞窟の奥深くに、
見つからぬよう、用心深く大切に埋葬したのだそう。
ハワイ島・ビッグアイランドの北部にあるコハラ山脈。
断崖絶壁に囲まれたワイピオ渓谷には、
埋葬された隠された洞窟がいくつもあるのだそう。
いまの今でも見つからず、眠っている権力者たちが
まだまだ、たくさんいるのだそう。
あのカメハメハ大王の遺骨も、見つけられずに、
ワイピオ渓谷のどこかで眠っているそうです。
こうしてワイピオ渓谷は、権力者たちの強いマナが宿る
マナの強い場所として、王家の谷と呼ばれています。
私達も、何度か行ったことがありますが、
空気がいつもしっとり優しく、
どこか守られているような、穏やかな気持ちになります。

ワイピオ渓谷といえば、馬でいくトレッキング。
2時間くらいかけて、ジャバジャバと川を渡り、
野を歩き、高原やジャングルを巡っていきます。
ワイピオ渓谷は、雨の多いところ。
ほぼ毎回、霧雨が優しいシャワーのように
私達を迎えてくれます。
これは祝福の雨というより、慈愛の雨のようでしょうか。。。
こんなとき、思い出す、美しきお姫様がいます。
プリンセス・カイウラニです。
カイウラニは、このワイピオ渓谷の乗馬中に、
雨にうたれたことが原因で、肺炎となり、
わずか23歳でこの世を去ります。
時は1899年冬、アメリカがハワイを統合した翌年です。
激しい雨の中、乗馬を止められ、
せめて雨具を、というのも拒否して、
雨の中、馬を走らせに出掛けたそうです。
カイウラニは、アメリカの一部になってしまったハワイの
未来を案じて、じっとしていられなかったのでしょうか。
何かを振り払うように、馬を馳せたかったのでしょうか。
ワイピオで、雨に包まれ馬といるとき、
ついつい、雨の向こうにカイウラニを探してしまいます。。。

※ワイキキのプリンセス・カイウラニ像
