エルニーニョ監視海域で観測史上最高の海水温度が記録される中、これからもモンスターエルニーニョはさらに発達し続ける。その先の地球は? そして日本は?

 

 

 

 すでにエルニーニョは史上最強に発達

 

9月25日に、エルニーニョ監視海域の水温が 29.822°Cに達して、記録が残るすべてのエルニーニョ現象のときの海水温を上回りました。

 

 

エルニーニョ監視海域の絶対海面水温の推移

nofia.net

 

これは平均値を 3℃上回る数値だそうで、過去約 80年の観測史上で初めての記録となるようで、前例のないものです。

 

気象分析メディアのシビア・ウェザー・ヨーロッパは以下のように書いています。

 

12月の海洋予報を見ると、世界中の海洋で顕著なスーパーエルニーニョ現象が発生していることがわかる。東部海域では最大で平年より 7℃以上高い水温異常が観測されており、まさに歴史的な出来事が目の前で繰り広げられている。severe-weather.eu

 

というように、「歴史的な出来事」の渦中にいるのですよね。

 

何より、通常、エルニーニョ現象は、年末にかけてがピークとなるので、これからまだ海域の水温は上昇する可能性が高いです。

 

欧州中期予報センター(ECMWF)の予測では、今回のエルニーニョは、11月から 12月がピークになることを示していて、以下のようになっていました。赤いラインが今年で、他のライン(点線)は過去の主要なエルニーニョの際の海水温です。

 

欧州中期予報センターの予測モデル

severe-weather.eu

 

おそらく 20世紀、21世紀を通じて最強のエルニーニョになる可能性が高く(実はすでにそうなっているのですが)、今後、世界の気温や気象がどうなっていくのかが不透明になっています。

 

あるいは、150年前の「スーパーエルニーニョ」を超える可能性もあります。

 

 

 

現在、確かに、世界の気候は不安定で、特に目立つのは豪雨や洪水ですが、タイやインド、ネパールでは大規模な洪水が発生しています。

 

・インドの一部地域で平年の200倍もの降雨量を記録し、壊滅的な洪水が発生

 

・タイの洪水被害が41県に拡大

 

そして、日本では東京で「 34日間連続の降水記録」という、過去最長を更新する連続降雨記録が発表されています。これは、「全然晴れる日がない 9月」だったともいえます。本当にずっと雨か曇りばかりでしたからね。

 

しかし、一方で、「激しい干ばつ」に見舞われている国や地域も数多くあるようで、世界では中米などがその影響を受けているようです。

 

以下は、9月28日のスペイン語版 BBC の報道からの抜粋です。

 

 

 


「牛が喉の渇きと飢えで死んでいる」:エルニーニョ現象の壊滅的な影響が、すでに中央アメリカの乾燥地帯で感じられている

"El ganado se está muriendo de sed y hambre": el devastador impacto de El Niño que ya se siente en el Corredor Seco de Centroamérica
BBC 2026/09/28

 

 

 

農家のフアン・エスタニスラオ・ムニョスさんは、激しい干ばつには慣れている。しかし、今回の干ばつは前例のないものだと彼は言う。

 

「私は 61歳ですが、こんな干ばつは人生で一度も見たことがありません。収穫は無理でしょうし、何もかもダメになるでしょう」と彼は言う。

 

彼の家は中央アメリカ乾燥地帯に位置しており、そこはグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカの一部を横断する細長い地域だ。

 

国連によると、その地域には 1000万人以上が居住しており、農村部の人口の 70%以上が貧困状態にあり、100万人以上の子どもが栄養失調による発育阻害に苦しんでいる。

 

もともと脆弱なこの地域では、気候変動によって悪化したエルニーニョ現象が水不足をさらに深刻化させ、何千もの家族を緊急事態と絶望に追い込んでいる。

 

…そしてその影響は既に中央アメリカの乾燥地帯で甚大な被害をもたらしており、そこでは何百万もの農村世帯がトウモロコシや豆の自給自足農業に依存している。

 

「最初の収穫では何も収穫できませんでした。今は植え付けのために雑草を取り除いたところですが、雨が降らなければトウモロコシは育たないでしょう」とムニョスさんは語る。

 

「私は牛を飼っているのですが、今は草を食べず、土や葉っぱを食べています…。ここの牛たちは喉の渇きと飢えで死んでいます」

 


 

 

ここまでです。

 

世界食糧計画(WFP)によると、エルニーニョ現象の影響で、中米全域で 420万人が食糧不安に陥る可能性があると推定しているそうで、世界的に見ると、エルニーニョによって深刻な食糧不安に直面する人々の数は、2億2500万人から 2億7400万人へと増加する可能性があるとのことです。

 

しかし、干ばつと同様に、洪水、あるいは極端な日照不足(今の日本のいくつかの地域のように)も農作物に大きな影響を与えるはずで、大雨にしても干ばつにしても、極端な気候は、食料不安に大きく関係してくると思われます。

 

 

 

 日本の秋冬は

これから気温や気象はどうなるのかということについては、過去のデータからだけでは何ともいえないのが事実ですが、日本に関していえば、

 

「奇妙な冬」

 

になる可能性が、先ほどの欧州中期予報センター(ECMWF)のモデルは示しています。

 

気温

まず「気温」ですが、これに関しては、あくまで予測モデルですけれど、

 

「平年より著しく高くなる」

 

予測が示されています。

 

以下は、12月・1月・2月の気温の平年との差異の予測です。

 

ECMWFの日本の12月・1月・2月の気温の平年との差異の予測

severe-weather.eu

 

赤が濃くなるほど、平年より気温が高いことを示していますが、東北から北海道の太平洋側などでは、平均との差異が +3℃に近いような気温が示されています。

 

というか、日本の全体が平年より高い気温の予測となっています。

 

雨量

これも、同じ予測モデルからです。

 

緑が濃くなるほど、平年より多いことが示されます。日本全体として、平年より多い雨量が予測されているようです。

 

日本の12月・1月・2月の降水量の平年との差異の予測

severe-weather.eu

 

降水量が多いなら「雪の量は?」となりますと、以下のようになっていました。茶色が濃いほど「平年より少ない」ということになります。

 

日本の12月から3月の降雪量の平年との差異の予測

severe-weather.eu

 

降水量は多いのに、雪の量は地域によって、日本海側の東北などで極端に少なくなる可能性が示されています。平年より多いのは、北海道だけですね。

 

この予測が必ずしも当たるということではないですが、現状での予測ではこのようになっていて、

 

・気温がかなり高い冬

 

・雪がかなり少ない冬

 

というようなことなっていく可能性があるようです。

 

北海道や東北など、通常は雪が多く降る地域では、その雪が翌年の豊富な水資源に結びつきますが、どうなんでしょうかね。

 

 

 

 燃料危機と重なって訪れる気候の危機

エルニーニョと関係する話ではないですが、今はエネルギー・燃料危機、あるいは肥料危機の渦中でもあり、さまざまな国で、特にディーゼル燃料の不足や枯渇が起き始めています。

 

英国では、ディーゼルとガソリンを配給制にするという可能性が言われていますし、アメリカもディーゼルの輸出を一時停止するのではないかという話も多く出ています。

 

世界の石油などの輸送状況が現状のまま続くとした場合、日本でも早ければ、2027年の春頃までにはディーゼルの不足が起きる可能性があります。

 

ロイターなどによると、ディーゼルのアジアのハブであるシンガポールにおけるディーゼル在庫は、データ記録開始以来の最低水準で、また、冬になると、特に欧米などで軽油系の暖房用燃料の需要が増加することもあり、今の状況が続くのであれば、2027年は日本も厳しくなりそうです。

 

ディーゼルの不足は社会全体に影響を与えますが、最も重要なこととして、

 

「農業生産の根本はディーゼル燃料」

 

なのです。

 

稲作や大規模農業で欠かせないトラクター、コンバイン、田植え機から、作物を輸送する中長距離トラックも 100%ディーゼル駆動となっています。

 

ディーゼルがないと農業が成り立たなくなっちゃうんですよね。

 

そういうエネルギー危機と、気象の異常の農業への影響などを考えますと、日本を含む主要国でも食料への影響は大きくなりそうです。

 

そんなわけで、エルニーニョの実際の影響はその時期にならないとわからないでしょうけれど、2026年後半から 2027年の春頃までは、わりと激しい時期にはなりそうです。

 

 

 

転載元

 

 

 

 

 

 

 

 

siasat.com

 

 

 

先月の鉄砲水での現状の死者数は1453人、行方不明者は5000人以上

 

 

 

 またもネパールで大洪水

ネパールとチベットの国境で大規模な鉄砲水(氷河の決壊による洪水)が発生してから約 1カ月が経ちました。

 

この 8月の鉄砲水での死者数は、9月26日時点で、

 

ネパール側

 

・死者:1,453人
・行方不明:約 5,285人

 

中国・チベット側

 

・死者:43人
・行方不明:519人(うち外国人261人)

 

となっています。中国側の数字は当初からほとんど変化していないですので、やや懸念があるものですが、それはともかくとして、大変な被害となったままです。

 

そのネパールで、この数日大雨が続いていて、またも洪水や土砂崩れが発生していることが報じられています。

 

以下は、9月28日にネパールで撮影されたものです。

 

2026年9月28日 ネパールの洪水の様子

 

 

 

この洪水もかなり大規模に見えます。

 

今なお復旧が続く場所などでも被害を受けている可能性もあります。

 

何ともいえない災害の連続ですが、現地の報道です。

 


 

 


雨によりネパール全土で新たな洪水が発生、死者数は1453人に達した

Rains trigger fresh floods across Nepal, death toll reaches 1,453
siasat.com 2026/09/27

 

ネパールとチベットの国境付近を発生源とする鉄砲水がネパール北部と中部の町や村を壊滅させてから1か月後の土曜日までに、1451人の遺体が収容された。

 

 

 

報道によると、9月24日木曜日からネパール全土で降り続く豪雨により、新たな洪水や土砂崩れが発生し、家屋が流され、道路交通が寸断されている。

 

ヒマラヤのこの国は、少なくとも 1453人が死亡し、5000人以上が行方不明となっている災害から立ち直ろうとしている途中だ。

 

ネパール国家災害リスク軽減管理庁(NDRRMA)によると、ネパールとチベットの国境付近を発生源とする鉄砲水がネパール北部と中部の町や村を壊滅させてから 1か月後の土曜日までに、1451人の遺体が収容された。他に 2人が治療中に死亡した。

 

国家災害リスク軽減管理庁によると、土曜日までに合計13,795人が救助された。

 

カトマンズ・ポスト紙の報道によると、ルンビニ州の一部であるルパンデヒ地区では、ティナウ川の水位が危険水位を超えたため、土曜日の夜、ブトワルの川岸沿いの家屋 6軒が洪水で流された。

 

警察関係者の話によると、ブトワルの川沿いにある約 200軒の家屋が危険にさらされており、ティナウ川と近隣の小川が降り続く雨で増水したため、治安部隊が夜間に約 1000人を避難させたという。

 

水文気象局によると、デヴガート観測所では、ナラヤニ川の水位が午前 5時15分頃に 9.23メートルに達した。同地点の警戒水位は 7.3メートル、危険水位は 9メートルである。

 

マディとチトワン国立公園の境界に沿って流れるリウ川の水位は 3.92メートルに達した。警戒水位は 3.4メートル、危険水位は 3.8メートルだとカトマンズ・ポスト紙が報じた。

 

リウ川はチトワン南部を流れ、メガウリ付近でラプティ川と合流し、最終的にナラヤニ川に注ぎ込む。

 

大雨により、チトワンの複数の地点で土砂崩れや地滑りが発生し、道路交通が寸断されている。

 

警察関係者によると、イチャカマナ村4区のダラパニでは、道路の一部がさらに陥没し、土砂崩れによって両方向の交通が遮断された。

 

同じ自治体内のシマルダラでも地滑りが発生し、道路が両方向とも通行止めになっている。

 

雨が降り続く中、被災地域の当局は、洪水や土砂崩れの危険がある地域の住民に対し、警戒を怠らず、必要に応じて安全な場所に避難するよう呼びかけている。

 

 

 

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その真意は?

 

 

 10億人の死者

慈善家のビル・ゲイツ氏が、テレビのインタビュー番組に出演し、

 

「 AI は 10億人の死者を出すような事態を引き起こす可能性がある」

 

と述べたことについての話題がいろいろと出ています。

 

ゲイツ氏は、これまでも、気候変動による人類の滅亡的な発言を続けていたり、パンデミックの前もそうでした。

 

新型コロナのパンデミックが公式に発生するほんの 2カ月前の 2019年10月には、ジョンズ・ホプキンス、世界経済フォーラムと共に、ゲイツ氏は、「新しいコロナウイルスによる世界的なパンデミック」についてのシミュレーションを行い、

 

「 6500万人が死亡するだろう」

 

と述べていました。

 

 

 

その後、まあ、実際、多くの死亡者が出たと公式にはなっていて、WHO による世界の累計死亡者数は約 700万人とされています。それらの死因が本当にコロナだったのか他の要因だったのかは、今となっては非常に曖昧ですが、それでも、6500万人の死亡という数とは遠く離れたものでした。

 

そして、今度は「 AI により 10億人の人類が死亡する」と。

 

このゲイツ氏の発言について、一般的な世間の見方は「恐怖を煽っているだけ」などの批判的な見方も多いです。

 

どういう根拠でこういうことを言い始めたのかは定かではないですが、ゲイツ氏は、積極的に AI に対しての 1兆円以上の投資を続けていることも事実でもあります。

 

そのような批判的な記事のひとつをご紹介します。

 

なお、この記事にはないですが、インタビューの中でゲイツ氏は以下のようなことも述べていました。

 

ビル・ゲイツ氏のインタビューより

 

今、私たちが直面している最も危険なことは、悪意を持つ人々が AI を利用することです。たとえば、個人を詐欺で攻撃したり、電力網を停止させたり、銀行口座を混乱させたりしたいと考える者が、今や力を得てしまっています。

 

だからこそ、悪意と AI の組み合わせが、主要な脅威として迫ってきます。政府がさまざまな安全策を強く求めない限り、そうした脅威は避けられません。

 

Clash Report

 

この「悪意と AI の組み合わせ」が脅威となり得ることには、部分的に同意します。

 

特にインフラの破壊や金融システムの破壊については、今の AI を巧みに利用できる存在なら、それは可能だとも思います。

 

エネルギーインフラとサプライチェーンのインフラが決定的に破壊された場合、確かに世界中で多くの人々が亡くなるでしょうけれど、それは、現在のエネルギー危機とエルニーニョによる極端な気候の変化でも起こり得ることでもありますが。

 

それより最も懸念されるのが、AI に依存し過ぎた人類が能力的に、あるいは文化的に自滅していくという方向なのではないかと私は考えます。

 

直接的な大量死ではなく、AI による人類の文化の終焉ですね。

 


 

 


ビル・ゲイツ氏、「進化上の出来事」により10億人が死亡すると予測

Bill Gates Predicts A Billion Deaths Via Evolutionary Event
modernity.news 2026/09/28

 

ビル・ゲイツ氏が再びテレビ番組に出演し、人類の人口が大幅に減少すると予測するなど、悲観的な見通しを広めている。

 

 

 

今週末に放送予定の「ミート・ザ・プレス」の独占インタビューで、マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏はクリステン・ウェルカー氏に対し、人工知能は「10億人の死者を出すような事態を引き起こすのに十分な力を持っている」と述べ、その発言を根拠に、連邦法の制定、法執行機関による監視、そして業界の自主規制の廃止を要求した。

 

ゲイツ氏は AI を人類レベルの緊急事態だと喧伝し、政治家や新たな階級のグローバルな監視員に完全な制御権を委ねるよう求めている。

 

ウェルカー氏は彼に直接、人類絶滅の可能性について問いかけた。

 

「あなたは、AI が全人類を滅ぼすほど強力だと考えているのですか?」

 

ゲイツ氏はこう答えた。「 AI は確かに、10億人の死者を出すような事態を引き起こすのに十分な力を持っています。100%の死者を出すのは非常に難しいとはいえ、悪意を持った人間が最新の AI ツールを使うことほど強力な武器はこれまで存在しませんでした」

 

 

「100パーセントに到達するのはかなり難しい」ゲイツ氏はそのことに少しがっかりしているような表情を見せた。

 

ゲイツ氏は、暴走した機械が人類を滅亡させようとしているとは述べなかった。彼は、最新型の機械を人間が兵器として利用しているという脅威を指摘し、その警告を即座にワシントンの行動リストへと転換させた。

 

自主規制だけで十分なのか、それとも法制化が必要なのかという質問に対し、ゲイツ氏は次のように答えた。

 

「自主規制だけで十分だと考える人は誰もいません。ですから、ワシントンで法制化される必要があります。絶対に必要です」

 

「法執行機関と政治家が、どのような安全対策や監視体制が必要かについて議論に参加する必要があります。これは必須事項でなければなりません。業界にとっては多少の負担にはなりますが、事業活動が劇的に減速するわけではありません」

 

その 3日前、ゲイツ氏は CBS モーニングスに出演し、形而上学的な観点からその基礎を築いていた。

 

過去の技術との比較は的を外していると彼は述べた。「社会の大部分は、AIがどれほど急速に進化しているかをまだ認識していない」と、ゲイル・キング氏とノラ・オドネル氏に語った。

 

「 AI はほぼ進化的な出来事です」

 

彼は、最も誇張された AI による被害の主張を「でっち上げ」と呼んだトランプ大統領に対し、同じ機会を利用して訴えかけた。

 

ゲイツ氏は、大統領は「他の皆と同じように、最初は『これは過去の技術と何ら変わらないのではないか?』と思う立場にいる」と述べた。

 

そして、最後の決め手はこうだった。

 

「もし彼が世界全体に貢献したという評価を得たいのであれば、AI というテーマが最適でしょう。人々をその分野で結集させるリーダーは、間違いなく高い評価を受けるに値します」

 

今月初め、ゲイツ氏はすでに AI を「異星人の知能」と呼び、「どの政府もこの問題に関して必要なほど深く理解していない」と述べ、核査察、航空規則、オゾン層条約などを基盤とした国際機関の設立を提唱していた。

 

その記者会見で彼はハリウッド映画の脚本を例に挙げた。

 

「宇宙人がやってきて、アメリカや中国などが魔法のように協力して問題を解決する、そんな映画はたくさんありますよね。AI はまさにこの宇宙人の知能のようなものです。それはもうここに存在している。だから、私たちはあの映画のように対処するべきなんです」

 

タイムズ紙のポッドキャストでは、彼は業界が自らを律することを期待すべきではないと述べた。

 

「 AI が社会全体に及ぼす影響を自主規制したり理解したりするのは、業界の役割ではありません」

 

8月下旬のエッセイでは、「 AI 時代への移行は人類史上最も激動の時代の一つになるだろう」とし、「残念ながら、現時点で我々はそれに対する準備ができていない」と書いている。

 

ゲイツ氏は長年、ネットゼロ(正味で排出量がゼロになる状態)を人類最後の出口として売り込んできた。その後、データセンターのブームで電力が必要になり、昨年 10月には気候変動は「人類の滅亡にはつながらない」と断言した。

 

恐怖を煽るマシンは引退していなかった。

 

査察官や「国際的な連携」を必要とするほどの新たな脅威が必要だったのだ。AI はまさにうってつけのタイミングで登場した。雇用、サイバー攻撃、仲間、バイオテロ、「制御不能」といった脅威だ。

 

エンターテインメント部門も同様の手法を採用した。

 

Netflix のドキュメンタリー番組「The AI Doc」は、社内では「 AI 版『不都合な真実』や『ソーシャル・ジレンマ』のようなもの」と位置づけられていた。研究所の責任者や「人間的なテクノロジー」を提唱する人々が、迫りくる恐怖を視聴者に伝えるという内容だった。

 

アンソロピック社のダリオ・アモデイ氏は減速を呼びかけ、サム・アルトマン氏もそれに同調した。アンソロピック社とオープンAIの元研究者であるジェイコブ・コックスン氏は退職し、システムを構築している人々は「今世紀末までに人類を滅ぼす可能性があると真剣に信じている」と述べた。

 

トランプ氏は既に(AI開発の)一時停止を拒否している。悲観論者たちは正反対のことを主張している。つまり、依然として最先端を走る研究所の活動を減速させ、中国が従わないような規則をワシントンで策定し、その結果を「セーフガード」と呼ぶというものだ。

 

ゲイツ氏は絶滅について語る一方で、彼の財団は AI に資金を拠出している。

 

9月15日、ゲイツ財団は教育、医療、農業を通じて AI を普及させるために、今後 2年間で少なくとも 10億ドル気(1580億円)を拠出することを表明した。

 

内訳は、個別指導や教室用ツールに 40%、診断や創薬に 40%、残りは農業に関するアドバイスや、英語圏以外でもモデルが機能するためのデータレイヤーに充てられる。

 

この資金は、以前発表された年間 90億ドル(1兆4000億円)の支出計画に含まれている。

 

ゲイツ氏は、市場原理に任せれば「 AI は世界で最も裕福な人々によって、そして彼らのために設計されるだろう」と述べ、今後 12~ 18ヶ月の選択が誰が利益を得るかを決定づけるだろうと付け加えた。そして、良い結果は「偶然に起こるものではない」と述べた。

 

カリム・ハウィ氏は、以前失敗した(気候変動による)カウントダウンを引き合いに出し、「気候変動がこうなると言っていたのに、まだ何も起きていないのと同じ人物か?」と X で問いかけた。

 

The Conspiracy Report はこの動画を「 AI デマの舞台は整った」と呼び、選挙前の都合の良いショックになる可能性があると警告した。

 

読者はこれらの主張を自ら検討することができる。理論を必要としないのは、録音された一連の流れだ。死者数を捏造し、自治は不十分だと宣言し、法制化と監視を要求し、トランプ氏を北京との「人々を結びつける」人物にするよう促す。

 

アメリカに必要なのは、ゲイツ氏のエイリアン侵略サミットなどではない。

 

必要なのは、国内の研究所が最先端技術を維持できること、財団ではなく有権者がルールを制定できること、そして、架空の 10億人の死体を根拠にコードに対する新たな警察権力を行使しようとするいかなる政権にも断固として反対することだ。

 

前回の終末は予定通りには訪れなかった。今回の終末は、予告編と日曜日の上映枠付きで先行販売されている。

 


 

 

ここまでです。

 

 

 

 

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dailysabah.com

 

 

 

 

 洪水の時代

何だか、どこもここも洪水で。

 

タイの洪水は現時点でまだ継続中のようですが、特に首都バンコクへの影響が大きいようで、いろいろな混乱が長引きそうです。

 

 

 

日本の国内では、「洪水」という言葉は報道などではあまり使われませんけれど、千葉など繰り返される水の被害が続いています。日本はこれから台風(26号)の影響もある程度は受けそうですし、「台風になりそうな」低気圧が太平洋に散在していますので、影響が続く可能性もあります。

 

現在の日本は、もちろん地域によりますが、「毎日雨ばかり」という状況が続いていて、「東京の連続降雨が34日となり、過去最長を更新」というようなことになっています。

 

記録はともかく、関東だけではなく、同じような状況の地域も多いかと思われます。

アジア全域がどうなっているのかは不明ですが、秋の気象としては、あまり体験しないような 9月になっているところが多そうです。

 

豪雨と洪水は、インドやネパールなどの南アジアでも拡大していまして、死者を含む被害も出ています。

 

特に、インドのウッタル・プラデーシュ州で、非常に大きな影響と被害が出ているようです。

 

ウッタル・プラデーシュ州

Google Map

 

これに関して、「エルニーニョの影響なのかな」とも思いましたけれど、本来なら、エルニーニョの場合、インドやネパールなどは、過去の記録では、モンスーンの雨量が減りやすい傾向にありました。しかし、現実として大変な大雨が「降り止むことがない」という状況が続いているようです。

 

地球全体の気候システムが、以前からの考え方とはやや異なる方向に向かっているのかもしれません。

 

インドの洪水の状況についての報道です。この報道では、「 56人が死亡」とありますが、その後、被害は増加していて、現状では、インドだけで洪水で 80人以上が亡くなったと報じられています。

 


 

 


インドのウッタル・プラデーシュ州では、24時間で23センチの豪雨により、少なくとも56人が死亡した。ある都市では、平年の200倍もの降雨量を記録した

At least 56 people killed in Uttar Pradesh, India due to heavy rains - 9 inches in 24 hours - one city receives 200 times its normal rainfall
sott.net 2026/09/27

 

 

 

ウッタル・プラデーシュ州では、60時間にわたる連続降雨により、少なくとも 56人が死亡、46人が負傷したほか、107頭の動物が死亡、1,021軒の家屋が被害を受けたと州政府のデータが示している。

 

死者は複数の地区から報告されており、シタプールで 7人、ラキンプール・ケリ、バフライチ、バルランプールでそれぞれ 5人が死亡した。アヨーディヤとゴラクプールではそれぞれ 4人が死亡した。

 

負傷者のうち、ハルドイで7人、メインプリ、シュラヴァスティ、バラバンキでそれぞれ 5人が負傷した。シタプールとラキンプール・ケリではそれぞれ 3人が負傷した。

 

家屋被害が最も大きかったのはハルドイで、272軒が被害を受けた。シタプールでは 108軒、チャンダウリでは 75軒、アウライヤでは 60軒、ゴンダでは 54軒、ハミールプルでは 51軒、シャージャハンプルでは 47軒、バフライチでは 44軒の被害が報告された。

 

気象データによると、ラクナウでは土曜朝までの 21時間で 125.8mmの降雨量を記録した。

 

ファルカバードでは平年の 200倍の降雨量を記録し、カンプール・ナガルでは 160倍、カンナウジ、カンプール・デハット、ハルドイでは平年の 130倍の降雨量を記録した。

 

IMDのデータによると、土曜日の午前8時30分までの24時間で、バンダで227.6 mm、ファテガルで224 mm、バフライチのナンパラで217 mm、ハルドイで214 mm、ファルカバードのカヤムガンジで210 mm、ハミールプルで210 mm、カンナウジで204 mmの降雨量を記録した。

 

農村部の農家も、作物の被害を報告した。

 

「雨と風が続けば、さらに多くの作物が倒れ、損失が拡大するだろう」とハルドイの農家は語った。

 

 

 

 

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 選ばれた民という思想

 

ルドルフ・シュタイナー系のサイトを見ていましたら、「選ばれた民」、「優越人種」、あるいは「例外主義」について、シュタイナーを含めた様々な人たちの言葉を引用した記事がありました。

 

例外主義というのは、「〇〇国は特別に優れている」とする認識で、アメリカ例外主義という言葉がよく使われるものです。アメリカに関しては、かつてより今のほうが例外主義的な価値観が強いですが(少なくとも大統領などに関しては)、それは以前から聞くことがありました。

 

今回ご紹介する記事には…作者はイタリアの方だと思いますが、

 

> アメリカに10年間住んだ経験から、アメリカ国民が自国こそ世界一だと信じ込まされている様子を目の当たりにしてきた。

 

という記述がありまして、私の知人で、幼少の頃にアメリカに長く住んでいた方(ベトナム 戦争の頃ですので、かなり以前ですが)も、「アメリカ国民が自国こそ世界一だと信じ込まされている様子」を小学生の時にいつも見ていたとおっしゃっていました。小学生くらいからアメリカ例外主義を叩き込まれるわけです。

 

そこにどの程度、「人種」としての例外主義が含まれていたのかはわからないですが、1960年代くらいまでのアメリカでの極端な人種差別の様相を見ていると、白人例外主義という部分も強く叩き込まれていたのかもしれません。

 

しかし、これはどこのどんな国でも多少はあるもので、選民という概念ではないにしても、「〇〇国は特別な国である」という考えは、相当多くの国にあるのでないでしょうか。もちろん、日本にも。

 

ともかく、そのイタリアの記事はわりと長いですので、そろそろご紹介させていただきます。

 

なお、注意すべき点としては、「自分たちは特別だ」という集団意識が侵略や虐殺を正当化してきたという歴史認識自体は、その通りだと思われますが、

 

「記事の批判の対象がほとんど、アメリカ例外主義とイスラエル/シオニズムに向いている」

 

というところです。

 

 地球上には、他にもいろいろな「特別」主義はあり、その点については、ほとんどふれられていません。

 

まあしかし、どんな人にしても、何もかも公平に合理的には書くことはできないというのも人間の特性なのかもしれませんね。太字はことらで施しています。

 


 

 


「選ばれた民」と憎悪の悪魔

‘Chosen Peoples’ and the Demons of Hatred
Piero Cammerinesi 2026/0919

 

 

 

ほんの数十年前、歴史が今日私たちが目の当たりにしているような無意味で悲惨な形で繰り返されるとは、想像もしていなかった。

 

私たちの師は、困難で危険な時代、物質的価値観にますます囚われ、精神的・道徳的価値観への関心がますます薄れていく社会を形作る狂気に満ちた21世紀に備えて、私たちを準備させてくれた。それは過激な物質主義と厚かましい利己主義に囚われた社会だ。

 

兆候はすべてあった。それを見ようとさえする人がいれば。

 

しかし、迫りくる破滅的な嵐について警告を受けていた人々でさえ、神や幸運な出来事の組み合わせがそれを止めたり、楽しんだりするかもしれないと考えて、しばしば自らを失望させてしまうのだ。

 

21世紀最初の四半期に起きた出来事は、それ(※神や幸運な出来事の組み合わせ)が実現しなかったことを如実に示している。

 

9月11日の同時多発テロから「カラー革命」の蔓延、ある民族が別の民族に対して仕掛けた侵略 戦争、2019年のパンデミックによる自国民への宣戦布告、そして露骨な大量虐殺に至るまで、署名された条約やルールに基づく国際秩序の完全な無視は言うまでもなく、今日私たちは、最強の法則によって支配される国際無法状態の全面的容認に直面している。

 

これはまさに終末的な光景だと、ためらうことなく表現できるだろう。

 

言い換えれば、それは世界規模での悪と虚偽の顕現であり、過去の歴史上のあらゆる悪魔が人類に一斉に降りかかっているように見えるが、人類は――そしてこれが最も憂慮すべきことであるが――それに気付いたり、何らかの反応を示したりしていない。

 

第一次世界大戦が「最後の戦争」であるべきだという考えは、第二次世界大戦の勃発によって劇的に否定され、さらに破壊的な紛争の時代が到来した。

 

第二次世界大戦後、相互確証破壊の原則に基づく核抑止戦略により、世界規模の破壊を招く恐れがあるため、第三次世界大戦は想定できないと言われていた。

 

しかし、これも実現しなかったことがわかった。戦争はその様相と方法を変えたが、その凶暴さは止められない悪魔のように全世界を席巻している。

 

ある民族(「選ばれた民」)や人種(「優越人種」)が自らに抱く特別な意識は、人類の歴史を通じて戦争の主な原因の一つであることは間違いない。

 

例外主義とは、ある民族、国家、あるいはいわゆる「人種」が本質的に優れており、独特であり、歴史や神の力によって導かれる役割を担う運命にあるという信念を意味する。

 

アメリカの歴史家ハワード・ジンは次のように書いている。

 

もし我々が自国は極めて善良な国だと信じているなら、他国への侵略、都市への爆撃、政府転覆など、我々が行うあらゆる行為は、慈悲深い行為と見なされるだろう。

 

これこそが例外主義の最大の危険性である。 戦争犯罪を道徳的な使命へと変えてしまうのだ。

 

 

 

歴史を通じた例外主義

 

この概念には深い根源があると言わざるを得ない。

 

トゥキディデス(※紀元前の古代ギリシャの歴史家)が述べているように、古代においてさえ、自分こそが正義の唯一の守護者であるという信念は、権力者たちがあらゆる征服戦争を正当化する根拠となっていた。 実際、人間は生まれつき支配欲が強いにもかかわらず、常に野心と力に支配されてしまうのである。

 

例えば、古代ギリシャを考えてみよう。そこにはギリシャ人と「蛮族」という明確な区分があった。あるいは、中国帝国を「中原」と捉え、遊牧民に囲まれた文明として捉えたのである。

 

これは、19世紀の政治的・文化的教義である「明白な運命」へと私たちを導く。この教義は、アメリカ合衆国には北米大陸全体に領土を拡大し、自由、民主主義、そしてアメリカ例外主義という理想を広める神聖な権利と義務があると主張した。

 

しかし、現代はナショナリズムと人種差別を克服する方向へと向かう時代であるため、国連の設立、グローバリズム、欧州共同体といった動きが生まれてきた。

 

とはいえ、これらは人類を支配しようとする者たちによってすぐに利用され、歪められてしまった。

 

欧州連合の構想や、多様性に対する社会的な開放性としての包摂の概念は、一部の民族や集団が神聖とまでは言わないまでも根本的なものとみなす例外主義の概念を排除しようとする試みであったことは確かだ。

 

しかし、窓から投げ捨てられたものが、再び扉から入ってきた。

 

人種差別は単に色を変えただけである一方、特定の民族や国の特権意識は仮面を脱ぎ捨て、その全貌を露わにしたのだ。

 

ノーム・チョムスキー(※アメリカの哲学者、言語学者)は次のように述べている。

 

例外主義は、帝国主義的な知的活動の根本原理である…この教義は、我々は他者とは異なり、より優れているため、他者が行えば恐ろしいとみなされるような行為を行う権利があると主張する。

 

私はアメリカに 10年間住んだ経験から、アメリカ国民が自国こそ世界一だと信じ込まされている様子を目の当たりにしてきた。

 

この信念は、学校で教えられる狭く歪められた歴史だけでなく、アメリカには救済の使命があり、世界を支配する権利があるという考えを国民に浴びせるメディア全体によっても強化されている。この考えは、「新アメリカ世紀プロジェクト」(※アメリカのネオコン系シンクタンク。今は存在しない)の文書にも正式に明記されている。

 

ウラジーミル・プーチン大統領は、2013年9月にニューヨーク・タイムズに掲載された「ロシアからの注意喚起」と題する記事の中で、アメリカの特異性を懸念すべき点として強調した。

 

動機が何であれ、人々を自分は特別な存在だと考えるように促すのは極めて危険だ。国には大小さまざまな国があり、富裕国もあれば貧困国もあり、長い民主主義の伝統を持つ国もあれば、いまだに民主主義への道を模索している国もある。

 

政策も国によって異なる。私たちは皆それぞれ違うが、神の祝福を求める時、神は私たちすべてを平等に創造されたことを忘れてはならない。

 

1945年以来、英語圏の世界的な支配は、何億もの人々がアングロサクソン民族を優越民族とみなすようになった。第二次世界大戦後、大英帝国の覇権はアメリカ合衆国に引き継がれ、前例のない規模の文化的、芸術的、経済的、軍事的植民地化が始まった。

 

第三帝国時代にドイツに対して向けられた主な非難――アーリア人種の優越性を公然と主張したこと――は、第二次世界大戦終結後、新たなアメリカ帝国によってより巧妙に、しかしより効果的に実行に移された。

 

言うまでもなく、1960年代まで、米国では人種差別が蔓延しており、特に黒人に対する差別が顕著だった(クー・クラックス・クラン / ※KKK を思い出してほしい)。また、イタリア人に対する差別もあった。一方、南アフリカはアパルトヘイトのために公式に孤立し、制裁を受けていた。千年帝国から新アメリカ世紀へと至り、今やイスラエル国家の指導者によって公然と支持される新たな形態の例外主義と優越主義に至っている。

 

与党シャス党の精神的指導者であるオバディア・ヨセフ師(イスラエルの高名な ユダヤ教指導者)が 2010年の安息日の説教で述べたことを聞いてみてほしい。

 

異邦人( ユダヤ人以外の者)は、ただ我々に仕えるために生まれてきたのだ。そうでなければ、彼らにこの世に居場所はない。イスラエルの民に仕えるためだけに…なぜ異邦人が仕えるのか?彼らは働き、耕し、刈り取る。我々は主人のように座って食べるのだ。

 

また、2012年に当時の内務大臣エリ・イシャイ(イスラエルの政治家であり、超正統派政党シャスの元党首)がイスラエルに住む非ユダヤ人について述べたことも考慮に入れるべきだろう。

 

ここに来るイスラム教徒のほとんどは、この国が私たち白人のものであるとは信じていない。

 

以下は現首相ベンヤミン・ネタニヤフの言葉であり、彼は 2023年のガザ 戦争中に、宗教文書を引用してイスラエルにおける露骨な人種差別を正当化した。

 

「アマレク人があなたたちにしたことを覚えておきなさい」と聖書は述べている。そして、私たちはそれを覚えている。

 

彼は、アマレク人の完全な絶滅を命じる聖書のサムエル記と申命記の記述を指していた。(※)アマレク人とは、神の選民であるイスラエル民族に敵対し攻撃や略奪を繰り返す残忍な民族と聖書で描かれている存在。

 

 

 

例外主義の精神的な意義

 

歴史的、政治的、そして精神的な観点からこの問題に取り組んできた人々は、人種的あるいは民族的な特異性を克服する唯一の方法は、人類全体の精神的進化という観点からこの問題を捉えることであるとよく理解している。この観点からすれば、文化的および人種的な特異性は過渡的な段階とみなされ、個性の尊重という中心的な価値観によって取って代わられる。

 

輪廻転生の可能性を考えると、特定の民族や人種を優れていると考えるのは全く無意味だ。私たちは 地球上で、様々な時代や場所で、様々な民族や人種に生まれ変わる。

 

進化の旅路において、これまでも、そしてこれからも様々な文化、宗教、民族の一員であり続けることを知っているのに、もし私が白人なら黒人に対して、キリスト教徒ならイスラム教徒に対して優越感を抱くことに、一体何の意味があるのだろうか?

 

実際、もし私が今世で最も憎んでいる人々や人種の中にまさに生まれ変わると知っていたら、彼らへの接し方には非常に気を付けるでしょう。

 

人類が一時代に経験した最も過激な民族主義や人種憎悪の衝動は、未来の運命への道を開きます。宇宙の秩序は、魂が外から裁いたり迫害したりしたものを、内から経験することを要求するのです。

 

今日、盲目的な民族主義的憎悪を抱いている人々の多くは、次の転生でまさに自分が軽蔑する人々の間に生まれ変わるでしょう(ルドルフ・シュタイナー『個人と国家の運命』)。

 

確かに、どの時代も特定の民族精神によって導かれ、刺激を受けており、それが特定の共同体の特性を形作っているのは事実だが、これは価値観の階層構造を意味するものではない。どの民族も、他の民族の使命を補完し合い、人類の精神的進歩に不可欠な、独自の「使命」を持っている。

 

ルドルフ・シュタイナーは、人種の違いは人類進化の過去の段階に属するものであり、もはや克服すべきものであると繰り返し強調した。人間は肉体、血統、遺伝子によって定義されるのではなく、絶えず変化する文化的背景、時代、地理的環境の中で生まれ変わる精神的な個性によって定義される。

 

かつては、人々の魂には使命があった。しかし、人類は進歩していいかなければならないが、人種や血統といった古い結びつき、つまり遺伝的な理由から自分たちを特別な、あるいは選ばれた民族とみなす考えは、真の進化に反する。

 

かつて、人々は使命を持っていました。しかし、人類が進歩するにつれ、人種や血縁といった古い絆に固執すること、つまり、世襲的な理由で自分たちを特別な、あるいは選ばれた民とみなす考えは、真の精神の進化に反するものです。

 

今日、人間は民族集団の一員としてではなく、個人として自分自身の中に神性を見出さなければなりません(ルドルフ・シュタイナー、『ゲルマン神話との関連における個々の民族魂の使命』)。

 

さらに、このように述べている。

 

ある民族の断片がどのような使命を持っているのかを問うような考え方をすることは、人類の進化にとって遥かに悪い影響を与えます。

 

私たちは境界を超越し、境界を消し去り、共通の人間性を発見し、普遍的な人間経験における自分たちの位置づけを自らのものとして受け入れる必要があります(ルドルフ・シュタイナー、『社会思想、社会現実、社会実践II』)。

 

シュタイナーの言葉は、今日のイスラエルにおける人種差別の恐ろしい実態を考察する上で欠かせない。シュタイナーは中東における最近の出来事に明確な光を当てている。

 

 ユダヤ教には、 ユダヤ人に関連するあらゆるものが個人的な性格を帯びるという側面があります。

 

しかし、人々は他者の中に精神的なものを見出す必要があります。今日、ユダヤ人に関するあらゆることは依然として人種によって支配されています。彼らは概して同族間で結婚するため、精神的な側面よりも人種的な側面を依然として見ています。

 

「ユダヤ民族は人類の知識の発展においてその使命を果たしたか?」という問いに対し、シュタイナーは次のように答えている。

 

はい、果たしました。なぜなら、ある時期には、特定の形態の一神教へと導く単一の民族が必要だったからです。しかし今日では、使命とは『霊的知識』そのものでなければなりません。したがって、その(かつての)使命は果たされたのです。

 

このユダヤ民族としての使命は、もはや進化の過程において必要ではありません。ユダヤ人にとっての正しい道は、他の民族と交わることです」(シュタイナー『人類の歴史と文明諸民族の世界観』)。

 

さらにこう述べる。

 

したがって、もし「ユダヤ民族が人類の知識の発展における使命を果たし」、その「使命が進化の過程においてもはや必要とされていない」のであれば、今日、それがかつてないほどの激しさで再浮上しているとしても驚くにはあたりません。

 

それはおそらく、ホロコーストを組織し実行したのと同じ人物たちによって導かれているのでしょう。彼らは今や、何としても「霊的知識」という真の使命が果たされるのを阻止しようとするアスラ的(悪魔的)な力に突き動かされているのです。

 

実際、ある特定の集団や民族に対して生涯を通じて深く狂信的な憎悪を抱くと、アストラル体に刻み込まれたその嫌悪の感情は、死から再生に至る期間において、磁気的な引力へと変容します。魂が、自らが拒絶したものへと縛り付けられることになるのです(シュタイナー『死と再生の間の生に関するオカルト的探求』)。

 

したがって、今日のパレスチナ人に対するジェノサイド的残虐行為は、 80年前に「 ユダヤ人問題の最終解決」を実行した者たち(※ナチスのこと)と同じ者たちの仕業であると仮説を立てることは、決して突飛なことではない。

 

2030年から 2033年が近づくにつれ、暴力のさらなる激化が予想され、聖地は血に染まり、憎悪に覆われることになるだろう。これは、キリストが人間の体で誕生してから 2000年(2030年)と、ゴルゴタでのキリストの死と復活から 2033年という、重要なキリスト教の記念日の祝賀を妨げることになるだろう。

 

シオニストが広める例外主義は、人種差別と非人道性の根源であり、民族間の憎悪として現れます。しかし、民族間のあらゆる憎悪は、同時に精神に対する闘争でもあります。

 

まさに現代が精神に対する闘争に傾倒しているからこそ、民族間の憎悪を生み出す才能に恵まれているのです。これは、現代の精神文化における最も深い秘密の一つです(シュタイナー『進化の内なる衝動』、『メキシコの秘儀』)。

 

したがって、他民族や他人種に対する敵意や悪魔化の物語に警戒することが、私たち全員にとってますます重要になってきている。個人レベルと国家レベルの両方で憎悪を克服することこそが、私たちの文明の完全な崩壊を回避する唯一の希望なのである。

 

これには、憎む者に対する憎しみも含まれる。

 


 

 

ここまでです。

 

なお、ここに出てくるシュタイナーの講演のうち『個人と国家の運命』と『社会思想、社会現実、社会実践II』というのは日本語では出版されていませんが、ネット上のアーカイブにあります(英語です)。

 

・『個人と国家の運命』
・『社会思想、社会現実、社会実践II』

 

『死と再生の間の生命に関するオカルト的調査』というのは、最近、日本語で出版されたようで、書籍というか、ペーパーバックで、アマゾンに『死と生まれ変わりの間の生活 GA140』として出版されていました。

 

それにしても、先ほどの「民族主義的憎悪を抱いている人々の多くは、次の転生でまさに自分が軽蔑する人々の間に生まれ変わるでしょう」というシュタイナーの言葉はなかなか印象的です。

 

なお、日本の例外主義は特に中国との関係などに興味深い歴史がありますが、長くなりますので、それはまた別の機会とさせていただきます。

 

 

 

 

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