夢みたいだ。
目の前には大きな真っ白なドアが、
お世話になった人々との接触を邪魔する
最後の関門かのように、尊大に構えている。
いつか、こんな日がくればいいなと思っていた。
でもほんとにくるもんなのかなと信じきれなかった。
だからまさに夢見心地。
その言葉がぴったりと当てはまる、
そんな一日が始まろうとしていた。
・・・・・・・・・・・
《スタートまであと3年》
もう、信じられない。
信じられるのは自分と家族と友達だけだ。
転職をして、二ヶ月程経ち、
少しは会社に慣れてきたある日、
いつも通りの通勤路をいつも通り、
やる気の感じられない面構えで歩いていた俺の視線の先に、
後姿がそっくりの二人組みの女性が歩いていた。
基本的に人ごみでは周りにあまり興味を持たない俺にしては、
まったく持って珍しいことだ。
しかも当時の勤務先は渋谷だったから、
通勤ラッシュの人ごみはそれなりにすごいものがある。
でもなぜか、その二人組に視線が奪われた。
しばらく歩くと、
なぜか俺の行く方向と同じ方向へ歩いて行く二人組み。
確かに視線は奪われたが、「別についていってるわけじゃないよ」
と、誰にしてるのか分からない説明を、
自分の心の中で必死に繰り返し、階段を一つ、二つ、
エスカレーターを一つ、二つと昇る。
無意識のストーカーと化した
はたからみればストーカーの足取りは
やや重たいものになっている。
とうとうエレベーターに乗る踊り場まで到着。
どうでもいいけど、
ストーカーとスカートって言葉、似てるよね。
なぜかその二人組みを意識してしまった俺は、
一緒のエレベーターに乗ることを躊躇い、
一本遅れてエレベーターに乗って、フロアに到着した。
予感めいたものはあった。
でもその予感が当たると、やっぱり驚いた。
その二人組みは、同じフロア、つまり同じ会社にいたんだ。
俺が☆を意識した瞬間だった。
それにしても、
周り見えてなさすぎだよ。vv
ソイヤ